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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

イングランド代表をみて強まった、ウェルベック大化け&アーセナル躍進の予感!

いやー、とにかく間が悪いです。「スカイスポーツ」では、元イングランド代表MFのジェイミー・レドナップ氏が「バーゲン価格」と言い放ち、リオ・ファーディナンドは「信じられない。気が狂ったようだ。彼はDFの脅威になる選手で、非常に危険な存在。これから間違いなく開花する」 とコメント。1週間前の電撃移籍に誰もが耳を疑いましたが、昨日の代表戦での大活躍で、マンチェスター・ユナイテッドへの風当たりはさらに激しさを増すでしょう。プレミアリーグの直接のライバルクラブであるアーセナルに移籍した、ダニー・ウェルベックのお話です。

マンチェスター・ユナイテッドについては、最近いろいろ書かせていただいているので、ここではアーセナルについて触れさせてください。グーナーのみなさんのなかには、現在、ストレスをためている方も多いのではないかと思います。開幕からのプレミアリーグの戦績が、今ひとつパッとしないこと。CBとセントラルMFの補強が足りず、昨季からの課題だった守備の改善がみられないこと。今季、試している4-1-4-1がうまく機能せず、さらに勝ち点を取りこぼす懸念があること。お気持ち、察します。私はイギリスと日本に多くの友人を持つグーナーと生活をともにしているので、みなさんのため息はリアルタイムで聞こえてきます。

しかし、ここでは一度、見方を変えて、すべてを明るく捉えてみることにしましょう。今季は、投資金額でいえばプレミアリーグで4番めとなる大型補強を推進し、新しい選手たちは早期にフィットしています。気が早いかもしれませんが、アレクシス・サンチェスとドビュッシーは、既に「成功」のハンコをついてもいいでしょう。後はここに、「大」の1文字がつくかどうかです。チャンバースは、将来のアーセナルを背負って立つ存在になるのではないかと思います。戻ってきたジョエル・キャンベルは、昨季のチェルシーのデンバ・バのように、チームが苦しいとき、何かをやってくれるのではないでしょうか。加えて、ケガから復帰する選手や若手もいます。ウォルコットは9月末。ディアビが戻ってくれば、中盤の構成の選択肢は増えるでしょう。ベジェリンやヘイデン、ゼラレムあたりが、CBとセントラルMFの薄さを補うような成長をみせてくれればいうことなし。そこに持ってきて、ウェルベックです。

実はまだ23歳のイングランド代表ストライカーの加入で、ジルー離脱の穴が埋まるだけでなく、アーセナルの攻撃の幅は格段に広がるはずです。ポストプレイとヘディング、ワンタッチゴールに長けたジルーと、運動量があって1対1の駆け引きがうまく、前線からのチェイシングが強烈なアレクシス・サンチェス。このうえ、さらにウェルベックがもたらすものは、スピード、カウンターの切れ味、MFの得点力ではないでしょうか。誰とでもコンビが組める自在性と連携力の高さは、アーセナル向きだと思います。私が語るより、後輩の魅力をよく知るリオ・ファーディナンドさんに語っていただきましょう。

「すべてがうまくはまったとき、アーセナルが持つスピードを想像してみるといい。(スピードのある)チェンバレンがいて、彼の前にはさらに飛ぶような選手が3人もいるんだ。ウォルコットとアレクシス・サンチェス、そしてダニーだ」

先日、「プレミアリーグ優勝クラブ&トップ4大予想」のなかで、私はガナーズの順位を以前の予想から引き下げ、4位とさせていただきました。守備の層の薄さのリスクもさることながら、新しいシステムの熟成を続けるとなると相応の時間がかかり、それなりの勝ち点ロストが発生するとみたからです。これは、裏を返せば「致命的なケガ人が出ず、戦い方が早く板につけばプレミアリーグの優勝争いに加われるポテンシャルは充分」ということでもあります(と、いっているそばからラムジー負傷。大丈夫でしょうか?)。守備の問題は、顔ぶれよりも戦術の明確化と徹底が重要なのかもしれませんね。昨日の日本代表戦を観ていて、ビルドアップ時に最終ラインが横一線になってしまい、プレスをかけられてボールを奪われたシーンや、相手ボールになった瞬間、セントラルMFが無理めなスライディングをかわされ、カウンターを喰らうプレイをみて、悪いときのアーセナルを思い出しました。少なくとも、カウンター対策さえしっかりできれば、昨季よりもプレミアリーグ上位対決の結果はよくなると思われます。

