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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

楽勝ムード一転、最後はハラハラ…ウェルベックの3発とシュチェスニー退場で、ガナーズ怪勝!?

60分までは完全なるアーセナルのゲーム、ラスト30分はガラタサライの時間。最終的にはシュート数でアウェイチームが上回り、前半は圧倒的だったボールポゼッションも52%とイーブン近くまで押し戻されました。プレミアリーグ勢からは、アーセナルとリヴァプールが登場した水曜日のチャンピオンズリーグ第2節。エミレーツにトルコの名門クラブを迎えたガナーズは、ウェルベックのハットトリックで4-1と完勝したものの、何ともドタバタした試合をしてしまいました。ガナーズサポーターを最後までハラハラさせた犯人は、要らないレッドカードでピッチを去ったGKシュチェスニーでした。

この日のアーセナルは、ウェルベックがトップで左にアレクシス・サンチェス、右にチェンバレン。エジルは真ん中にいますが、2列めの3人はめまぐるしくポジションをチェンジします。エジル同様、センターにいることが多かったカソルラは、エジルではなくフラミニと並んでいます。これは、どうやら4-2-3-1と表現したほうがいいフォーメーションです。やはり、このほうが攻撃がスムーズ。横に4枚並ぶ形よりも、サイドの選手が自由にプレイでき、カソルラの後ろからの絡みも効果的です。

一方、ガラタサライは完全に戦略を間違えました。前半の3バックは、アーセナルから見た左サイド、フェリペ・メロとシェジュの裏を狙い撃ちされてしまいました。アーセナルは、アレクシスとウエルベック、チェンバレンのスピードを活かして、いつもよりも少ない手数でシュートに漕ぎつけます。22分の先制点は、左サイドからのアレクシス・サンチェスとウェルベックのコンビネーションが完璧でした。ギブスからパスを受けた背番号17は、ウェルベックがDFラインの裏に入ろうとするタイミングに完璧に合わせてスルーパス。DFと競り合いながら、ウェルベックはGKの股間を抜く巧妙なシュートを転がし、待望の先制点!これでガナーズがペースを握ります。

2点めは、シェジュがハーフライン手前でヘディングを後ろにそらしてしまい、ウェルベックとフェリペ・メロの駆けっこです。トップスピードに入るのはさほど速くはないものの、長い距離を走らせると加速が素晴らしく、スピードが落ちないウェルベックと並走となれば、メロに勝ち目はありません。ウェルベックは1点目と同様に、ゴールやや左から右隅に流し込み、2-0。ガラタサライのチャンスは、ジェマイリからパンデフとつないだ29分のシュートと、スナイデルのロングシュートしかありません。ストレスをためたフェリペ・メロはあわやレッドカードという危険なタックルをアレクシス・サンチェスに仕掛け、悪名高きトルコのサポーターは発煙筒をピッチに投げ込んでゲームを中断させます。前線にいるべきスナイデルに、自陣コーナーフラッグ前で発煙筒を拾わせてはいけません。

そして41分、ついに試合を決定づける3点めが入ります。最初の2点とまったく同じ、フェリペ・メロとシェジュの裏から決めたのはアレクシス・サンチェスでしたが、このゴールはエジルのスルーパスが絶品でした。裏に広大なスペースがある状況で、エジルに前を向かせればこうなるという見本のような一撃。いや、それにしても美しかった。前半で試合が終わっていれば、ガナーズサポーターはパブで今季最高のエールが飲めたでしょう。3-0、アーセナルは、このゲームを圧勝で終わらせるはずでした。

後半開始早々の49分、アレクシス・サンチェスの見事なスルーパスがDF3人を一瞬で無力化。独走となったチェンバレンは、これまでの3点と同じ位置までドリブルで上がり、GKと1対1に持ち込みますが、シュートを打たずに中に入れてDFにクリアされます。4バックに修正したものの、最終ライン裏への対応ができていないガラタサライ。52分、今度は右から裏を突いたガナーズに4点めが入ります。左サイドのウェルベックから中にいたアレクシス・サンチェス、チェンバレンと右にまわし、チェンバレンが縦パスを最終ラインの裏に通すと、そこに走り込んできたのは逆サイドにいたウェルベック!GKムスレラの飛び出しをチップキック気味にかわした一発は、アーセナル移籍後初めてとなるハットトリック。ここまでは、「アーセナルは何点獲るんだ」というムードでした。

しかし60分、無事に時間を進めればよかっただけのゲームをシュチェスニーが壊します。前半は引きすぎてノーチャンスだったガラタサライのエース、ブラク・イルマズが初めてゴール前にフリーで抜け出すと、飛び出したGKは足を手でさらってしまい、PK&レッドカード。このプレイは、ボールに触れないとわかった瞬間に手を引くポーズをとれば、黄色で済んだでしょう。ヴェンゲル監督は、アレクシスを下げてGKオスピナを投入。ブラク・イルマズ本人がPKを右に決めると、完全に息の根が止まっていたはずのアウェイチームが元気になります。

