イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

エメリガナーズの礎を築いた敏腕スカウト、スヴェン・ミスリンタートが志半ばで退団!

2017年12月にアーセナルに加わり、たった13ヵ月。ヴェンゲルからエメリへと体制が変わる重要な時期に、チームの基盤づくりを担った敏腕スカウトが、2月8日にクラブを去ることになりました。オーバメヤン、ムヒタリアン、ルーカス・トレイラをプレミアリーグに連れてきたスヴェン・ミスリンタート。チェフ、ジャカ、ムスタフィ、ラカゼットと、ヴェンゲル時代の末期には年に1~2人の大物獲得に留まっていたクラブは、ドルトムントから来たリクルーティング責任者によって確実に変わろうとしていました。

2018年にサインした8人は、即戦力から原石までさまざま。次世代を担う守護神ベルント・レノ、最終ラインで闘うパパスタソプーロス、中盤の守備を落ち着かせる若きMFルーカス・トレイラ&グエンドゥジは、既に主力として活躍しています。入団から1年でプレミアリーグ24ゴールを決めているオーバメヤンは、もちろん大ヒット。エメリガナーズはどんなチームに成長していくのかと、期待が膨らんでいた矢先の残念なニュースでした。

昨季のエヴァートンで大型補強に失敗し、サム・アラダイスとともにクラブを追われたスティーヴ・ウォルシュFDのように責任を問われたならいざしらず、経営トップ交代の犠牲者となった今回の退団劇には悔しさがこみ上げてきます。イヴァン・ガジディス、ラウル・サンレヒ、スヴェン・ミスリンタートの3人体制でエメリ監督の船出を支えたガナーズは、ガジディスCEOがミランに去ったことでバランスを失いました。バルサから来たサンレヒは、自らのネットワークを活かしてチームづくりを推進しようとしており、データ分析によるターゲティングを得意とするミスリンタートとは方針が合わなかったようです。ドルトムントでトーマス・トゥヘル監督と衝突し、退団を余儀なくされたスカウトは、アーセナルでも未来を奪われてしまいました。

「Thank you Sven」。アーセナルの公式サイトが掲載した短い記事は、盛大に別れを惜しむような退団ではなかったことを行間ににじませています。「大きな変革の時期でした。アーセナルのような偉大なクラブで働けたのは、素晴らしい経験でした。クラブの未来にエキサイトしてると同時に、自分自身の新しい挑戦も楽しみにしています」。香川真司を発掘するなど、若手の才能を見る眼の確かさを「ダイヤモンドアイ」と称賛されたスカウトには、バイエルン・ミュンヘンから声がかかっているといわれています。ブンデスリーガ出身の選手が増えていたクラブは、サンレヒ&エメリによってスペインにシフトしていくのでしょうか。クロップとともにドルトムントを強化した風雲児が紡ぐアーセナルの未来図を、楽しみにしていたのですが…。

いや、「退団=ネガティブ」と捉えるのはやめましょう。プレミアリーグ4位以内奪回をめざすクラブに、過去を惜しむ時間はありません。グーナーのみなさんにとって大事なのは、クラブが強くなること。「BBC」は、アーセナルが新しいテクニカルディレクターを呼び込もうとしていると報じており、重要なポジションにどんな人物が招かれるのかにフォーカスしたいと思います。ルーカス・トレイラやグエンドゥジ、レノの活躍でガナーズがビッグタイトルを手にしたとき、私は彼のはにかむような笑顔を思い出すのでしょう。「Sven,you did it!」。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“エメリガナーズの礎を築いた敏腕スカウト、スヴェン・ミスリンタートが志半ばで退団!” への4件のフィードバック

  1. にゃあす より:

    更新ありがとうございます。ヴェンゲルお爺ちゃんが恋しくなるような身内ゴタゴタです( ; ゚Д゚)
    強いガナーズを勿論望んでいるけれど、ラムジーやエジルの移籍話なども含めて少々寂しくなる今日この頃です。これからも更新よろしくお願いします。失礼いたしました。

  2. ガナキチ より:

    正直ミスリンタートが居なくなって何年か後には下手したらトレイラやゲンドゥジを売却なんて未来が来るのではと心配でなりません。近年の若手排出の様子を見てもトレンドはフランスドイツの若手なのに、あえて今スペインなのか。サンレヒのコネクションよりミスリンタートのデータ分析の方が所謂「先進的な」スカウトで、ベンゲルの選手の将来まで気にかけたロマンティックなマネジメントからクラブの勝利を第一に考えるリアリスティックなマネジメントへの変革を期待していた自分としてはがっかりとしか言いようがありません。
    主様の様にポジティブに考えられるには時間がかかりそうです。

  3. 4 より:

    ペジェ様の怪我とともに残念です。来るまで知らなかったトレイラ君ゲンドウ、レノ-がレギュラ-として戦ってくれているのを観てこれから何度もくる冬、夏の補強が楽しみだな~!!と思っていたのに。2年連続CL逃しそうになって切羽つまってオーバ獲ってくれた以外お金ありそうなのに使ってくれないアーセナルの希望だ!!と思っていたのに。

  4. エミリー より:

    将来的な強さを失いかねない、重要人物の退団だよなぁ(泣)
    すでに優秀さは証明しているのを、どういうつもりで追いやるのか?
    なんというくだらない人事だろう。
    彼の仕事によって加入した選手達は、もうすでにチームの重要なパーツとなっているのに。
    チームの半分は、彼の手柄ですよ。
    恩人を追いやるなんて、恥ずかしいことだ。

にゃあす へ返信するコメントをキャンセル