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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

10人でもOK!逆境に強いアーセナルを、現地紙が「レッドカードキング」とリスペクト!

アーセナルの選手およびグーナーのみなさま、このたびのウインターブレイクは快適に過ごされておりますでしょうか。2月20日のFAカップ5回戦でサウスロンドンの小さなスタジアムを訪れ、メンバーを落としてサットンに0-2で勝って以来、アーセナルは11日間も試合がありません。しかし、3月になると世界は一変。休み明けのプレミアリーグ27節はいきなりリヴァプール戦、さらに中2日でバイエルン・ミュンヘンをエミレーツに迎えるチャンピオンズリーグのリベンジマッチ、その週末のFAカップ準々決勝は打って変わってカンファレンス・ナショナル(5部相当)のリンカーンと、「高低差ありすぎて耳キーンてなるわ」的スケジュールに困惑されている方も多いでしょう。

サットン戦に出ていないエジル、コシールニー、コクラン、ジルーは、レッズ戦まで16日も空く計算となります。負傷者にとっては治療とリハビリに専念できるいい時間ですが、先ほど2週間ぶりだったリヴァプールがエンジンがかからずレスターに敗れたように、テンションとコンディションのコントロールが難しい季節ではあります。

さて、そんなアーセナルにとって、直近で最も重要なのがプレミアリーグのリヴァプール戦であることは間違いありませんが、チケットが売れ残っているCLのバイエルン戦も捨てたものではございません。「4点差は、もう無理」とお嘆きのみなさん、過去を振り返ってみてください。逆境で力を発揮するのがアーセナルです。ラウンド16敗退は今や定番、6年連続で4月を待たずに消えているガナーズですが、2011-12シーズンのACミランとの対決では、初戦で4-0と深手を負った後、エミレーツで3-0と同点寸前。2012-13はバイエルン相手にエミレーツで1-3と敗れたものの、敵地のセカンドレグではジルーとコシールニーが決めてアウェイゴールルールの惜敗。2014-15にモナコにまさかのホーム1-3完敗を喫した後も、アウェイではジルーとラムジーのゴールで「あと1本」というところまで迫っています。得点者を見ると、大一番で誰が必要なのかは明確ですね。「結局、負けてますけど」といわれると返す言葉はありませんが、手負いの獅子と化したアーセナルが、サポーターを盛り上げた数々の歴史を重ねているのは事実であります。

さらに先日、イギリスメディア「デイリー・ミラー」が、「Red card kings! Why Arsenal are in a league of their own when they go down to 10」と題したおもしろい記事を掲載していました。「レッドカードキング」は、10人になってもなぜ力を発揮できるんだ!?という趣旨です。プレミアリーグ創設以来、退場者を出した試合で勝ち越している唯一のクラブ、それがアーセナル。31勝26敗は、他の追随を許しません。彼らの次に勝率がいいのはマンチェスター・ユナイテッドの18勝21敗。さらにチェルシーの19勝28敗、リヴァプール16勝27敗、マンチェスター・シティ16勝35敗が続き、エヴァートンは17勝42敗、ライバルのトッテナムは11勝32敗と撃沈。今季プレミアリーグでも、ジャカが退場となったスウォンジー戦とバーンリー戦で勝利しており、追いつかれたバーンリー戦ではヴェンゲル監督退席というおまけをつけながらも、98分!にアレクシス・サンチェスがPKを決めるという勝負強さを披露しています。

レッドカードキング…微妙な称号です。夏休みの宿題を8月31日にやりながら、「何でこうなる前に手をつけなかったのか」と後悔している感覚もあります。トラブルがない大一番であっさり敗れる脆さを何度も見せながら、ひとたびビハインドを背負うと「やればできるじゃん」的な底力を発揮する不思議なチーム。グーナーがこのクラブに魅了される気分がわかるような気もしますが、サー・アレックス・ファーガソンが築いた安定感の下で悠々と過ごしてしまった身には、このハラハラ感と一生つき合える忍耐力とタフネスの持ち合わせはありません。

3月7日のエミレーツでは、ジルーとジャカがスタメンに入れれば舞台が整います。開始5分のストライカーの先制ゴールでグーナーのボルテージが上がり、ウォルコットが追加点を決めるとスタンドは騒然。3点めがなかなか入らず、レヴァンドフスキやロッベンにゴールを脅かされる展開が続き、ピッチに倒れた選手のまわりに両軍が集まり一触即発となるシーンもあります。そして64分、ジャカがチアゴ・アルカンタラを引っかけ一発レッド!ヴェンゲル監督はウェルベックを投入して最後の勝負に出ます。84分、セットプレーの流れで残っていたコシールニーが、アレクシス・サンチェスのクロスを押し込んで3-0。追加タイムに入った91分、左からのFKをエジルがファーポスト際に蹴り込むと、ノイアーは出られず飛び込んだジルーは…!

ここから先は、本ブログでおなじみの特派員が、アンフィールドのリヴァプール戦とチャンピオンズリーグのバイエルン戦に足を運びますので、現地レポートでお楽しみください。プレミアリーグの優勝争いも、欧州もまだ終わっておりません。アーセナルの意地の逆襲に期待したいと思います。

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“10人でもOK!逆境に強いアーセナルを、現地紙が「レッドカードキング」とリスペクト!” への4件のフィードバック

  1. アイク より:

    ふざけんな

    —–
    そんなにふざけてますかね?
    勝負あったとスルーしてしまいそうになるビッグマッチについて、いやまだこんな楽しみ方もありまっせ!
    というポジティブでアツい偏愛(?)記事で、私は好きですよ。
    それに、たしかに「アーセナルならひょっとして」と心のどこかで期待してますし。

  2. おはむ より:

    興味深いです

  3. セブンスター より:

    私もふざけてるとは思いません!
    まあもしガナサポであればCLなど楽しめる状況ではないですけど・・・
    ですが、だからこその記事だと思います!
    シーズンの終わりまでサポーターならチームを信じて応援しましょう!!
    そのためにこれからも主様には面白い記事をたくさんお願いします(笑)

  4. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    私なりに愛を込めて書いたのですが、お気に召さなかったようで、恐縮です。後学までに、どこがアウトなのか、教えていただければうれしいです。ちなみに、ガナーズといえば猿さんですが、あちらはセーフですか!?

    アイクさん>
    ありがとうございます。そういっていただけると、今後もあれこれ書き続ける勇気が湧いてきます。グーナーのプレッシャーをまともに受けて、前半の早い時間にポンポンと2点取られれば、バイエルンといえども慌てますよね。グループステージで互角に渡り合ったパリ(=例年より強くない印象でした)が、バルサ相手にあんな試合をしたわけですから、サッカーはわからない!と本気で思ってます。

    おはむさん>
    勝負は終わるまでわからない、とまあ、一般論ですが。私はいい意味で開き直ったアーセナルがどこまでやってくれるか、マジメに楽しみにしてます。昨季のエミレーツでのバイエルン戦は、やってくれましたので。

    セブンスターさん>
    ありがとうございます!好不調の波はあるものの、いいときのアーセナルはバイエルンやレアル・マドリード相手に互角の戦いができるチームだと思います。ましてやホーム、流れがきたら連打もあるのではないか?と、期待しています。4点差をひっくり返した例はほとんどないという過去のデータは重々承知しておりますが、私たちが楽しむのは過去ではなく、現在から先ですので。

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