昨季の前半戦で、エジルという刺激がチームをプレミアリーグ首位に押し上げたように、今季、ウェルベックがブレイクしたら…。年末のアーセナルは、グーナーのみなさんがびっくりするような位置につけているかもしれません。「びっくりするような」という形容ができるのは、首位しかありませんが。

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“イングランド代表をみて強まった、ウェルベック大化け&アーセナル躍進の予感!” への4件のフィードバック

  1. ASAP より:

    FlaminiはArsenalでは数少ないファイターですが、前線への供給力にやや物足りなさがあります。そこで、現有戦力から逆算してみると、4-"1"-4-1の"1"には、もしかするとDiabyがWengerの念頭にあるのではないかと思うようになりました。

    ただ、どうしても気になるのはDiabyのコンディションですね。幾多のリハビリをこなしていきた不屈の精神に頭が下がる思いで、第一線へのカンバックを心から期待しているのですが、チームマネージメントとしては正直バクチだと思います。

  2. せお より:

    更新お疲れ様です。

    イングランド代表でのウェルベックの2点目を見てアンリを彷彿させられました。どうしてもかなりの期待をしてしまいますね。
    しかし、最近のアーセナルはセスクがいた時と比べカウンターが出来てませんので、せっかくエジルがいて、スピードスターが揃っていても生かせないような気がしてなりません。ポゼッションしすぎてスペースがなくなりエジルやウェルベックが困ってる姿が想像できます(ー ー;)ベンゲルにはロジャースやマルティネスを見習って欲しいです。

  3. makoto より:

    ASAPさん>
    ディアビ、咲いてくれるといいですね。おっしゃるとおり、ギャンブルですが、ヴェンゲル監督の「信じ続けられる力」「才能を認める選手を我慢して使い続ける胆力」が、チームの空気をポジティブにしているところもあると思うので、この博打が吉と出ることを祈ります。

    せおさん>
    そうですね。今のアーセナルのカウンターが今ひとつなのは、ヴェンゲル采配の問題かもしれません。エジルなど、ドイツ代表では素晴らしいカウンターを演出するんですけどね。

  4. makoto より:

    更新ご苦労様です。

    ウェルベックが早々に結果を出せれば大化けする可能性はあるでしょう。ワールドクラスと
    呼ばれるためには与えられたチャンスをに生かし自らのプレーで揺るぎない立場を掴み取る
    必要があります。それ以外にワールドクラスの地位を手に入れる術はありません。

    ウェルベックはジルーが復帰するまで不動のCFという大きなチャンスが与えられますね。それを
    それを生かすも殺すも全て彼次第です。心から期待しています。

    ディアビを戦力として『計算』に入れるのは私に言わせればギャンブルとは呼べませんね。
    彼はあくまでも『プレー出来る状況にある』ことがボーナスだと捉えるべき選手でしょう。
    ベンゲルが本気でそれ以上を期待したり計算してるならば厳しい言い方ですけどタイトルを
    本気で狙っているクラブの監督とは言えないと思いますよ。確かにディアビが復帰出来れば
    嬉しいですけど・・・それでもベンゲルはディアビ抜きでチーム編成をすべきです。

    —–
    tomoさん>
    ASAPさんと私がいっていることと、言い回しが違うだけで、近いことをおっしゃっているのだなと思いました。計算はできないので、ディアビがいない前提で考えつつ、うまいこと戻ってこられたらアンカーとして起用することを検討する、ということですね。

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