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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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電光石火の2発、完璧な試合運び!マンチェスター・シティが「死のグループ」を悠々突破!

びっくりしました。デブライネがベンチです。ダヴィド・シルヴァ不在のなか、プレミアリーグやキャピタルワンカップで出っ放しなので、どこかで休ませたほうがいいのは確かですが、ここですか。アンカーにフェルナンド、その前にヤヤ・トゥレとフェルナンジーニョ。前節のプレミアリーグでベンチスタートだったスターリングが左に入り、右のヘスス・ナバスとサイド攻撃を担います。ワントップのボニーは、「シュートが決まらない病」を克服できるでしょうか。SBはサニャとコラロフ。コンパニとオタメンディのCBコンビは、そう簡単には破られないでしょう。チャンピオンズリーググループステージ第4節、プレミアリーグ首位のマンチェスター・シティがセビージャとのアウェイ戦に臨みます。負けられないセビージャ、勝てば早々にグループステージ突破もあるマン・シティ。試合は開始早々から激しい攻め合いの予感。7分、いきなりアウェイチームが先制です。

立役者は、フェルナンドからのパスを左で受けたフェルナンジーニョ。スターリングの飛び出しに合わせた見事なスルーパスがセビージャの最終ラインを切り裂きます。スターリングは、GKの脇を抜く左足シュートを冷静に叩き込み、0-1。これで波に乗ったマン・シティは、受け身にまわったセビージャにさらなる攻撃を仕掛けます。11分、今度はスターリングがファインプレーです。SBコケのミスパスを拾った背番号7は、そのまま持ち込んでボニーに丁寧なラストパス。ストライカーのボレーはGKリコが弾きますが、フォローしたフェルナンジーニョがヘディングで押し込み、あっという間に0-2です。12分には、ヤヤ・トゥレからパスをもらったヘスス・ナバスが縦に持って素晴らしいシュート。リコに触られ、ポストに阻まれてしまうあたりがいかにもヘスス・ナバスですが、マンチェスター・シティは絶好調。ホームチームは、快速の両サイドを止められません。

セビージャの反撃は15分。右からのコケのクロスにイボーラがタッチし、中に抜けたボールをジョレンテがプッシュするも、ボールはジョー・ハートの頭上。マン・シティは、縦に速いシンプルな攻撃が多く、自分で持ち込んで積極的にシュートを放つヘスス・ナバスのスピードが光ります。しかし25分、セビージャが意地を見せました。右からDFラインの裏に抜け出したのは、ここまでいいところがなかったコケ。ふわりと浮かしたラストパスが左SBのトレムリナスに通り、ジョー・ハートが飛び出した無人のゴールにイージーなヘディングシュートが刺さります。28分、CKからクリホヴィアクが放った決定的なヘッドはジョー・ハートが超人的なセーブ。こぼれ球を突いたイボーラのフィニッシュは右に外れてしまいます。33分、中央から狙ったボニーのミドルはDFに当たってCK。スリリングな攻め合いは、次のゴールがターニングポイントになるでしょう。

36分、「次」はマン・シティでした。3人を引きつけたフェルナンジーニョが右のヘスス・ナバスを使うと、絶好調のサイドアタッカーが入れた高速グラウンダーは完璧。右隅にボレーを決めたのは、ゴールがほしかったボニーです。1点差となった後、相手ボールの際に一斉にブーイングを仕掛けていたホームサポーターは、すっかり静かになりました。前半は1-3。4-1-4-1にフォーメーションを変え、速い攻撃を狙ったペジェグリーニ監督にとっては、してやったりの45分でしょう。

ハーフタイムにイボーラをクローン=デリ。追いつめられたセビージャは攻めるしかありません。後半立ち上がりからの猛攻は、いい形でシュートが打てず、引き気味に構えたマン・シティDF陣にはね返されます。54分、中央からドリブルで右に流れたスターリングの緩い折り返しを受け、フェルナンジーニョが強烈なボレーを放つも、リコが正面で弾いて4点めはなりません。直後にスターリングが持ち込み、ラストパスを受けたボニーのシュートも左に外れ、ゲームは2点差のまま進みます。55分にマリア―ノにポジションを譲ったコケは、ベンチを叩いて自らの不出来を悔しがっています。カウンターに行ければ縦へ、無理ならスローに落としてマイボールに。プレミアリーグ首位チームは、余裕をもって戦えています。71分、スターリングから中に出たボールを、ボニーとのワンツーから狙ったヤヤ・トゥレの右足は1点ものでした。遠めから狙う以外に打開策が見えないセビージャは、コノプリャンカのミドルが大きくアウト。73分、スターリングがお役御免となり、デブライネが登場です。

