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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

たぶんアレです。オーバメヤンが「久しぶりにマスクしよ♡」と思い立った瞬間を推理しました!

ヨーロッパリーグラウンド16、エミレーツにレンヌを迎えたセカンドレグ。72分にコラシナツのクロスを押し込んだオーバメヤンは、迷わずそれが仕込んであるはずの場所に走りました。ゴール裏に並ぶサインボードの裏をのぞき込むと、思ったより左に隠されていたことに気づき、笑顔でダッシュ。手にした黒い袋に入っていたのは、ブラックパンサーのマスクでした。プレミアリーグ17ゴールのエースがマスクマンに変身するのを待ったチームメイトが祝福すると、ガボン代表のストライカーは腕をクロスに組んで自らの仕事を誇りました。

FIFAのルールには、「ゴールセレブレーションの際に、プレーヤーがマスクまたは類似物で顔を覆った場合は、不必要で過度なセレブレーションのディスプレイと見做す」とあります。レフェリーは、当然イエローカードを提示。彼がマスクでカードをもらったのは、今回が初めてではありません。不思議だったのは、5分の先制ゴールの際にマスクパフォーマンスがなかったことです。あちら側のゴールには仕込んでいなかったとすれば、雑すぎる企画。2試合トータル2-3と負けている状況ではさすがにできないと考えたなら、意外とマジメ。しかしその場合は、2発叩き込むと確信していた自信家ということでもあります。過去にイエローをもらっているのに性懲りもなく繰り返すおバカ…いや、強いこだわりと、TPOをわきまえたパフォーマンスという微妙なアンバランスが気になり、ハイテンションのままで彼のマスク遍歴を調べてしまいました。

ドルトムントに入団する前、フランスでの記録は見当たらず、おそらく2014年8月13日が最初の「マスクデー」だったと思われます。バイエルンと戦ったドイツスーパーカップ。62分に勝利を決定的にする2点めをゲットしたストライカーは、ソックスの中に隠していたスパイダーマンの赤いマスクを取り出し、ムヒタリアンら同僚のリスペクトに応えました。サンテティエンヌ時代に友人だったGKジャレットに感化され、スパイダーマンのファンになったとのこと。リーグ戦開幕直前のゲームだったため、このときは笑って終わりだったのですが、2回めは2015年2月28日、シャルケ04とのルールダービーという大事な試合でした。

このときのネタは「バットマン&ロビン」、共犯はマルコ・ロイス。当時の指揮官ユルゲン・クロップは、「何も知らなかったので、びっくりした。ゴールを決めるという自信があるのはいいことだ。でもあれはイエローをもらうので、やってほしくない。もうマスクは全部使ったんじゃないか?やるなといいたくないけど、ムダなイエローをもらってはいけない」と渋い顔をしていました。

最も話題になったのは2017年4月1日、相手はやはり仇敵シャルケ04。香川真司のパスを受け、先制点を決めたオーバメヤンがかぶったのは、自らのスポンサーであるナイキのプロモーション用のマスクでした。ドルトムントのオフィシャルサプライヤーであり、5%の株主でもあったプーマは、クラブに対して「きちんとした対処を望んでいる」という声明を発表。オーバメヤンには5万ユーロ(約630万円)の罰金が科せられたと報じられました。普通なら、これで懲りてやめます。

自分を表現するためにマスクが必要だった。今日はブラックパンサー。ガボンでは、代表チームのことを『パンサー・オブ・ガボン』と呼んでるからね」。レンヌ戦のイエロー案件について、ご本人はこんなコメントを残しておりますが、カードをもらってでもやりますといわれれば「そうすか!」と流すしかありません。前科3犯は、今回の再犯をいつ思いついたのでしょうか。過去の相手チームは、バイエルンとシャルケといった宿敵でした。先週末に行われたプレミアリーグ30節のマンチェスター・ユナイテッド戦では、PKを決めた後にマスクを探す素振りは見せておらず、おそらくその後…いや、デ・ヘアのゴールに蹴り込んだあの瞬間に、彼は思い出したのではないか…!オレにはマスクがあったじゃないか、と。

マンチェスター・ユナイテッド戦でやろうとしていたという報道もあるようですが、ノースロンドンダービーの高揚感を経て思い立ったとすれば、ピュアでまっすぐな彼は躊躇しないでしょう。まさか、逆側のゴールにしか仕込んでいなかった…⁉いやいや、彼のなかにぼんやりと眠っていたマスクへの衝動は、大事なシックスポインターにおけるゴールの喜びを体感するまで覚醒しきっていなかったと考えるのが自然ではないでしょうか。まあ、そのへんはどちらでもいいのですが。

というわけで、真相は定かではありませんが、何にしてもエメリ監督はエースにお灸をすえたほうがいいでしょう。不要なイエローであることよりも、マスクパフォーマンスで自分を表現し尽くしたオーバメヤンが、その後の決定機を2回外したことのほうが気になりました。あのマスクには、フットボールがヘタになる呪いがかかっていたのかもしれません。大事な試合が続きますので、くれぐれもご注意ください。彼、絶対いいヤツですよね。ラカゼットとめっちゃ仲いいし。

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“たぶんアレです。オーバメヤンが「久しぶりにマスクしよ♡」と思い立った瞬間を推理しました!” への4件のフィードバック

  1. グナです より:

    ドルトの退団の仕方がスマートで無かったので、彼のアーセナル加入は半信半疑でした。
    ですが今や立派なエースであり、ムードメーカー。
    逆に心配になるくらいラカゼットとの信頼関係もあり、嬉しい限り。
    そして何よりチームが変わったなと感じるのは、あのエジルが彼らの前ではついニコニコしていること。
    サンチェス含む他の選手の前ではしなかったような表情が最近増えてきました。
    パフォーマンスにつながっているかと言えばまだ疑問ですが、少なくとも楽しそうにプレーをしているエジルを見るのは幸せです。
    カソルラ、ジルーが担っていた役割をストライカー二人が引き継いでくれて嬉しいです

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    こう言う記事好きです(^.^)
    また色んな選手を掘り下げた記事お願いします!

  3. ペップの街 より:

    イエローカードは当然として、その後もタイムアップまで覆面着用を義務づける、なんてのはどうでしょう。
    息苦しいから懲りると思います。

  4. shiiin より:

    マンU戦でマスク準備してたらしいけど、ゴールしたときにマスクが見つからなかったから出来なかったって、インタビューで言ってたみたいですよ。
    個人的にはマスク似合ってて好きです。
    イエロー出ないなら毎回やって欲しいくらいです(笑)

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