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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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助かったリヴァプール…アウグスブルクの決定力の甘さに救われ、0-0でアンフィールドへ!

いいじゃないですか!最前線にスタリッジ、その後ろにフィルミーノ、コウチーニョ、ミルナー、センターにはヘンダーソンとエムレ・ジャン。クロップ監督のチームは、ようやく揃ったベストの布陣です。ヨーロッパリーグ決勝トーナメント・ラウンド32。プレミアリーグ勢3番めの登場となったリヴァプールには、アウグスブルクの本拠地WWKアレナのゲームではあるものの、初めての勝利を期待したいと思います。コロ・トゥレとサコのCBコンビはやや不安ですが、先にゴールを奪われる展開だけは避けたいところです。立ち上がりから積極的に攻めるのはホームチーム。3分、落ち着かないレッズ守備陣を翻弄した波状攻撃は、ボバディージャが叩きつけたボレーがワンバウンドしてバーの上。8分にフォイルナーのミスパスをさらってゴール前に進んだフィルミーノの左足は、うまくミートせずGKヒッツがキャッチします。

10分を過ぎると、リヴァプールはいいときのリズムを取り戻します。コウチーニョがワンツーを仕掛けながら中に入りシュートチャンスを窺えば、ヘンダーソンは遠めから思い切りのいいミドル。12分のCKは、ゴール前で競り勝ったスタリッジがヘッドで狙うもGKの正面。サイドの守りが緩いのが気になるものの、前の選手のコンディションは悪くなさそうです。22分、中央にいたコウチーニョのスルーパスでスタリッジが最前線に飛び出したチャンスは、クラヴァンが必死に戻って足を出し、ヒッツがキャッチ。直後、アウグスブルクはチームのトップスコアラーであるボバディージャが負傷リタイアし、カイウビーに後を託します。

20分を過ぎると、リヴァプールは強引なドリブルとパスミスが目立つようになり、アルベルト・モレノのサイドで数的優位を築かれ、再三ピンチを招きます。35分、久しぶりにつかんだカウンターのチャンスは、スタリッジが遠めからシュートを打ってしまったのがもったいなかった!直後のCKからヘンダーソンが巻いたシュートは力がなく、GKが余裕をもってキャッチします。アウグスブルクの攻撃はオーソドックスなサイド突破が多く、意外性のあるパスはないので、マークを外されるようなことがなければやられないはず。怖かったのはカウンターですが、レッズはボールを奪われた後の対応が悪く、速攻に混乱させられるシーンが目立ち始めます。

45分、アウグスブルクに決定機。囲い込みの網が荒く、パスを通されて3対2のピンチになると、右のカイウビーがエスヴァインを縦に走らせるスルーパス。切り返しでコロ・トゥレをかわしたエスヴァインの左足は決まったかに思われましたが、ミニョレが素晴らしい反応を見せて失点を免れました。右からのフォイルナーの低いクロスにヴェルナーが飛び込んだラストチャンスも、間一髪ミニョレ。前半は0-0、レッズの攻撃陣は、ファーストハーフの半ばからほとんど機能していませんでした。

直前のプレミアリーグで6発大勝のチームは、後半が始まっても静かでしたが、52分に久しぶりのチャンスを迎えます。フィルミーノからのパスをコウチーニョがスルーすると、左から上がってきたアルベルト・モレノのチョイスはニアのコウチーニョ。ダイレクトのシュートはポストの左に外れますが、ようやくゴールの匂いがする攻撃が見られました。54分、フィルミーノとのワンツーでミルナーが右から突破したシーンは、触ればゴールのボールをスタリッジが足にかすらせて逃してしまいます。57分にスタリッジからのパスで右をえぐったナサニエル・クラインの折り返しはスタフィリディスがカット。リヴァプールは、コンビネーションの精度が上がってきたこの時間帯に先制ゴールを決めたいところです。

