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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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イブラヒモヴィッチの3発をすべて弾いた、クルトワの神セーブがチェルシーを救う!

風邪で欠場といわれていたセスクがピッチにいます。ラミレス先発、オスカルベンチは、アウェイゲームは守備重視で戦いたいというモウリーニョ監督の意志表示でしょうか。対するホームチームには、先週末のカーン戦で負傷したセルジュ・オーリエ、カバイェ、ルーカスの姿がありません。チャンピオンズリーグがいよいよ再開です。プレミアリーグ勢、最初の登場はチェルシー。決勝トーナメント1回戦、パルク・デ・プランスでのパリ・サンジェルマンとの一戦は、昨季ベスト8で熱戦を繰り広げた因縁の対決。スタメンを見れば、チェルシー万全、パリぎりぎりといった印象です。

ピッチ上は静かなビルドアップ、スタンドはチェルシーに対する大ブーイングで始まったゲームで、先にチャンスをつかんだのはホームのパリでした。10分、マチュイディとズラタン・イブラヒモヴィッチが、立て続けに決定的なヘディングシュート。守護神クルトワは動じず、こちらもビッグセーブを連発して先制を許しません。サイドから盛んにロングクロスを入れてくるパリに対し、チェルシーのラインは4-4-2に近い形。ジエゴ・コスタの横にセスクが入り、縦に入るボールをケアしています。

プレミアリーグではなかなか観られない、ビルドアップに苦しむチェルシーの姿。ジエゴ・コスタへの楔も入らず、守勢だった彼らにチャンスが訪れたのは25分。セスク、ジエゴ・コスタと展開してアザールが右からえぐった攻撃は、GKシリグにクロスを遮られます。30分、アザールが倒されて得たセスクのFKは、ファーに入れたボールをシリグがパンチ。プレミアリーグ首位クラブは、なかなかシュートが打てません。33分、ラベッシのCKをニアでカバーニが叩くと、またもクルトワがビッグセーブ。ゴールに近いのはパリでしたが、35分、ワンチャンスを活かして先制したのは抜け目ないチェルシーでした。

右からのクロスが左サイドに流れ、追いついたCBテリーが右足でクロス。右足アウトサイドで巧妙にコースを変えたのは、これもCBのケーヒルで、見事なヘッドを左サイドネットに沈めたのはイヴァノヴィッチでした。チェルシー、3人のDFで先制点!試合開始からここまで、チェルシーボールに厳しいブーイングを浴びせ続けていたパルク・デ・プランスが静まった瞬間です。44分のズラタンの強烈な直接FKが枠を超えると、前半は終了。アウェイのチェルシーにとっては、最高の折り返しです。

形勢互角だった後半、54分に左サイドから上がったマチュイディのクロスは完璧でした。ゴールの正面5メートルから、足元にヘッドを叩きつけられてはクルトワもなす術がありません。カバーニ、同点ゴール。この1点を合図に、パリが攻勢です。59分には、チェルシーの自陣でのパスミスをさらってワンツーから抜け出したイブラヒモヴィッチが、左足で決定的なシュート。クルトワがぎりぎりでこれを弾き、フォローのシュートもDFがブロック。チェルシー、この日3度めの命拾いです。65分、カバーニともつれたイヴァノヴィッチにイエローカード。自分のサイドを狙われているSBは、相当熱くなっています。パリのセットプレーは、ひたすら高さで勝負です。チェルシーの最終ラインは、ズラタンとカバーニを見失うわけにはいきません。

モウリーニョ監督の最初のカードは、いつものプレミアリーグより遅い78分。ウィリアンをクアドラードは、「負けないための一手」でしょう。直後、左サイドのワンツーからマティッチをかわしたカバーニの決定的な一撃は、わずかにポストの外。チェルシーは81分にジエゴ・コスタからロイク・レミー、83分にセスクをオスカルと、フォーメーションをいじらずにフレッシュな選手を投入。残り10分からはほとんど攻めることなく、後ろを締めて1-1で試合を畳もうとします。しかし91分、左からのロングクロスが、ズラタンの頭にピタリと合ってしまいます。教科書通りに強く叩きつけたヘッドは決勝ゴールか、いや、3度めのクルトワ!絶対的エースの渾身のシュートを、3発すべて弾き返したベルギー代表GKの活躍で、チェルシーが望み通りの勝ち点1をゲットしました。

今日はとにかく、クルトワでした。パリ・サンジェルマンの攻撃はクラシックなサイド攻撃とシンプルなワンツーで、決して読めないものではなかったものの、イブラヒモヴィッチとカバーニ、マチュイディの身体能力が高く、どこで一発喰らうかわからない緊張感がありました。モウリーニョ監督とケーヒルは、守護神にワインでもおごらないといけませんね。アウェイゴール付きのドローは、願ってもない結果でしょう。チェルシー、上々の滑り出しです!(ティボ・クルトワ 写真著作者/ian Minkoff-London Pixels)

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“イブラヒモヴィッチの3発をすべて弾いた、クルトワの神セーブがチェルシーを救う!” への3件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    ご指摘の通り今日はクルトワの日ですね。
    これに尽きます。チェルシーしっかり結果を持ち帰りましたね。素晴らしい!

  2. 釜本杉山 より:

    更新お疲れ様です

    今日の内容で1―1のドローなら御の字でしょう

    マテュイディ・ヴェッラッティ・ダヴィルイスが組んだパリの中盤は中々厄介ですね
    ダヴィルイスは最終ラインで使うとポジショニングミスや軽いプレーが目立つ選手ですが
    ボランチに置くと良い仕事します

    パリの前線の顔触れとプレーぶりを見るとスタンフォードでもゼロに抑えるのは些か困難にも
    思えるんで、セカンドレグは点の取り合いになりそうな予感も…

  3. makoto より:

    Mackiさん>
    後半、シュートゼロですからね。チェルシーらしいです。

    釜本杉山さん>
    一発があるから怖いですね。先にやられないようにしないと…。

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