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あと1本が遠かった10人のリヴァプール、アンフィールドでCL敗退決定!

いよいよチャンピオンズリーグのグループステージは最終節。プレミアリーグ勢は、何チームが決勝トーナメントに進めるのでしょうか。リヴァプールは、バーゼルに勝てばOK。引き分け以下に終わった瞬間に敗退が決定し、レアル・マドリードとルドゴレツのゲームの結果いかんでは、最下位もあります。この日の最終ラインは、グレン・ジョンソンとシュクルテルに加えて、久しぶりのデヤン・ロブレンとホセ・エンリケです。前節のプレミアリーグで途中出場だったジェラードがスタメンに名を連ね、ルーカス、ジョー・アレン、ヘンダーソン、スターリングが並ぶ中盤は、現在のベストの布陣でしょう。

トルコで戦うアーセナルが、ポドルスキの電光石火のミドルシュートで早々に先制した開始直後、アンフィールドのリヴァプールも一方的に攻め込みます。しかし、5分を過ぎるとバーゼルのペース。11分にはズッシのラストパスを受けたガシが左足でミドルシュート。中盤で競り負けるリヴァプールは、セットプレーでしかチャンスが創れません。21分にはゴール前でボールをキープされ、何度もシュートをブロックさせられるシーンもあり、レッズはアウェイで戦う弱小クラブのようです。すると24分、最初のゴールはバーゼル。ズッフィのポストプレーから、ゴール右隅に完璧なクロスのシュートを叩き込んだのはファビアン・フライ。リヴァプールにとっては、絶対に与えたくなかった先制点です。

27分にスターリングが打った、初めてのまともなシュートはGKの正面。攻撃がかみ合わないリヴァプール。ジェラードの歪んだ表情は、敗戦が決まった選手のようです。32分には、CKが左サイドに流れたところをフライが拾って逆サイドにクロス。フリーのシュトレラーがボレーを放つシーンがあり、リヴァプールのセットプレーの守備は相変わらず不安定です。前半は、完全なるバーゼルのゲーム。マイボールになっても誰もパスをもらいにいかず、極端に運動量の少ないリヴァプールは、ビルドアップを奪われる場面も多く、ゴールははるか遠く。44分、グレン・ジョンソンがサイドでフリーになったシーンがレッズ唯一の決定機。アーリークロスはリッキー・リー・ランバートに合わなかったものの、打開策は徹底したサイド攻撃でしょう。

後半頭から、ロジャース監督は勝負に出ます。ランバートとホセ・エンリケを下げ、マルコヴィッチとアルベルト・モレノ。開始早々、右から突破を見せるマルコヴィッチに、アンフィールドのボルテージが上がります。リヴァプールのサイド攻撃が活性化し始めました。このままで終わりたいバーゼルは、フライを前に残してカウンターに徹します。58分のシャカの左足シュートにヒヤリとさせられたリヴァプールは、その2分後、さらなるピンチに追い込まれます。ドリブルしながら相手の顔を手で払ったマルコヴィッチ、一発レッド!残り30分、リヴァプールは10人で2点を奪わないといけません。

レッズサポーターが騒然としたのは、71分のカウンター。前線は2対2。スターリングがドリブルから左にスルーパスを出すと、走り込んだジェラードとGKヴァツリークの態勢はイーブン。わずかに先に触ったジェラードは、GKの手に足を取られて転倒しますが、レフェリーの笛は鳴りません。残り時間が気になり出した80分、リヴァプールを同点に導いたのは、やはりこの2人でした。ドリブルでファールを誘ったスターリングと、カーブをかけた直接FKを左ポストに当ててねじ込んだジェラード!ようやく1-1。時間はまだ、10分あります。

85分のヘンダーソンのヘッドは、DFに当たってコースが変わるもGKがキャッチ。87分、ジェラードの縦へのスルーパスに左からスターリングが突っ込みますが、これもGKヴァツリークの飛び出しが先。猛攻を仕掛けるリヴァプールと、少人数で逆襲するバーゼル。92分のヘンダーソンの強烈なミドルは、決まったと思ったのですが…。コースを読んでいたヴァツリークが渾身の一撃をダイビングでセーブすると、リヴァプールのチャンピオンズリーグは終わりを告げました。昨季プレミアリーグの大活躍でクラブを欧州に押し上げたダニエル・スタリッジは、センターフォワードとしての初めての大舞台に一度も立つことはありませんでした。目覚めるのが遅かったリヴァプール。「勝てる試合を落とした」というのが率直な感想です。

ポドルスキがGKとの1対1を右足インサイドで決めた瞬間、ゲームが終わったアーセナルは、ガラタサライに1-4で圧勝。ドルトムントが引き分けたため、6点差をつければ首位通過でしたが、テクニカルなインサイドとスーパーミドルの左足2発を決めたラムジーの後が続かず、2位でフィニッシュとなりました。後半、メイトランド=ナイルズ、オコーナー、ゼラレムと若手を投入したヴェンゲル監督にとっては、このゲームは消化試合。完全にプレミアリーグシフトだったようです。リヴァプールとアーセナル、どちらも残念。まずい試合を演出してしまったロジャース監督は、今まで以上に解任ゴシップにさらされることになりそうです。(ラザル・マルコヴィッチ 写真著作者/md.faisalzaman)

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“あと1本が遠かった10人のリヴァプール、アンフィールドでCL敗退決定!” への6件のフィードバック

  1. ヒロ より:

    グループリーグの組み合わせが決まった時のコラムのコメントにやりにくい組み合わせに入ったと書いたがやはり結果は予想通りグループリーグ敗退でしたか
    リバプールのファンには悪いですがCLの舞台からはまた当分お別れでしょうね
    今のままのサッカーでは。

    —–
    ジェラードのバーゼル戦の後のコメントが全てだと思います

  2. リバサポ より:

    ほんとにジェラードが報われない…
    これでリーグ戦に集中できると割り切ってもらいたいですね。

  3. makoto より:

    明日エコトさん ヒロさん リバサポさん>
    狙いのない前半の45分がもったいなかったですね。後半、サイドへの意識が高まって、ジェラードが最前線のスターリングを使うシーンが増えてよくなったのですが…。最後は、もっと積極的にシュートを打った方がよかったのでは?と思いました。絶対決めなきゃという意識が強かったのか、コースがちゃんと開くまで打たない選手が多く、GKは守りやすかったと思います。

  4. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    実に勿体無いゲームでした。特に前半。ホームチームは一体どちらなんだ、、、と思わせるゲームでした。
    後半のキャプテンのゴールは意地のゴールと思います。
    彼も言ってましたが、CLを勝ち抜ける力はない。これは修羅場をくぐり抜けた彼ならではの言葉ですね。
    色々と騒がしくなって来ましたが、また一から出直しですね。ロジャースにはそれができると思いますし、何よりも解任すべきではないと思います。

  5. ゆうま より:

    アーセナルに関してはアンデルレヒト戦の体たらくにより一位抜けは事実上の終戦で
    ドルトムントがやらかしてくれたらラッキーって感じだったと思うので、主力の多くを
    休ませてこの結果なら上々だと思います。

  6. makoto より:

    Mackiさん>
    同感です。それにしても、多くの新戦力がフィットしてないのは気になりますね。

    ゆうまさん>
    ヴェンゲル監督の判断もそうだったのでしょうね。15日にいい相手を引けるように祈ります。

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