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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

圧勝ムードからまさかの同点…3点差を守れなかったアーセナル、厳しすぎた2つのジャッジ!

プレミアリーグ勢は、リヴァプールに続いてアーセナルも勝利ならず。しかし、ベルギーから海を渡ったアンデルレヒトのサポーターですら、何割かは「幸運だった」「この試合の勝者はガナーズだった」と思っているのではないでしょうか。SBギブスが自信を持ってオフサイドポジションに追いやったファンデン・ボレのゴールが認められてしまった1点めと、さほどコンタクトしていないようにみえたモンレアルがファールを取られた2点めのPK判定は、アーセナルに厳しすぎるジャッジでした。アルテタが負傷でフラミニと代わるまで、完全にゲームを掌握して一時は3点のリードを奪っていたアーセナルは、最後の最後で同点に追いつかれて想定外の勝ち点1。同時刻にガラタサライに圧勝したドルトムントに引き離され、アーセナルの2位通過はほぼ確定です。この年末は、2月の決勝トーナメントでバルサ、レアル・マドリード、バイエルン・ミュンヘンといきなり当たらないよう、祈らないといけません。

開始まもなくの8分、アンデルレヒトのカウンター。デニス・プラートのシュートは、メルテザッカーに当たってポストすれすれを抜け、惜しくもゴールならず。アーセナルは11分に波状攻撃。カットされたボールをウエルベックがペナルティエリア内で奪い返すと、チャンバースがゴール前のラムジーにラストパス。しかし、背番号16のシュートはぎりぎりのスライディングにブロックされます。16分にMFクリエスタンがシュチェスニーと1対1になり、GKのセーブでガナーズが失点をまぬがれたあたりまでは、アンデルレヒトにもゴールの予感が漂っていました。しかし、先制はアーセナル。仕掛け人は、「いつものアレクシス・サンチェス」でした。

20分に、チャンバースのクロスをニアでもらってシュートをサイドネットに当てていたアレクシスは、24分に中央でボールを受けると、タイミングよく縦に走ったウェルベックにスルーパス。完全に体が前に出ていたウェルベックをDFアチャンポンが背後から倒してしまい、ジャッジはPK。アルテタがGKの逆をついてこれを簡単に決めると、アーセナルはさらに攻勢を強めます。29分、2点めはまたもアレクシスでした。ゴールやや右からの直接FKを壁に当てた背番号17は、跳ね返りをそのまま強烈なボレー。元々プランの中に入っていたかのようなきれいな弾道で、ボールはGKプロトと左ポストの狭いすき間をすり抜けていきます。2-0となり、アンデルレヒトが前がかりになると、常にDFラインの裏を狙っているウェルベックが大好きなスペースが敵陣に広がり、アーセナルは再三、決定機をつかみます。前半は2-0で終わりますが、この日のアーセナルなら、もう2~3点獲ってもおかしくないと思いました。

後半開始早々、中央で粘ったギブスが右でフリーになっていたチェンバレンにシュートを打たせるなど、アーセナルの優勢は変わりません。58分、3点めの起点となったのは、プレミアリーグでもゴールを呼び込んでいるアレクシス・サンチェスの執拗なチェイシングでした。中盤でクリエスタンからボールを奪ったアレクシスが、すかさずチェンバレンにつなぐと、好調の15番はそのまま持ち込んでゴール!ガナーズ、会心の試合運びで3-0。ここからアンデルレヒトが追いつくなどとは、元アルバニア代表の若き指揮官、ハシ監督ですらも思わなかったに違いありません。

ところがこの後、冒頭でも触れたように、アーセナルは微妙なシーンをすべてゴールを奪われるほうに取られ、3点めからたった15分で、後がないアウェイチームが1点差まで巻き返します。3-2の終盤、ヴェンゲル監督は、ボールをキープできるロシツキとポドルスキを次々と投入。この采配は、適切だったのではないでしょうか。アーセナルが犯した致命的なミスは、最後にメルテザッカーがミトロヴィッチのヘディングを抑えきれなかったマークミスだけだったと思いますが、これが痛すぎる時間帯、痛すぎる点差で起こってしまいました。89分、3-3。厳しくいえば、「簡単にクロスを入れられるから3点も奪われるんだ」という話なのでしょうが、今日のドローは、さすがに「アンラッキー」という印象ですね…。

珍しく前半からゴールを重ね、順調に戦っていたゲームがこんな着地になるとは、ガナーズもなかなか波に乗れませんね。チャンピオンズリーグは、次戦、ホームのドルトムント戦をドロー以上で終わればグル―プステージ突破が確定するので、ここは2位通過と割り切って、プレミアリーグシフトでいいのではないでしょうか。うーん、モヤモヤします。アーセナルの攻撃が見事だっただけに、なおさら。

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“圧勝ムードからまさかの同点…3点差を守れなかったアーセナル、厳しすぎた2つのジャッジ!” への3件のフィードバック

  1. サッカー小僧! より:

