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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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CLグループステージ突破と復活の兆しがみえたチェルシー、収穫の多いドロー!

少し、安心しました。チャンピオンズリーググループステージ第3節、ディナモ・キエフとのアウェイゲームで、エデン・アザールがスタメンに復帰しました。どうやらモウリーニョ監督は、ドラスティックに語ることでアザールの奮起を促しただけのようです。チャンピオンズリーグ、キャピタルワンカップとミッドウィークのゲームが続くチェルシーとしては、プレミアリーグでこれ以上負けられないことを考えれば、出来ればキエフ遠征はターンオーバーをうまくやりたいところ。しかしながら、ポルトから勝ち点を奪えていれば、モウリーニョ監督はもっと思い切れたかもしれませんが、セスク、ラミレス、マティッチ、ウィリアン、アザールはガチンコです。両SBをズマとアスピリクエタとしたのは、先週末のプレミアリーグ、アストン・ヴィラ戦でラーマン・ババにやや不安定なプレイがあったからでしょうか。

チェルシーには、吹っ切れた感がありました。プレミアリーグで1ヵ月ぶりに満喫した勝利の味は、選手に強かった頃を思い出させ、アグレッシブにする効果があったのではないかと思います。8分、敵陣でパスカットに成功したラミレスからのボールを持ち込み、ウィリアンが左足のミドル。その1分後には、セスクのシュートのリバウンドをもらったアザールが、ワンステップで見事なシュートを放つも、左ポストに当たって惜しくも先制はなりません。ここまででも、最近なかった「シンプルで縦に速い攻撃」「積極的にシュートを狙う姿勢」が感じられたのですが、その後もチェルシーは攻撃的に試合を進めます。

16分にセスクが左サイドを抜け出し、中に斬り込んだドリブルは、アザールかと思わせる秀逸なプレイでした。「スタンフォード・ブリッジなら笛を吹いてもらえたのではないか」と粕谷秀樹氏が指摘したトリッピングとも見える交錯は、キエフでは取ってもらえず、チェルシーは引き続き攻め続けます。21分の速攻は、1年前の強かったプレミアリーグ首位チームを思い出させてくれる象徴的なシーンでした。ハーフライン付近でインターセプトしたマティッチがそのまま持ち上がってシュートまでいったのもさることながら、このとき最前線にいたのがセスクだったことにワクワクしました。攻めあぐみモードのチェルシーには、中盤がトップを追い越す動きが少なかったのです。左足なら枠を捉えていたであろうマティッチのシュートは、苦手な足で打たざるをえず、ポストの外に逸れていきます。

27分にズマが一瞬かわされ、中に出たボールをブヤルスキーに狙われたシーンはヒヤリとさせられましたが、テリーがコースを切っています。前半は、完全にプレミアリーグ王者のペースです。足りないのはゴールだけ。残り45分、先に点を奪って逃げ切れれば、今後のチャンピオンズリーグの戦い方が楽になります。

後半、いきなり見せてくれたのは絶好調ウィリアン。中央からカーブをかけた直接FKは完璧に見えましたが、わずかに回転が足りずにバーを直撃します。キエフの攻撃は、目標のないロングクロスとサイドからのドリブル突破しかなく、チェルシーの最終ラインには余裕があります。52分にアザールのパスを受けて積極的にシュートを狙うなど、セスクの攻め上がりが増えたのは大きなプラス材料。ジエゴ・コスタにどうフィニッシュさせるのか、その道筋さえ示せれば、決定機は格段に増えるはずです。59分、ウィリアンからのグラウンダーをうまく引いて受けたアザールのシュートはDFに当たり、依然としてスコアは変わりません。

61分、ヤルモレンコから始まったカウンターに、チェルシー守備陣が珍しく後手にまわりましたが、角度がなかったデルリス・ゴンザレスのシュートはベゴヴィッチが確実にセーブ。75分、両チーム最初のカードは、疲れが見えたセスクに代わってオスカルでした。チェルシーは安全運転にシフトしましたが、グループステージ突破のためにはここで勝たなくてはならないキエフは、最後にゴールを狙いにきます。88分、テリーが自陣深くでウィリアンに出したパスをシドルチェクに奪われたシーンは、思わず固まってしまいましたが、ニアに飛び込んだジュニオール・モアレスのシュートをベゴヴィッチが冷静に見極めて懐におさめ、事なきをえました。モウリーニョ監督は2枚のカードを持っていましたが、後ろを動かすのがリスクだと考えるならば、ジエゴ・コスタをファルカオに代えるぐらいしかアイデアはなかったでしょう。0-0、チェルシーにとっては、勝てるゲームではあったものの、ドローでも収穫の多いゲームだったのではないかと思います。

ポゼッションでキエフが上回ったのは、チェルシーが速攻主体だったからであり、両者には明らかに力の差がありました。プレミアリーグで敗れたクリスタル・パレスやサウサンプトンのほうが攻撃の引き出しが多く、モウリーニョ監督としては、キエフはより戦いやすいチームだったのではないでしょうか。スタンフォード・ブリッジでのリターンマッチで番狂わせは考えられず、テルアビブに順当勝ちすれば、チェルシーはポルトとの最終戦を待たずにグループステージ突破が決まる可能性大です。セスクとマティッチに復活の兆しがあったことと、ケーヒルが大きな声を出して綻びを修正していた最終ラインの安定感が上がったことは、プレミアリーグでの復調につながると思います。このところは、クロスが上がる際に中の人数が少ないのが気になっていましたが、今日は常時3~4人が入っており、左に流れるプレイが多いジエゴ・コスタがもっと中で我慢してくれれば、さらにチャンスは増えると思われます。

とはいえ、週末は難敵ウェストハムとのアウェイゲームです。ここが試金石。完勝できれば、今までのさまざまな不安は相当払拭できそうです。セスク、アザール、ウィリアンが並ぶ2列めは、ライバルクラブのサポーターから見てもやはり脅威。運動量が多く、どんな状況でもチームプレーに徹してくれるウィリアンは素晴らしいですね。チェルシーが強くなければ、チャンピオンズリーグもプレミアリーグもおもしろさ3割引きです。いい結果を期待しています。(セスク・ファブレガス 写真著作者/joshjdss)

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“CLグループステージ突破と復活の兆しがみえたチェルシー、収穫の多いドロー!” への1件のコメント

  1. makoto より:

    お疲れ様です。久しぶりにらしい試合を観ることが出来ました。アザール守備頑張ってましたね〜(今シーズンの中では)色々変化があった中でケーヒルをクローズアップする辺り流石管理人さんです。私も地味ですが、ケーヒルがかなり良くなっていた印象です。右サイドズマは、左アスピリクエタにしてヤルモレンコ対策もあったのでしょうね。ほぼ封じてましたし、多分ババならやられていましたね。ハマーズ戦で再度このパフォーマンスを期待します。

    —–
    ペドロさん>
    おっしゃるとおり、サイドの速い選手にズマと堅実なアスピリクエタをぶつけたかったのでしょうね。ケーヒルは、気持ちが伝わってくる闘志あふれるディフェンスでした。

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