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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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昨季の強さを思い出させる速攻と試合運び…チェルシーはポルトに完勝で首位通過!

ロンドンのライバル、アーセナルが大逆転の決勝トーナメント進出を決めるとほぼ同時に、プレミアリーグでボーンマスにやられたばかりのスタンフォード・ブリッジで、チェルシーが堂々のグループ首位通過を決めました。チャンピオンズリーグ・グループGの最終節で、キエフがテルアビブに勝ってもポルトに負けなければ2位キープという条件は、アーセナルの過酷さからすれば緩く、昨季のモウリーニョ監督のチームなら悠々とクリアしていたはずです。しかし今シーズンは、プレミアリーグのホームゲームで既に4敗、負け越しでこの日を迎えています。6分にブラヒミの強烈なミドルをクルトワがセーブした不穏なゲームは、ポルトに先制されないことが重要でしたが、12分にチェルシーが幸運も手伝ったゴールでリードを奪います。

ラミレスが自陣から持ち上がり、中央のアザールにつなぐと、右から最終ラインの裏に出ようと走ったジエゴ・コスタにダイレクトのラストパス。イバン・マルカーノを抜き去ったジエゴ・コスタは、カシージャスとの1対1をブロックされてしまいますが、GKが弾いたボールはイバン・マルカーノに当たってゴールに転がります。戻ったマイコンがぎりぎりでクリアしたかに見えたボールは、完全にラインを越えていました。ウィリアンのプレースキックと並ぶ今季最大の得点源、オウンゴール。一発で決められないところが今季のチェルシーらしくもありますが、アザールのパスとジエゴ・コスタの抜け出しは彼ららしいナイスプレーでした。早めにリードを奪って心理的に優位に立てれば、そうそうやられないのがこのチームです。ここからのチェルシーは、さすがはプレミアリーグのディフェンディングチャンピオンと観るものをうならせるペースメイクを見せてくれました。

ラミレス、オスカル、ウィリアン、ジエゴ・コスタがボールを持った選手を囲み、苦しまぎれのパスが出るとマティッチが狙ってインターセプト。18分、速攻からジエゴ・コスタのパスを受けたオスカルが倒されますが、これはファールを取ってもらえません。27分、アスピリクエタのインターセプトで始まったショートカウンターは、ウィリアンとのワンツーで右から狙ったオスカルの一撃がDFに当たり、ポストの左を抜けていきます。1点めのシーンをはじめ、最近あまり見られなかったダイレクトパスを使った崩しがあるのは、メンタルコンディションがいい証拠でしょう。42分、ポルトのブラヒミが放ったミドルは、クルトワのセーブに余裕があります。1-0、今日はこれぞチェルシーといったゲーム。懸念があるとすれば、20分にカシージャスの足を払い、余計なイエローをもらったジエゴ・コスタがもう一発喰らうリスクぐらいでしょう。

ウィリアンの強烈なミドルで始まった後半。ギリシャで順位をひっくり返す2点めを決めたアーセナルと前後して、チェルシーが勝負を決める追加点をゲットします。スローインをジエゴ・コスタがアザールに落とすと、右から走り込んだフリーのウィリアンにパスが通り、右足を振り抜いた重いシュートがカシージャスのニアを破ります。これは、ファインゴール。チェルシーは盤石です。ヴィンセント・アブバカルとルベン・ネヴェスを投入して逆転をもくろむポルトには、単純なクロスと遠めからのシュートしかなく、63分に右からのクロスをファーでトラップしたブラヒミの一撃も、イヴァノヴィッチが頭に当ててCKに逃れます。

70分、チェルシーのカウンター。アザールからのパスを受けて独走態勢となったジエゴ・コスタは、レフェリーの旗を気にせずドリブルのコース選びに集中していれば、ダニーロ・ペレイラに弾き飛ばされずにシュートまでいけたでしょう。72分には右からウィリアンとアザールが仕掛け、ウィリアンのスルーパスでカシージャスの目の前に飛び出したオスカルのヒールシュートは、スペイン代表GKが手を伸ばしてセーブします。80分にはオスカルのクロスをアザールがヘディングシュート。その直後には、アザールが素晴らしいスピードで左サイドを切り裂き、ニアを狙うもポストを叩いて3点めはなりません。チームの状態を良好と判断し、ここまで交代を入れなかったモウリーニョ監督の采配は納得です。残り10分からオスカル、ジエゴ・コスタ、アザールを次々と下げ、ミケル投入でセーフティに時間をつぶしたチェルシーが完勝。アザールとオスカルがよければ、やはりこのチームは強いですね。プレミアリーグ昨季王者らしい鋭い速攻と巧みな試合運びを、久しぶりに堪能させていただきました。

終わってみれば、プレミアリーグ勢は3チームがグループステージ突破。プレミアリーグでほとんど起用していない選手を2人も投入した指揮官の暴挙という事故1件で最終節を終わらせ、まずまずの着地で年明けを迎えることになりました。ファン・ハール監督には、ヨーロッパリーグでイタリア勢をひとつつぶしてチャンピオンズリーグの4枠キープに貢献するというぐらいの罪ほろぼしを期待しましょう。コンスタントに今日のようなサッカーができれば、ホーム&アウェイの決勝トーナメントではチェルシーがプレミアリーグ勢で最も上にいけるチームなのではないでしょうか。ブルーズサポーターのみなさん、首位通過おめでとうございます!

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“昨季の強さを思い出させる速攻と試合運び…チェルシーはポルトに完勝で首位通過!” への6件のフィードバック

  1. アスピ(ry より:

    オウンゴールはチェルシーのトップスコアラーですね笑 しかしディフェンス陣に積極性が出て来たのもありこの調子ならレスターにも追いつけるのではと期待が持てました。

  2. パチ より:

    なんとか勝ち抜けてくれました…。
    先制されるとやばいと思っていたので、こちらに先制点が転がってきてよかったです。

    でも今のチェルシーのままならシティ・アーセナルの方が可能性あると個人的には思っているので、2月までにどう変えていけるか?ですね。ま、その前にレスター戦勝てるかどうかですね。

  3. シティふぁん より:

    アザールがモウリーニョと握手拒否したとか
    せっかくこの日の試合は強さが見られただけに本当なら残念ですね

  4. makoto より:

    アスピ(ryさん>
    月曜日、レスターとの「シックスポインター」に勝てればテンション上がりますね。

    パチさん>
    昨季、最強だった時期の雰囲気が戻りつつあると思いました。レスター戦など、プレミアリーグを観てみないと確信は持てませんが。

    シティふぁんさん>
    見てるときは気がつかなかったのですが、後で記事で知りました。おっしゃるとおり、いい勝ち方だったので、残念ですね。

  5. chelさぽ より:

    クリーンシートはやはり気持ちの良いものですね。
    中盤の守備が組織的に良くなっているようなので、相手にボールを持たせても怖くない印象が戻ってきたような気がします。

    毎度コスタに対する評価が自分の中で変わりまくるのが複雑ですが、この試合では及第点でしょう。
    裏に抜け出したシーンでペレイラを迎撃できていればパーフェクトだったのですが(笑)

    ユナイテッドは残念でしたね。ELで優勝できるよう祈っております。

  6. makoto より:

    chelさぽさん>
    マティッチが完全に戻りましたね。ジエゴ・コスタに昨季のような落ち着きが出てくれば、あと足りないのはセスクの完全復調とアザールのゴールシーンです。

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