    更新お疲れ様です。

    今日は、審判がひどかったのは否めないので、なんとも歯がゆい引き分けでしたね。
    2失点目のPKも?でしたけど、特に1失点目は誰もがわかるオフサイドでした。
    あれでは、審判のいる意味が、全くありません、というか素人以下レベルでした。

    ただ、3失点目は、ハル戦の後半直後に取られたような、クロス簡単に上げさせて
    メルてザッカー競り負ける、よく見るシーンでしたね。
    監督も、DFがひどかったことは明言されているので、これでDFの補強を決意して
    くれたのなら、この惨めな敗戦にも、少しは意味があったのかな、と思います。

  2. makoto より:

    更新ご苦労様です。

    確かに不運でした。それでも・・・絶対に勝つべき試合でした。本当に残念です。
    これでアーセナルはグループリーグ2位通過がほぼ決まりですし決勝トーナメントで極めて
    高い確率で格上の強豪と当たることになるでしょう。もう毎年のことですよね。

    冬の補強ですけど・・・どうでしょうか?少し前までは確実にCBだけは補強するだろうと
    思っていましたがモンレアルが良い意味で予想を裏切っています。そうなるとベンゲルには
    コシェルニーの復帰で十分という発想が生まれるかなと・・・市場にはいたが現戦力よりも
    優れた選手はいなかったという恒例のあのセリフで終了かもしれません。怖いですね。

    サンチェスは本当に凄いですね。そしてサンチェスに導かれるように徐々にチェンバレンに
    覚醒の気配を感じているのは私だけでしょうか?怪我さえなければ飛躍のシーズンになると
    大いに期待しています。もう一度言います。怪我さえなければです。

    攻撃面に話を限れば後はラムゼイの復調でしょう。彼が昨季の状態に戻れば量と質を兼ねた
    素晴らしい攻撃が見れると思います。そこに『トップ下』でエジルが絡めば欧州屈指の力を
    備えた攻撃になるでしょう。エジルはトップ下の選手ですからそこで起用すべきです。

    攻撃陣に期待が持てるからこそどうしても冬に守備の整備をと思ってしまいます。私ならば
    ポドルスキとキャンベルを放出してCBとセントラルMFを獲得しますね。必ずしもそれが
    本意ではなくても明らかに過剰な戦力となる攻撃陣と明らかに薄弱な戦力しかない守備陣は
    一刻も早く戦力のバランスを整えるべきではないでしょうか?

    更に言えばディアビにも移籍を促します。移籍金など一切求めず契約解除をしようと・・・
    彼の年齢を考えれば移籍させてあげることが彼を救う唯一の道だと私は思います。

    —–
    サッカー小僧!さん>
    最後は、もっと明確に、試合をたたむ方向にきちっと舵を切った方がよかったかもしれません。クロスでやられる弱点は、プレミアリーグ下位相手に取りこぼす要因になりえるので、早く何とかしないといけませんね。

    tomoさん>
    同感です。CBとセントラルMFを補強し、それによって金庫が不安になるならキャンベルとディアビは出してもいいのではないかと思います。ポルディは、ムードメーカーでもあり一発があるので、スーパーサブとして残せるなら残したいと思いますが、いかがでしょうか。結果的に夏に出ていくことになったとしても。

  3. ガナ吉 より:

    コメント有難うございます。

    私達だけではなくアーセナルの試合を見ているほとんどの方が同じ意見だと思っています。
    アーセナルというかベンゲルが本当にプレミアのタイトルを狙うという気概があるのならば
    結果的に無冠に終わったとしてもタイトル奪還を目指したという姿勢を見せるべきですよ。
    そして・・・少なくても私は現戦力値ではその姿勢に本気さを感じることは出来ませんね。
    守備陣の整備こそベンゲルが『冬に見せるべき姿勢』だと思います。

    ポドルスキはの一発は確かに魅力的ですよね。特に昨季の終盤戦は彼の一発にチーム何度も
    救われました。個人的にはロシツキと同様になぜか応援したくなる選手です。
    それでも・・・やはりアーセナルは冬の放出を決断すべきだと思います。年俸総額を下げる
    意味でもポドルスキを放出した方が双方のためだと思います。

    —–
    更新お疲れ様です。

    3点目の一番の原因はポドルスキがマークせずフリーでクロスを上げさせたことだと思っています。
    あの押されている場面で出てきてあの対応はちょっと…
    まぁそもそもチェンバレンサイドがやられているのにこれといった対応策を取れなかったのがいけませんでした。アルテタの交代が痛かった…

    —–
    更新お疲れ様です。

    何度も言われてますが、最後の失点は競り勝てなかったDFのせいではなく、
    毎度毎度ノープレッシャーで最高のクロスを上げる余裕を与えてしまっていること。
    これに尽きると思います。
    身長なんて横には伸びないのだから、いいクロスをあげさせてしまったなら
    メルテザッカーの高さなんて無意味です。

    ヴェンゲルがここに気づいてくれるといいのですが…
    後ろにカバーリングする選手がいるなら、もっとクロッサーに近く近くアプローチすること。
    これを徹底できなければ失点は減らないと思います。
    今季頭で何失点したでしょうかね…

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