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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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フィニッシュに精度を欠いたマンチェスター・シティ、堅守ローマにドローで早くもピンチ!

チャンピオンズリーグ初戦のバイエルン・ミュンヘンとのゲームを、終了間際の失点で落としたプレミアリーグ王者のマンチェスター・シティ。グループで最も強いと目されるチームにアウェイで負けたことに、それほど目くじら立てることはありませんが、2位を争う可能性が高いASローマにホームで勝ち点を落とすわけにはいきません。この日のスタメンは、CBにコンパニとデミチェリス。中盤にはヘスス・ナバス、ダヴィド・シルヴァ、ヤヤ・トゥレ、フェルナンジーニョという「昨季プレミアリーグ優勝メンバー」が並び、ジェコとアグエロが最前線。新加入のマンガラや好調ミルナーを外す、実績重視のチョイスです。ASローマの策士ガルシア監督は、前にトッティとジェルヴィーニョ、フロレンツィを起用。セリエAで好調にゴールを決めているピアニッチを中盤に入れ、「アウェイでゴールを奪う」ことを見据えたフォーメーションで戦います。

開始からエンジン全開のマンチェスター・シティは4分、いきなり先制!ダヴィド・シルヴァのゴール前への浮き球に反応したアグエロをSBマイコンが引っ張ってしまい、判定はPK&イエローカード。アグエロの丁寧なシュートは、右に飛んだGKスコルプスキの逆をついて1-0。ホームチームにとって幸先のいいスタートです。マイコンはこのミスを取り返すべく、積極的にオーバーラップ。5分にはワンツーを受けて右からゴール前に抜け出し、GKハートと1対1。右足の強烈なシュートは、しかしクロスバーを直撃してしまいます。

先制したマンチェスター・シティはセーフティに試合を進め、プレミアリーグで見せるような厚みのあるサイド攻撃はありません。対するローマは、中盤をシンプルにして、中央から左にポジションをとるジェルヴィーニョや、右から攻め上がるマイコンに速いパスを通す攻撃が目立ちます。17分にはフロレンツィのパスからジェルヴィーニョがドリブルで中央突破を図るも、GKハートの出足が勝り、先にキャッチ。しかし22分、アウェイチームはパス2本の速攻から、あっさり同点に追いつきます。CBマノラスからのパスをハーフライン付近で受けたMFナインゴランが、左からDFラインの裏に抜けたトッティにダイレクトのスルーパス。このとき前に出ようとしたGKハートはスリップしてしまい、トッティに余裕のドリブルを許してしまいます。ローマのレジェンドは、GKの動きをみて、ゴール右にきれいなチップキック。ガルシア監督の狙い通りの1-1です。

マンチェスター・シティが自分たちのサッカーを披露し始めたのは、35分を過ぎてから。ダヴィド・シルヴァがサイドの選手をパスで動かし、得意のペナルティエリア脇からのグラウンダークロスでフィニッシュを狙います。最大のチャンスは37分、ダヴィド・シルヴァが左にいたヘスス・ナバスにつなぎ、中央のジェコがダイレクトでシュートを放ったシーン。このとき、ナバスのクロスがスライディングしたDFの手に当たり、アグエロがアピールしますがジャッジはスルー。ゲームは1-1から動きません。

ローマの攻撃は、徹底して速攻です。40分にはマイコンの長い縦パスからジェルヴィーニョが右サイドを疾走。サバレタを置き去りにすると、角度のないところから強烈なシュートを打つと、今度こそハートがセーブ。前半は同点で終わりますが、マンチェスター・シティがラインを上げ過ぎると、ローマのスピードあるFWの餌食になります。

ペジェグリーニ監督は、後半頭からヘスス・ナバスを好調ミルナーにチェンジ。開始早々からペースをつかんだのはローマで、攻撃にかける人数を増やして勝ち越し点を奪いにきます。50分の波状攻撃は、ゴール前の混戦からのシュートはハートが体を張ってブロック。52分には中央でボールを受けたピアニッチが右足でカーブをかけたミドルを放ちますが、これは惜しくもゴール右に外れます。

ペジェグリーニ監督は、56分に2枚めのカードを使います。ジェコに代わってピッチに入ったのは、出ました、フランク・ランパード。57分、マンチェスター・シティは中盤の選手のコンビネーションでチャンスを創ります。フェルナンジーニョが、ヤヤ・トゥレ、ランパードと次々とワンツーを決めてゴール正面に侵入。シュートまではいけなかったものの、ランパードが入ってからは、多くの選手がゴール前に殺到するマン・シティらしい攻撃が増えてきました。足りないのは、フィニッシュだけ。64分にトッティの仕掛けからピアニッチに左足ミドルを打たれますが、これが外れると、残り30分はホームのマンチェスター・シティの時間です。

ランパードやダヴィド・シルヴァが再三狙ったミドルは枠に飛ばず。中盤は遊ばせても、サイドとゴール前に入ってくる選手をぴったりマークするローマの守備は、まったくバランスが崩れません。最後のカード、ヨヴェティッチを投入しても状況が打開できないペジェグリーニ監督は、ずっと立ちっぱなしでうつむき、顔を触り、その表情は負けチームの監督のようです。追加タイム3分、最後のチャンスは、これぞマンチェスター・シティというスピーディーな攻撃。中央のフェルナンジーニョがヨヴェティッチに楔を入れると、完璧なタイミングで裏を突いたサバレタにスルーパス。フリーのサバレタは、ゴールラインまでえぐってニアに優しいグラウンダー。ここに入ってきたのはダヴィド・シルヴァ。左足で合わせたシュートは…わずかにゴール右にアウト!エティハドのため息を誘う痛恨のドロー。開幕2試合を勝てずに終わったマンチェスター・シティが一気に窮地に立たされました。

「チェルシー勝利、マン・シティドロー」という昨日の予想記事が当たってしまいました。それにしても、ローマの守備は堅かった!「どのエリアに入ってきた選手は誰がみる」という約束事が徹底されているので、フリーの選手を作らないのでしょうね。ルディ・ガルシア監督が凄いのは、4バックのうち3人までが、今季新加入の選手だということ。大物CBベナティアの後釜として獲ったギリシャ代表マノラスは、1300万ユーロ(約18億円)というリーズナブルなDF。チェルシーからきたアシュリー・コールと、ニューカッスルからレンタルのヤンガ=エムビワは、プレミアリーグのクラブが必要ないと判断した選手です。ビッグネームがいなくても、新しい選手が多くても、コンセプトと戦術が浸透すればこれだけやれるという好チーム・好采配。マンチェスター・シティ対策のお手本のような今夜の試合を、マンチェスター・ユナイテッドのファン・ハール監督は観たのでしょうか…。

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“フィニッシュに精度を欠いたマンチェスター・シティ、堅守ローマにドローで早くもピンチ!” への1件のコメント

  1. より:

    ローマはGKも控えだったしレギュラーCB2人も怪我でいない状態だった。さらにワールドクラスのデロッシが入ればさらに守備は堅くなるさし精度高いパスがどんどん来ましす。
    さらにワールドクラスのストロートマンも控えてます。シティはアウェイは相当苦しむでしょう。

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