ラスト30分は、GKオスピナのビッグセーブショー。スナイデル、アルティントップらのミドルを、急遽ピッチに入ったコロンビア代表のエースは何本セーブしたでしょうか。終盤のガラタサライの攻撃は、3点負けているチームのものとは思えませんでした。交代で入ったロシツキやウィルシャーも流れを変えるに至らず、4-1という点差が嘘のような冷や汗モノの展開。早いタイミングで2点めを獲られていれば、勝ち点3も怪しくなっていたかもしれません。スコアを見れば4-1快勝ですが、早く試合を畳んで週末のプレミアリーグ・チェルシー戦に向けて体力を温存したかったヴェンゲル監督にとって、満足とは言えない終わり方だったのではないでしょうか。

それにしても、おもしろかった!プレミアリーグ勢初の快勝、グーナーのみなさん、おめでとうございます!アーセナルは、やっぱり2列め3枚の4-2-3-1(4-1-1-3-1?)のほうがいいですね。エジル、アレクシス・サンチェス、チェンバレン、ウェルベックにあれだけいい連携を見せられると、ジルーやウォルコットは焦るのではないでしょうか。ガラタサライの守備に致命的な穴があったのは確かですが、攻撃は満点だったと思います。しかしまあ、シュチェスニーさんには、しばらくベンチで反省していただいたほうがいいかもしれません。オスピナ、よかったです!

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“楽勝ムード一転、最後はハラハラ…ウェルベックの3発とシュチェスニー退場で、ガナーズ怪勝!?” への5件のフィードバック

  1. ko より:

    早い更新ありがとうございます。仕事前の楽しみです。
    しかし、楽勝ムード、エジル温存だなと思っていたら、あのような展開で。
    アーセナルはどうもスマートに勝てないですね。
    そこが楽しいのではありますが…。
    次戦のチェルシー戦はスマートなチェルシーに是非くらいついて欲しいです。

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    おもしろそー

    これは見なくては!

  3. サッカー小僧! より:

    今回は、今までの4-1-4ー1の布陣とは違ったフォーメーションでしたが、
    誰がどう見ても、やっぱりこのシステムの方が、選手もやりやすそうですし、
    ボールの回りもスムーズでしたね。
    結局、横に4枚並べると、お互いのスペースを埋めてしまって、窮屈になり、
    攻撃に厚みを持たせるどころか、むしろ流れが滞ってしまう感じでした。
    今日の大勝で、監督が今日の布陣&エジル中央を固定してくれるよう願います。

    あと、シュチェスニーは時々こういうポカをやるんですよね・・・。
    まぁ、監督は頑固なので、今日のミスだけでスタメン入れ替えるとは思いませんが、
    逆に、チェルシー戦で、名誉挽回のビッグセーブしてくれることを期待したいです。
    とはいえ、オスピナは、スタメンを奪うだけのパフォーマンスは見せてくれたので、
    そうなったらなったで、グーナーとしては、納得ですが。

  4. ガナ より:

    ほんとシュチェのPKいらなかったですね。ビックロンドンの前に楽な展開になりそうだっただけにもったいなかったですね。それにしてもサンチェス大事に至らなくてよかった・・・。

  5. makoto より:

    koさん>
    いやいや、びっくりです。ラストのガラタサライの猛攻に焦りました。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    せひ、観てください!

    サッカー小僧!さん ガナさん>
    今日のシステムがいいと思います。連携も抜群でしたね。シュチェスニーは、バイエルン戦を忘れたのでしょうか。今季はレギュラー争いも厳しくなり、落ち着きが出てきたと思っていたのですが…。

    —–
    更新ご苦労様です。

    完勝だった試合を自らのミスで苦しくしてしまいましたかね。シュチェスニーがこのミスで
    守護神の座を追われるとは思いません。もう少し慎重さが欲しいですけどね。

    システムに関してはラムゼイが復帰した時に全てが分かるでしょう。少なくても現時点では
    ラムゼイとウィルシャーを同時に中央で起用してエジルをサイドで起用するよりもエジルを
    トップ下で起用した方がチームは確実に機能しています。それでも私はベンゲルはあくまで
    ラムゼイとウィルシャーが起用できるなら中央部での同時起用に固執すると確信してます。

    更に言えばウォルコットが復帰すればシステムに関わらずカソルラすら控えに回りますね。
    当然ですがロシツキ・ポドルスキの扱いは更に悪化しキャンベルに至ってはベンチ入りすら
    極めて厳しくなるでしょう。年明けにジルーが復帰すればより状況は悪化します。ですから
    ポドルスキとキャンベルは冬に移籍するでしょう。断言できますがベンゲルが上手くローテ
    出来れば避けることのできる放出です。でも・・・それがベンゲルだと思います。

    私ならチェルシー戦はCLと同じメンバーで挑みます。ウィルシャーはボールロストが多くて
    格上の強豪相手ではリスクが大きいでしょう。カソルラを起用すべきですよ。後はエジルと
    サンチェスの個人技に期待することになるでしょう。いずれにせよ少ないチャンスを確実に
    得点につながない限りは・・・何とか頑張ってほしいです。

    —–
    tomoさん>
    もしおっしゃるとおりだとすると、手駒とやってるサッカーがアンマッチを起こしていますね。ヴェンゲルさんにどこまでの柔軟性と臨機応変さがあるのか、今後の成り行きに注目したいと思います。

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