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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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3度の決定機を活かせなかったマンチェスター・ユナイテッド、PSVの速攻に屈す!

マンチェスター・ユナイテッドがチャンピオンズリーグに戻ってきました。ホームのPSVは私にとって懐かしいチームで、1989年にナシオナルと戦ったトヨタカップを国立競技場に観に行ったのを思い出します。現在、監督としてプレミアリーグにいるロナルド・クーマンが、最後方から高速ロングパスをサイドに容赦なく通す超攻撃的なチームでした。この試合は2-2からPK戦で敗れてしまいましたが、つまりは旧チャンピオンズカップを含めて優勝経験があるチーム同士のゲームということになります。マンチェスター・ユナイテッドは、最前線に鮮烈なプレミアリーグデビューを飾ったマルシアルを起用。エレーラとシュヴァインシュタイガーがセントラルに並び、2列めにはマタ、ヤング、デパイ。いつもの4人が並ぶ最終ラインとGKデ・ヘアは、PSVがサイドから繰り出してくる速攻に注意しないといけません。

古巣と当たるデパイが6分に通したグラウンダーは、マルシアルかエレーラが触れば1点という質の高いボール。リヴァプールに快勝した週末のプレミアリーグから、前のメンバーを変えてきたマンチェスター・ユナイテッドの滑り出しは悪くありません。15分、絶好調のルーク・ショーが単独突破で2人かわしてペナルティエリアに侵入すると、激しいスライディングを受けて転倒。複雑な骨折か靭帯断裂か、まったく足を動かせないままピッチ上の治療は9分にも及び、担架で運ばれていきました。今シーズンはかなりいい出来だっただけに、非常に痛いリタイアですが、CBロホ、左SBブリントという布陣に期待するしかありません。

31分、ロホはビルドアップでミスパスを出してしまい、決定的なピンチを招いてしまいました。新しい最終ラインが落ち着くまでには、それなりに時間がかかりそうです。37分、マタのFKを中央のマルシアルがゴール右にきわどく外れるヘッド。PSVは左のレスティエンヌが元気で、縦パスを受けて再三チャンスを創ります。40分、マンチェスター・ユナイテッドの大会復帰初ゴールは、プレーオフのクラブ・ブルッヘ戦でも2発決めていたメンフィス・デパイ。ブリントのスルーパスを受け、2人を軽くかわして決めた左足シュートは完璧でした。これだけの突破ができる選手がプレミアリーグではノーゴールなのが信じられません。

勢いに乗ったアウェイチームは、43分にデパイ、マタ、マルシアルのカウンター。その1分後にもスモーリングが敵陣までプレスをかけにいってインターセプトし、GKと1対1になるなどチャンスを創り続けますが、フィニッシュに精度を欠き2点めは決まりません。すると46分、PSVはCKでダルミアンに競り勝ったモレノのヘッドがブリントに当たり、ゴールに飛び込みます。前半はこのまま1-1。勝負はイーブンで後半に持ち越されます。

セカンドハーフが始まってしばらくは、マンチェスター・ユナイテッドの時間です。50分、マルシアルをポストに使ったデパイが左足シュート。アウェイチームは攻めてはいるもののラストパスがいい形で入らず、57分にPSVに逆襲を決められてしまいます。自陣でのパスをさらわれたダルミアンがレスティエンヌに背後を取られ、クロスをヘッドで合わせたのはファーサイドでフリーになっていたナルシン。叩きつけたシュートはさすがのデ・ヘアもノーチャンス。ホームチームが逆転です。61分、シュヴァインシュタイガーがぞくぞくするような素晴らしい浮き球を裏に通し、マタを完全にフリーにさせますが、トラップミスでシュートを打てず。アシュリー・ヤングにプレミアリーグでの鋭さがなく、マンチェスター・ユナイテッドの攻撃は右にポジションを移したデパイの突破頼みです。

75分、ファン・ハール監督はエレーラをフェライニ。マンチェスター・ユナイテッドにポゼッションほどの迫力はなく、PSVのカウンターに何度も危険なシーンを創られます。敗因は、ラストパスの質が悪く、前線の選手に連携がなかったことでしょう。サイドからのクロスは味方を競らせることすらできず、DFラインの裏へのボールはまったくタイミングが合いませんでした。先制点まではゲームを支配できていたことを考えれば、焦りが正確性を蝕んだのでしょう。後半、普段のプレミアリーグと同じようにプレイできていたのは、シュヴァインシュタイガーだけでした。

デパイ、スモーリング、マタと、押している時間帯につかんだ3度の決定機を活かせなかったのが悔やまれます。しかし、まだ初戦です。気持ちを切り替えるしかありません。選手を入れ替えるととたんにぎくしゃくするこのチームはまだまだ発展途上なのだと、あらためて感じさせる一戦でした。

追記:ルーク・ショーは、複合的な骨折と発表されました。おそらく、今シーズンの復帰は無理でしょう。今季ここまでの切れ味を見て、「プレミアリーグのベストイレブンに満場一致で選ばれるはず」と期待していたので、非常に悲しいです。持ち味のスピードとテクニックを奪うほどの重傷ではないことをお祈り申し上げます。

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“3度の決定機を活かせなかったマンチェスター・ユナイテッド、PSVの速攻に屈す!” への6件のフィードバック

  1. por より:

    負けたことよりショーの離脱が痛いですね

  2. デリック より:

    見てないですが残念です。未来ある若手が怪我で将来を脅かされるのはみたくないですね。
    開放骨折ではないようですが、ラムジーも凄い長くかかったので、長くなりそうですね。
    PSVに負けるときついですね。今年プレミアは不振だと枠減るんですよね?頑張ってくれユナイテッド!

  3. makoto より:

    porさん>
    激痛ですね…。

    デリックさん>
    報道されている負傷であれば、今シーズンの復帰は無理でしょうね。アウェイでの敗戦なので、「ホーム全勝なら勝ち抜ける。残り5戦を3勝2分け、あるいは4勝1敗で切り抜ければOK」と前向きに考えたいです。

  4. MUFC-7 より:

    本当に相手選手に怒りが込み上げてきます。若き未来の選手生命を奪うような行為を許せない。ユナイテッドは抗議するべきだし、監督ももっと声を荒げてもいいはずです。エクトルモレノに処罰を。

  5. プレミアリーグ大好き! より:

    あのショーへのチャレンジは最初はボールに行っているように見えますが、その後はかに挟みのように見えます。レッドで然るべきと思いますがUEFAの笛は時々意味不明です。

  6. makoto より:

    MUFC-7さん>
    その場でレッドが出なかったのはともかく、ひどいチャージでしたね。私も、クラブから抗議したほうがいいのではないかと思いました。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    アフターだからファールではない、というジャッジなのでしょう。

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