イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ふわふわトッテナムと切れ味鋭いエヴァートン。それぞれの戦い方で、EL組は勝ち点3!

プレミアリーグ勢が1勝もできなかったチャンピオンズリーグとは裏腹に、ヨーロッパリーグのトッテナムとエヴァートンは見事に勝ち点3をゲット。とはいえその内容は好対照で、ホームでは5-1と大勝したアステラス・トリポリス相手にアップアップだったトッテナムに対して、エヴァートンは1ヵ月以上勝利のないリールに3-0快勝。この2試合は、ポチェッティーノ監督とロベルト・マルティネス監督のヨーロッパリーグへの体温の違いが浮き彫りになったような試合でした。

今季のヨーロッパリーグでは、直前のプレミアリーグからメンバーを10人入れ替えることすらあったポチェッティーノ監督。今回も9人をスイッチしたトッテナムのスタメンには、プレミアリーグでは出場機会が少ないファシオ、スタンブリ、ベン・デイヴィス、ハリー・ケインといったフレッシュな顔が並びます。ポチェッティーノ監督は、前回のプレミアリーグのメンバーから引き算をして11人を決めているかのようで、「最悪、ヨーロッパは年内で終わってもOK」と思っているのではないかと、うがった見方をしてしまいそうです。

試合は案の定、危なっかしいシーンが続出。特に厳しかったのが守備の連携で、CBの間に簡単に入られたり、マークの受け渡しが甘くて実質的にフリーの状態で危険なパスを入れられたりと、全体的にふわふわした状態でした。一方、攻撃面では、前半のタウンゼントが素晴らしい出来。ちょんと縦にボールを出せば簡単に抜けてしまう得意のドリブルで再三チャンスを創り、36分には左サイドで引っかけられて得たPKを、自ら決めて先制。42分には、中央にハリー・ケインしかいない状況で、ピンポイントのクロスを18番に見事に合わせ、試合運びをラクにしました。現れた時のインパクトが強烈過ぎて、昨季後半からは伸び悩み感があったタウンゼントですが、最近は、いいときのフォームが戻ってきているように思います。

さて、2-0とリードしたトッテナムでしたが、後半開始から20分の間は何度も決定機を創られ、アステラス・トリポリスのフィニッシュのまずさに救われ続けます。アウェイチームがようやく1点を返したのは試合終了直前、ファシオのレッドカードとセットで献上したPK。ポチェッティーノ監督が、彼我の実力差を見切ってスタメンの強度を決めたのならお見事ですが、前回のゲームが楽勝だったこともあり、ここまで迫られるとは思ってなかったでしょう。ともあれ、勝ち点3という結果さえ残ればいいゲーム。週末のプレミアリーグ、ストーク戦は、満を持して現在のベストメンバーで戦えるはずです。

トッテナムが結果オーライだった一方で、「ヨーロッパリーグはクラブにとって素晴らしいチャレンジ」と語るマルティネス監督のエヴァートンは、彼ららしい見事なサッカーを展開し、思わずテンションが上がる美しい3つのゴールでリールを破りました。27分、右サイドを上がったマクギーディの柔らかいクロスが逆サイドに流れ、ここに入り込んでいたレオン・オズマンが有無をいわせぬ強烈なシュートを叩き込んで先制。42分、最高の時間帯での追加点は、CKもいいボールだったのですが、空いているスペースにうまく入ってヘッドをコントロールしたジャギエルカの巧さが光るゴールでした。

そして3発めは61分、本日のMVPネイスミスです。ここまで、ゴール前でのダイレクトの落としや、裏への抜け出しで何度もGKと向かい合うチャンスを創ってきた14番は、ルカクとレイトン・ベインズが2人で崩した左サイドからのグラウンダーを、ワントラップで見事にゴール左上に決め、エヴァートンの勝利を動かぬものにしました。いやー、いいですね、ネイスミス。ボールをシンプルにさばき、走り込んだ味方を見逃さないMFの存在が、レイトン・ベインズをはじめとするサイドや前線の選手が迷いなく縦に走れる理由になっていると思います。ホームで完勝、アウェイはドローと、エヴァートンのヨーロッパは順調です。次戦のプレミアリーグは、最近4試合を2勝2敗、すべて1点差ゲームと苦手のサンダーランドですが、調子が上がってきた今の彼らなら、2~3点獲って快勝するのではないでしょうか。

昨季のトッテナムは、ヨーロッパリーグ後のプレミアリーグで苦戦続きでしたが、ターンオーバーを徹底している今季は、同じ苦しみ方をすることはなさそうですね。ヨーロッパリーグ組の、勝利直後のプレミアリーグにも注目してまいりたいと思います。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“ふわふわトッテナムと切れ味鋭いエヴァートン。それぞれの戦い方で、EL組は勝ち点3!” への4件のフィードバック

  1. にわかスパーズファン より:

    更新お疲れ様です。
    勝ち点3とれてよかったという試合でした。
    CBは不安定でしたが、特に気になるのがヤンの方。今シーズン何かパッとしないです。ファシオに関してはドーソンの方がと思いたくなってしまいます。

    しかしタウンゼントは調子上げてきてますしケインは素晴らしい!明るい材料が増えました。
    そしてキーパーの層は世界で3本の指に入るくらいだと今朝で思いました。

  2. せお より:

    更新お疲れ様です。

    プレミアのためにもぜひスパーズ、トフィーズにはEL制覇してほしいですね!

  3. journeys より:

    奇しくもスケジュールのせいではないってこと証明しちゃう形になっちゃいましたねw

  4. makoto より:

    にわかスパーズファンさん>
    おっしゃるとおり、好材料もありましたね。タウンゼントの調子のよさは今後が楽しみです。また、「ハリー・ケインをもっとプレミアリーグで起用すればいいのでは?」とも思いました。

    せおさん>
    どちらかが、そこまでいったらプレミアリーグファンとしては盛り上がりますね!

    journeysさん>
    前回、ご指摘をいただいたときに、

    私の言葉足らずもあったかもしれませんが、「著しくプレミアリーグが過密だった」とだけいっているわけではありません。アーセナルとリヴァプールは元よりケガ人が多く、ジエゴ・コスタとロイク・レミーがケガしてからはチェルシーがホームのマリボル戦以外苦戦続きで、マンチェスター・シティは不振とケガ人が重なっています。そこへきて、国内カップが入る時期が重なったので、疲弊気味のチームはさらにつらいだろう、というのが趣旨です。せめてCL出場クラブは土曜日開催に揃えるとか、キャピタルワンカップの時期設定など、より欧州で戦いやすい工夫ができないものか、と思っています。

    と説明させていただいております。繰り返しになりますが、「負けたのはスケジュールのせいである」と短絡的にいったわけではなく、あらためて、言葉足らずな面があったことについてはお詫びいたします。前回、不愉快な思いをさせてしまったようで、もうお読みいただけないのではないかと残念な気持ちでしたので、再訪いただき、とても感謝しています。ありがとうございました。

    本ブログの初期の頃に、「シュクルテルとアッガーはリヴァプールに不要なのでは?」と書き、リヴァプールサポーターの方にたしなめられ、その後あらためて彼らのいいプレイを観させてもらって考えをあらためた、ということがありました。コメント欄のご指摘は、勉強になることも多く、貴重だと思っています。今後も異論・反論あれば、ぜひご指摘ください。

にわかスパーズファン へ返信するコメントをキャンセル