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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ヨーロッパリーグの明暗でいよいよ目前!「プレミアリーグがセリエAに抜かれる日」

「プレミアリーグがセリエAに抜かれる日」が、いよいよ現実味を帯びてまいりました。チャンピオンズリーグでは、マンチェスター・シティがバルセロナに、アーセナルがモナコにホームで敗れ、いずれも風前の灯。パリで1-1と優位に立ったチェルシーも、年明けのプレミアリーグではトッテナムに5失点を喫し、得点力のないバーンリーやアストン・ヴィラにゴールをプレゼントしており、セカンドレグで勝てる保証はどこにもありません。ヨーロッパリーグでは、リヴァプールがベシクタシュに足をとられ、トッテナムはフィオレンティーナとのセカンドレグで競り負けました。リヴァプールは週末のプレミアリーグでマンチェスター・シティ戦を控えており、トッテナムはキャピタルワンカップ決勝直前。彼らの敗退は、後ろのゲームが気になり、ハリー・ケインやライアン・メイソン、ヘンダーソン、コウチーニョらの主力を休ませたことと無縁ではないでしょう。油断、実力負け、過度なターンオーバー。理由はどうあれ、欧州再開の最初のラウンドを勝ち抜けたのは、今のところエヴァートンだけという厳しい状況に陥ってしまいました。

この状況は、以前のどこかの国と似ています。2010-11シーズンのイタリア。この年の彼らは、ヨーロッパリーグでラウンド16に勝ち抜いたクラブはゼロ。チャンピオンズリーグのベスト8はインテルだけでした。同じ年のプレミアリーグ勢は、ヨーロッパリーグでマンチェスター・シティがラウンド16敗退ではあったものの、チャンピオンズリーグでは3チームがベスト8進出。マンチェスター・ユナイテッドがファイナルに残り、メッシのバルサに敗れたものの準優勝となっています。

このシーズンだけでプレミアリーグとセリエAは7000ポイント弱の大差がつき、UEFAランキングでは現在、2位と4位という状況ですが、今季は逆に同じくらいの差をつけられて可能性があります。というのは、ヨーロッパリーグで、セリエAが5チームすべて勝ち残るという快挙を達成したからです。プレミアリーグとしては、ドルトムントにお返しした香川真司にはがんばってもらわないといけません。ブンデスリーガで苦戦中のクロップ監督がCLで接戦となったユヴェントスに負ければ、ELでフィオレンティーナとローマがイタリア対決となったためひとつは確実に消えるものの、両大会で最大5チームがベスト8に残る可能性があるのです。

当該シーズンを含む過去5シーズンのポイント数が対象となるUEFAランキングは、来季になると2010-11シーズンにプレミアリーグがセリエAにつけた大差が消え、今季のポイントが乗っかります。そうなると、プレミアリーグとセリエAの16000ポイントという現在のギャップは、3000~4000ポイント差まで詰められる可能性があります。さあ、待ったなし。まだ、マンチェスター・シティとアーセナルはセカンドレグを残しているので、大騒ぎするのは桜が咲き始めてからでいいのですが、2015-16シーズンは、キャピタルワンだのプレミアリーグ優先だのといっていられないシーズンです。来季、プレミアリーグとセリエAが同等の成績ならランキングはひっくり返り、プレミアリーグのチャンピオンズリーグ出場枠は3つに減らされます。チャンピオンズリーグ連続出場中のヴェンゲル監督が2年後も続投していれば、これは由々しきことでしょう。

さて、ヨーロッパリーグのラウンド16の組み合わせが決まりました。われらが希望、エヴァートンの対戦相手はどこでしょう。私の見立てでは、当たりクジは3つ。ベルギーのブルージュ、イタリアでの評価は高いのに冴えない試合が続くインテル、ウクライナ遠征は厳しいながらも国内リーグの最近5試合でわずか1勝のドニエプル・ドニエプロぺトロフスクあたりがやりやすいでしょう。ところが、ああ、やってしまいました。ディナモ・キエフです。2010-11シーズンに、同じラウンド16でマンチェスター・シティに完勝したウクライナ・プレミアリーグの首位チーム。同リーグ2位のシャフタル・ドネツクは、先日のチャンピオンズリーグでバイエルン・ミュンヘン相手に「初戦ドロー」というアーセナルができなかったことをやっています。その、さらに上。厳しいです。

