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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

コンパニとオタメンディを失ったマンチェスター・シティ、激痛のCLベスト8進出!

キエフでの初戦は1-3。マンチェスター・シティは、エティハドでのセカンドレグを2失点以内に抑えれば、クラブ史上初のチャンピオンズリーグベスト8が決まります。GKジョー・ハート、両SBにサバレタとクリシー、CBはコンパニとオタメンディ。フェルナンドとフェルナンジーニョの2センターに、ダヴィド・シルヴァ、ヘスス・ナバスがサイド。プレミアリーグのノリッジ戦を欠場したヤヤ・トゥレは、アグエロの後ろでプレイするのでしょう。無難に滑り出したマンチェスター・シティは、開始4分40秒で大きなアクシデントに見舞われます。マイボールをタッチラインに出して、座り込んでしまったのはキャプテンのヴァンサン・コンパニ。どうやら、プレイ続行は不可能です。急遽マンガラを投入したホームチームは、安全運転モードで試合を再開します。

クラブが素晴らしい場所へ向かっていこうとしているのに、エティハドはプレミアリーグのスタジアムと思えないぐらい静かです。10分、マン・シティに最初のチャンス。クリシーからのクロスをフェルナンドがヘッドで逸らすと、アグエロに届けば1点というボールはドラゴヴィッチがCKに逃げます。15分、2つめの悲劇の主人公は、オタメンディ。ブアルスキーと膝をぶつけ合ったCBは、遠目に見ても明らかに足を引きずっています。23分、2人めのCBリタイア。サバレタにロングフィードを出したオタメンディはそのまま座り込み、アップをしていたデミチェリスにポジションを譲ります。

25分を過ぎ、ようやくチャントの声が高まってきたエティハドですが、マンチェスター・シティは意図的にゲームをスローに落としているのでしょうか。ピッチの上は静かなまま、30分が経過します。デミチェリスがマンガラに出した不用意なパスをさらわれたシーンはヒヤリとさせられましたが、クリシーが中をカバーして食い止め、決定的なピンチにはなりません。33分、ガルマシュのバックヘッドはジョー・ハートが飛び出してパンチ。36分のアグエロのシュートは、スリップしてしまい左に外れていきます。前半終了間際にフェルナンジーニョが前線に送ったスルーパスは、GKポクロンスキがダヴィド・シルヴァに先着してキャッチしました。両者合わせてシュートが5本しかなかった前半は、2点のアドバンテージがあるマンチェスター・シティペースといっていいのではないでしょうか。

ハーフタイムのキエフは、前線のテオドルチクをデルリス・ゴンザレスに代えてきました。49分、ヤヤ・トゥレが右からドリブルで上がり中に流すと、ガルマシュの強いバックパスをGKポクロンスキが腹でトラップして慌ててクリア。キエフにとっては危ないシーンでした。前半は最終ラインの手前まで上がってきていたフェルナンジーニョは自重気味で、アンカーのフェルナンドの横に下がり、相手の攻撃をケアしています。57分、ヤヤ・トゥレの直接FKはうまく落ちてくれません。直後にダヴィド・シルヴァ、ヤヤ、アグエロとダイレクトでつながった攻撃は、両チーム合わせて初めての決定機でしたが、右から飛び出したアグエロには角度がなさ過ぎました。シュートはゴールの前を横切り、依然として0-0です。

61分、敵陣でボールを奪取したヤヤ・トゥレが中央から上がってヘスス・ナバスに渡すと、クロスに狙ったシュートはポストを直撃。エティハドが初めて湧いた決定機でした。クリシーのミスを突いてボールを奪ったヤルモレンコの左足シュートはジョー・ハートの正面。マンチェスター・シティは、うまく試合を殺しながら70分まで辿り着きました。72分のホームチームの攻撃はきれいでした。サバレタが中にマークを連れていったことで外のヘスス・ナバスが空くと、ダヴィド・シルヴァがすかさずパス。ヘスス・ナバスは中の選手たちが厳しいと見るや、ペナルティエリアの外にいたヤヤ・トゥレにグラウンダーを通しますが、シュートはGKの正面にいってしまいます。77分、マン・シティDF陣がオフサイドを取れずに中のヤルモレンコをフリーにしてしまったシーンは、ヴィダのクロスが高く、シュートに持ち込めません。ヘスス・ナバスのロングフィードをおさめたアグエロが2人をかわし、前線に飛び出したダヴィド・シルヴァに通したラストパスは球足が長すぎ、GKのボールです。

ダヴィド・シルヴァがスターリングに代わり、残り10分。マンチェスター・シティがプレミアリーグ勢一番乗りのベスト8をつかむ瞬間が近づいています。87分、ヤヤがシドルチェクをフリーにさせてしまい、ヤルモレンコのスルーパスで右を崩されたシーンは、折り返しをもらったヤルモレンコをフェルナンジーニョが抑え、ブアルスキーのシュートはDFがブロックしました。もう、事件は起こらないでしょう。94分にヤコヴェンコが至近距離からのシュートをジョー・ハートに当てますが。これが入っても大勢は変わりません。主力が次々と倒れてしまったマンチェスター・シティは、パワーを温存しながら静かにベスト8進出を決めました。ジョー・ハートは笑顔ですが、そのほかの選手たちの表情は、納得のいくゲームではなかったためかクールです。

映像を見る限り、コンパニとオタメンディがすぐ戻ってくるとは思えません。週末のプレミアリーグはよりによってマンチェスターダービー。大事なゲームをマンガラとデミチェリスでしのげるでしょうか。サポーターのみなさんには「大変ですね」と、祝福よりも気遣いが先に立ってしまいます。マンチェスター・ユナイテッドとのシックスポインターに敗れ、スタンフォード・ブリッジのロンドンダービーでウェストハムが勝てば、マンチェスター・シティはプレミアリーグ5位に転落してしまいます。いや、それでもまずは、「初めてのチャンピオンズリーグベスト8、おめでとう!」というべきでしょう。選手たちは、冷静にミッションを遂行しました。ヴォルフスブルクかベンフィカ、あるいは現在アトレティコ・マドリードと延長戦を戦っているPSVと当たれれば、ベスト4進出も見えてきます。2人の復帰が難しければ、「CBフェルナンジーニョ」なんてどうですかね…。(ヘスス・ナバス 写真著作者/Egghead06)

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“コンパニとオタメンディを失ったマンチェスター・シティ、激痛のCLベスト8進出!” への3件のフィードバック

  1. ユナイテッド より:

    ユナイテッドにとっては朗報ですね。
    でもシティにはプレミア勢としてCLを頑張ってもらいたいのでダービーには間に合わなくともCLベスト8には間に合って欲しいです。

  2. ガナユ より:

    二人のCB抜けるとリーグ戦がかなり厳しいと思うのですが、ペップは来季CL逃してもシティに来るのは確定なんですかね?ポイントのためにもペップシティにはCLでポイント稼いで欲しいのですが、CL逃した場合は契約は破棄みたいな条項がありそうな気がしなくもないのですが

  3. tmw より:

    いつもシティ、アーセナル、トッテナムには手厳しいです…(^^;笑
    皆さん、うちより自分の機能していないチームについて気にされた方がいいと思っていると思いますが、、、

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