残り15分、マンチェスター・シティは見事にゲームを畳みました。チャンスを創りたかったのはホームチームなのに、決定機は81分、サニャのグラウンダーをワントラップで狙ったボニーのみでした。85分、ペジェグリーニ監督のデルフ投入は、守備固めというほどの切迫感はなく、慣らし運転でしょう。最後に足を痛め、デミチェリスに代わったフェルナンジーニョは大丈夫でしょうか。追加タイムの4分に、何かが起こる気配はありません。攻撃は圧巻、守備はまずまず、試合運びはパーフェクト。これぞマンチェスター・シティというべき勝利で、プレミアリーグ首位チームはこちらでもグループ1位。「死のグループ」という前評判を覆し、レアル・マドリードとともにグループステージ突破一番乗りを決めました。

おめでとうございます!フェルナンジーニョをいつもより前に置いたペジェグリーニ監督の采配が大当たりでした。とにかく両サイドのアタッカーがキレキレで、ヘスス・ナバスのプロモーションビデオの撮れ高は、今夜の90分だけでOKを出せるのではないでしょうか。今日の出来をいつも見せられるなら、欧州のファイナル進出も充分あると思います。いやいや、この試合がマンチェスターダービーじゃなくて、本当によかった。過日はいろいろ、控えていただいていたようで、恐縮です…。(ヘスス・ナバス 写真著作者/Egghead06 フェルナンジーニョ 写真著作者/Ailura)

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“電光石火の2発、完璧な試合運び!マンチェスター・シティが「死のグループ」を悠々突破!” への5件のフィードバック

  1. シティ大好き! より:

    フェルナンジーニョはいまや攻守の要ですが、ちょっとコキつかい過ぎな気がしていました。
    歩いてベンチ戻って水飲んでいたので怪我はたいしたことはなさそうですが、抜けられるときついです。
    スターリングは非常に良い動きをしていました。
    ペジェグリーニ采配も最近冴えていおり、戦術の幅を広げていますね。
    決勝トーナメントでも是非この好調を維持して欲しいです。

  2. シティズン より:

    ここ最近ペジェの采配が現実的すぎて驚きが隠せません
    彼は選択肢が少ない方が賢いのではないでしょうか
    ユナイテッド戦に続いて好感度上がっしまいます
    そしてオタメンディが完全にフィットしつつあるのも嬉しいですね
    適応能力の高さも一流選手たる所以なのでしょうか
    デルフが復帰した途端にフェルナンジーニョ離脱は嬉しいのか悲しいのか
    戦力的にはかなりのダウンなのですがデルフのプレーがついに観れるのが楽しみです

  3. シティさぽ より:

    戦術も試合運びも良かったです
    フェルナンジーニョは攻守に効いていて欠かせない選手ですね
    クリーンシートでの勝利が最近ないですが
    グループリーグ突破がきまりましたからね
    首位通過を目指して欲しいところです

  4. 新参 より:

    去年、欧州で結果が出なかった際、主さんはプレミアのクラブにはプランBがないとおっしゃっていたように記憶しております。強豪の現状をまとめてみますと、
    シティ→質のプランBを持っている
    アーセナル→プランBもある
    ユナイテッド→継続性の高いプランAが確立されつつある
    トッテナム→継続性は乏しいが質の高いプランAを確立している
    リバプール→プランAをインプット中
    チェルシー→プランAが研究され、行き詰まっている
    といったところではないでしょうか。

    明日はアーセナルがプランBを以て、プランAもBもCもあるようなホームのバイエルンに挑みます。アウェイでプランBを完遂できてこそ、本物のプランBだと思います。シティに続いて欲しいですね。

  5. makoto より:

    シティ大好き!さん>
    ファンは心配になりますよね。わかります。今季のペジェグリーニさんは素晴らしいです。ほしいカードがすべて揃った、という感じですね。

    シティズンさん>
    オタメンディはオールラウンドですね。ハードマークができるのが心強いです。

    シティさぽさん>
    フェルナンジーニョの貢献度は絶大ですね。カソルラ、シュヴァインシュタイガーなどなど、あのポジションで攻守に絡む選手を見ているのは楽しいです。

    新参さん>
    アーセナルは残念でした。ウォルコット、ベジェリン、コシールニーがいる状態で、「プランB」のアウェイ戦を見てみたかったです。マン・シティの4-1-4-1は、サイド攻撃強化という観点でおもしろい戦術だと思いました。デブライネとダヴィド・シルヴァ抜きでもいい試合ができるとなると、やっかいです。

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