【ヨーロッパリーグ・ラウンド16組み合わせ】
ドニエプル(ウクライナ) VS アヤックス(オランダ)
ゼニト(ロシア) VS トリノ(イタリア)
ヴォルフスブルク(ドイツ) VS インテル(イタリア)
エヴァートン(イングランド) VS ディナモ・キエフ(ウクライナ)
ビジャレアル(スペイン) VS セビージャ(スペイン)
ナポリ(イタリア) VS ディナモ・モスクワ(ロシア)
クラブ・ブルージュ(ベルギー) VS ベシクタシュ(トルコ)
フィオレンティーナ(イタリア) VS ASローマ(イタリア)

いや、もう、ここはエヴァートンのロベルト・マルティネス監督と、ラウンド32で2試合5ゴールと絶好調だったロメウ・ルカクにがんばってもらうしかありません。いやいや、リヴァプールとトッテナムはいけると思ったのですが。いちばん残念なのは、トッテナムのロベルト・ソルダードです。フィオレンティーナ戦の前半、シャドリと2人で「GKと2対1」の大チャンスに、まさか横パスをキャッチされるとは。先に点を獲っていれば、まったく別な試合に…いや、「たら・れば」はやめましょう。がんばってください、エヴァートンのみなさん。ヴェンゲル監督だけでなく、マンチェスター・ユナイテッドにとってもチャンピオンズリーグの椅子の数は重要なのです。気持ちは一緒ですよね?ロジャース監督、ポチェッティーノ監督!

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“ヨーロッパリーグの明暗でいよいよ目前!「プレミアリーグがセリエAに抜かれる日」” への5件のフィードバック

  1. a より:

    やれやれ。やはり、我らがユナイテッドが出場しないと厳しいですね(棒

  2. makoto より:

    aさん>
    ということを、来季は証明したいものです。

  3. makoto より:

    そういえば最近プレミアのuefaポイントを稼いでるのは殆どチェルシーですね。

    —–
    モウリスタさん>
    EL優勝、CLベスト4と、ベニテスさんとモウリーニョさんには随分支えていただいています。

  4. 新参 より:

    初めてコメントします。自分はアーセナルファンです。長文失礼します。コメントを返していただければ幸いです。

    欧州カップ戦のプレミア勢の苦戦は、1シーズンを通した過密日程による部分が大きいと思います。

    キャピタルワンカップの廃止、FAカップのフルシーズン開催、ウィンターブレイクの導入をすべきではないでしょうか。
    キャピタルワンカップを廃止して、FAカップをフルシーズンで開催することによって、シーズン前半の過密日程を防ぎ、プレミアの強豪はチームを構築しやすいのではないでしょうか。2部以下はそもそもの試合数が多いため、彼らにとっても悪い話ではないでしょう。

    そして、ウィンターブレイクに関しては、1月後半に設けてはどうでしょうか。ボクシングデーやニューイャーマッチはイングランドの良き文化と思ってます。そこを残しつつ、ウィンターブレイクを導入するなら1月後半しかないとおもいます。他リーグと同様、休養・戦術確認を行うことによって、欧州カップ戦によい影響が出るのではとおもいます。

  5. makoto より:

    新参さん>
    キャピタルワンカップ廃止は、2部以下のクラブにとって厳しいかもしれませんね。プレミアリーグの放映権料UPやスポンサーフィーの増収で、トップクラブが自クラブ選手育成&若手有望株青田買い、外国人選手獲得にシフトしたため、下部リーグが選手を買ってもらえなくなり苦しんでいるという現状があります。よって、トップクラブと対決できるカップ戦という大きな収入源がなくなるのは、さらに彼らの首を絞めることになると思われます。

    ボクシングデイを残す、は賛成。1月頭はこだわらずに休んでもいいかもしれません。FAカップは大会規模が大きくて動かしづらいので、キャピタルワンカップのシード枠を増やす、のほうが現実的な気がします。1月後半の休みは、CLへの準備を考えると遅いように思います。ドイツは雪が積もるので、やむなしでウインターブレイクを長く取っているのですが、イングランドはそれを考えなくてもいいので、あえてぎりぎりに持っていかなくてもいいのではないでしょうか。

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