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コンパニ離脱、アグエロは沈黙…狙いなきマンチェスター・シティはレアル・マドリードに完敗!

初戦のシティ・オブ・マンチェスターのゲームは0-0のドロー。直後のプレミアリーグではメンバーを落としてサウサンプトンに4-2と大敗。何としてもチャンピオンズリーグを勝ちたいマンチェスター・シティは、ここで勝つことを最優先に1週間を過ごしてきました。コンパニ、オタメンディ、サニャ、クリシーの最終ラインはベストの布陣。ダヴィド・シルヴァこそいないものの、フェルナンド&フェルナンジーニョ、ヤヤ・トゥレ、デブライネ、ヘスス・ナバス、アグエロならまずまずです。サンティアゴ・ベルナベウの一戦は、開始からしばらくはアウェイのマンチェスター・シティのペース。ベンゼマ不在のレアル・マドリードは自陣にこもっており、後方からアグエロに一発で楔が入るという初戦にはなかった形が見られます。

試合をコントロールできていたマンチェスター・シティは、10分で痛いアクシデントに見舞われます。コンパニ、負傷。自らつまずいて倒れたキャプテンは、諦めの表情を浮かべてマンガラに後を譲ります。これが合図だったかのように、レアル・マドリードが攻勢に入ります。13分、カルバハルのクロスをクリスティアーノ・ロナウドがヘディングシュート。モドリッチとトニ・クロースを中心にテンポが速いパスワークが見られるようになり、マン・シティは自陣に押し込まれる時間が長くなります。

21分、先制はやはりレアル・マドリードでした。カルバハルの縦パスで右から抜け出したベイルは、オタメンディが残っていたためにオフサイドの旗は上がらず。右足のシュートはフェルナンドに当たって浮き上がり、ジョー・ハートの頭上を越えて左のポストの内側を叩いてゴールに吸い込まれます。23分には、マルセロとイスコが絡んで左サイドを崩し、最後はクリスティアーノ・ロナウドのボレー。コンパニの統率がなく、ヤヤ・トゥレが歩いているマン・シティが1失点で抑えられるとは思えません。ヘスス・ナバスが右から入れる高速クロスしか攻め手がなく、パスまわしが大味なチームは、モドリッチのパスに翻弄される姿が目立ちます。36分には、レアル・マドリードに追加点のチャンス。FKに飛び出したペペが中に落とし、セルヒオ・ラモスがゴールにプッシュしますが、今度はラインズマンの旗が上がってマン・シティは命拾いします。

前半終了間際に、マン・シティにようやく決定機が訪れました。デブライネのパスを受け、左から中に持ってコースを創ったフェルナンジーニョが強烈なシュート。ボールはニアポストの外に当たり、惜しくも同点はなりません。1-0で終わった最初の45分は、プレミアリーグで何度も見た「悪いときのマンチェスター・シティ」。デブライネはつなぎ役に終わり、ヤヤはジョギングをしているだけ。アグエロにシュートチャンスはなく、レアル・マドリードに先にゴールを奪われれば、ペジェグリーニ監督のチームのチャレンジはそこで終わるでしょう。

マンチェスター・シティのポゼッションが上がり、レアル・マドリードはカウンター主体。50分、ベイルのロングパスがクリスティアーノ・ロナウドにピタリと合い、左足のシュートがジョー・ハートを襲うもうまく当たらずにゴールはなりません。52分、ベイルの浮き球に、最前線に残っていたモドリッチがフリー。GKとの1対1は、トラップをミスしたモドリッチがジョー・ハートにぶつけてしまいます。さらに2分後、カルバハルがゴールライン際から上げたクロスをクリスティアーノ・ロナウドが強烈なヘディングシュート。これはコースがやや甘く、GKがキャッチしますが、このままでは2点めは早晩入りそうです。59分には、モドリッチの縦パスで右から抜けたクリスティアーノ・ロナウドの右足。イングランド代表GKの的確なリアクションがなければ、勝負は既に終わっていたでしょう。

ジダン監督はヘセをバスケス。ペジェグリーニ監督はヤヤを諦め、スターリング。64分には、クロースのCKにベイルのヘッドがバーを直撃。67分にイスコに代わったハメス・ロドリゲスは、ゴールを奪って試合を決めるのがミッションです。マン・シティの当面の目標は、シュートを打つこと。ペジェグリーニ監督の最後のカードは、ヘスス・ナバスをイヘアナチョです。直近のプレミアリーグで2試合4ゴールの19歳は、大舞台で結果を出すことができるでしょうか。

マン・シティは相手を焦らせることすらできないまま、残り10分を切りました。84分に角度のないところから狙ったデブライネのFKは、外からサイドネット。ジダン監督は、モドリッチをコヴァチッチで1-0フィニッシュを目論みます。89分、ようやくアグエロがシュート。スターリングの落としを狙ったミドルはわずかにバーの上を越えていきます。足を痛めたGKケイロス・ナバスにミドルを見舞うこともなく、逆にバスケス、コヴァチッチ、ハメス・ロドリゲスにカウンターで脅かされて、マンチェスター・シティは6分の追加タイムを消費。ゴールの歓喜なきまま、チャンピオンズリーグの舞台から去ることになりました。

シュート数15対4が、ファイナル進出にふさわしいのはどちらだったかを物語っています。ヘスス・ナバスとスターリングの単独突破頼みのマンチェスター・シティの攻撃には、意図が感じられませんでした。イヘアナチョを投入しても、ボールが出てこず業を煮やしたアグエロが中盤まで下がってきてしまっては、厚みのある崩しもクロスに競ってこぼれ球を狙う形も取れません。コンパニ離脱というアクシデントが痛かったのは確かですが、手なりで攻めていた前線のアイデアのなさのほうがより気になりました。水色のユニフォームを纏ったヤヤ・トゥレをこの舞台で見るのは、今日が最後だったのかもしれません。欧州トップレベルの大会で、プレミアリーグ勢がスペインのクラブに勝つのは、もう少し先の話になりそうです。それでも、その下のクラス同士なら、まだ戦えるのかどうか…その答えを明日のリヴァプールに問うてみたいと思います。

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“コンパニ離脱、アグエロは沈黙…狙いなきマンチェスター・シティはレアル・マドリードに完敗!” への2件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    1stレグもそうですが点差以上に実力差が見える試合内容で、覇気と言うか必死さが感じられないのが残念でした。
    ペップ就任でどう変わるかに期待したいと思います。

  2. シティふぁん より:

    ヤヤはもう限界ですが他に選択肢はなかったと思います
    ボールを運べないのでアグエロが下りて来てカウンターもできませんでした
    勝てば決勝なのに無気力のような戦いぶり
    良かったのはハートだけこれでは決勝に進めないでしょう

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