68分、スタリッジが下がり、ディボック・オリギ。71分に右からのクロスが流れてきたところで左足を振り抜いたアルベルト・モレノの強烈なミドルは、GKヒッツが右に弾きます。1分後、ミルナーがGKの目の前に出した速いボールに、オリギが飛び込むも先に触れず。75分、アウグスブルクの久しぶりのチャンスは、右からの高いクロスにフリーで走り込んだスタフィリディスがボレーを右に外してしまいます。残り10分、0-0。ヴェルナーに代えてFWチ・ドンウォンは、1点獲って勝とうという采配でしょう。ミルナーをジョーダン・アイブは、疲労を考慮した交代でしょうか。アウグスブルクからすれば、仕掛けのアイデアが多彩な7番はいちばん嫌な選手だったのではないかと思います。

86分、アルティントップが右から上がったアウグスブルクに、この試合最大の決定機。高く浮いたボールをファーサイドのカイウビーがヘッドで落とすと、迷わず放ったチ・ドンウォンの見事なボレーはポストの外に当たりました。アウグスブルクがサイドからの速いボールには対応できていたことを考えれば、ジョーダン・アイブの突破に期待するより、ベンテケをターゲットに落としを狙うような攻め方のほうがおもしろかったのではないでしょうか。0-0、タイムアップ。ヨーロッパリーグをアウェイで戦ったプレミアリーグの3チームは、2分1敗と勝利なしでセカンドレグを迎えることになりました。

決定機の数でいえばドローは妥当ですが、2時間前に試合を終えたトッテナムと比べると、エムレ・ジャンとヘンダーソンはバイタルエリアを空けすぎ、アルベルト・モレノはクロスを自由に入れさせすぎでした。プレミアリーグ2位と8位の差を感じさせた守備力の違いはあったものの、フィオレンティーナよりも明らかに劣るアウグスブルクがチャンスをうまく活かせず終わったゲームだったと思います。リヴァプールは、「惜しかった」ではなく「助かった」と捉えたほうがいいでしょう。中盤の守備を修正しないと、来週のアンフィールドでは1-1や2-2でチャンピオンズリーグ出場権への道を断たれてしまうと思います。攻撃的なメンバーで先にゴールを奪って優位に立とうとするか、ルーカスで後ろを締めて後半に勝負を賭けるか。アルデルヴァイレルトがいないクロップ監督は、難しい選択を迫られそうです。

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“助かったリヴァプール…アウグスブルクの決定力の甘さに救われ、0-0でアンフィールドへ!” への1件のコメント

  1. makoto より:

    更新ご苦労様です。
    ベストメンバーでのゲームだったので期待していたのですが、ドローでクリーンシートととは言え物足りない結果でした。
    ご指摘の通り相手のミスに再三助けられましたね。
    交代カードで違いを作ることができるララーナがいなかったのが悔やまれます。
    クリーンシートで終えたことと、次回はアンフィールドで戦えるとポジティブに考えます。

    —–
    更新お疲れ様です。

    トッテナムと違い痛いドローとなりました。
    光明はコウチーニョの調子が悪くないことでしょうか。
    セカンドレグも大事ですが、COCの決勝も見据えなければならず、クロップ監督のやりくりに期待したいです。
    中盤の守備が指摘されていますが、おそらく今のメンバーでは攻め勝つしか策はない気がします。
    ヘンダーソンは怪我の影響で、ジャンは好不調の波が激しく計算ができませんが、はまればこのメンバーが一番多様な攻めを展開できるはずです。
    来週には、ララーナとロブレンも復帰すると思うので、ELとCOCを連勝で終えたいですね。

    —–
    Mackiさん>
    ララナの存在は大きいですね。次戦、楽しみにしてます。

    nyonsukeさん>
    勝てばいいという状況なので、殴り合いに競り勝つという着地もありですね。スタリングがトップフォームに戻ってくれるといいですね。

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