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ブラボ痛恨の退場…メッシにハットトリックを決められ、マンチェスター・シティは4-0撃沈!

プレミアリーグ首位クラブがバルセロナと戦うこのゲームは、今シーズンの欧州トップクラスとプレミアリーグとの距離感を測れる楽しみな一戦。ロッカールームからピッチに続く通路で、ペップ・グアルディオラとルイス・エンリケが熱い抱擁を交わしています。チャンピオンズリーググループステージ第3節、バルセロナVSマンチェスター・シティ。最近3試合勝利なしのペップは、アグエロをベンチスタートとする思い切った布陣を組んできました。GKブラボ、サバレタ、コラロフ、オタメンディ、ジョン・ストーンズはいつものメンバー。アンカーにフェルナンジーニョ、ギュンドアンとダヴィド・シルヴァが左右に入り、ノリート、スターリング、デブライネが前線です。デブライネを中央に配したゼロトップか、スターリングをCBの前に置いてカウンターを狙うのか。MSNとマスチェラーノ、ラキティッチ、イニエスタ、ブスケッツが揃うバルサともども、満を持してキックオフを迎えます。

ネイマールの突破を止めた後の3分、ダヴィド・シルヴァとのワンツーでスターリングが右サイドを突破すると、逆サイドから上がったデブライネへのアーリークロスはGKシュテーゲンが飛び出してキャッチ。デブライネの右からのクロスは、ノリートに届かずマスチェラーノがクリアします。右からドリブルで上がったスターリングのシュートはDFに当たって枠にいかず。序盤はマンチェスター・シティが攻勢です。9分、バルサにアクシデント。足を痛めたジョルディ・アルバが無念の表情でピッチを去り、代わって入ったのはデュネ。10分を過ぎると、バルサのプレスが厳しくなり、マン・シティは徐々に自陣から出られなくなります。

17分、先制はホームチームでした。右サイドでメッシのパスがコラロフにカットされると、SBに入っているマスチェラーノがすかさず奪い返してメッシが中に持ち込み、前線に出てきたイニエスタにパス。メッシへのリターンはフェルナンジーニョがクリアすると思いきや、痛恨のスリップでメッシにさらわれ、ブラボまで抜いた10番が何なくゴールに流し込みました。フェルナンジーニョがピッチに横たわった瞬間、メッシに付いていたオタメンディの足が止まったのも痛恨でした。1-0、プレミアリーグでは先制されると苦戦必至のチームは、早い時間に追いつきたいところです。

20分にもメッシ、ネイマール、スアレスの連携からピンチに陥ったアウェイチームは、立ち上がりで見せたような速い攻撃に入れません。ウムティティからのロングボール1本でネイマールとブラボが競り合ったシーンは、いつものマン・シティには見られない最終ラインの軽さです。31分、メッシのFKに合わせたラキティッチのヘッドは左にアウト。マン・シティのフォーメーションは、最終ラインがプレスに押されるために間延びが目立ち、両サイドにいいボールが入りません。37分、ようやくデブライネが右サイドをえぐりますが、速いグラウンダーが持ち味の名手が珍しくキックミスしてしまいました。その1分後、ようやくアウェイチームが決定機をつかみます。左のノリートが粘って後ろに落とすと、ギュンドアンがピケを抜き去ってゴール前に飛び出し右隅にシュート。足元に転がせば決まっていたと思われる一撃は、シュテーゲンが左に手を伸ばして弾き出し、同点はなりません。

ダヴィド・シルヴァのタックルで足を痛めていたピケは、痛みに耐えて15分プレイしましたが、限界でしょう。早くも2枚めのカードを強いられたルイス・エンリケ監督は、39分にマテューをピッチに送り出しました。43分の左CKは、ノリートがクイックに蹴ってギュンドアンがニアでフリーになりますが、クロスをコントロールできずにクロスバーを越えてしまいました。45分に左から蹴ったダヴィド・シルヴァのFKは、ジョン・ストーンズのフリーのヘッドが右にアウト。メッシの縦パスをスアレスが振り向きざまに打った決定的なシュートは、ブラボが足に当ててピンチを逃れます。前半は1-0。ポゼッションは53対47でバルサが上回っているものの、最初と最後の10分は、マン・シティがプレミアリーグ首位クラブらしい鋭い攻撃を見せており、シュート数では7対3と勝っています。後半、ペップのチームが追いつけば、勝負はまったくわからなくなります。

後半開始直後、スターリングの縦パスでフリーになったデブライネのクロスに、いつもならニアに飛び込んでくるアグエロの代役はいませんでした。直後、サバレタのパスで同じところに入ったデブライネは、今度はシュートをシュテーゲンにキャッチされます。マンチェスター・シティが優位だった53分、ブラボが痛恨のミスをしてしまいました。後方からのロングフィードにボックスを飛び出したGKは、スアレスにパスしてしまい、頭を越えるシュートを手で止めてレッドカード。ペップはノリートを下げてカバジェロ、同時に負傷したサバレタもクリシーにチェンジするという苦渋の決断を迫られます。ラインを下げた10人のチームが、自陣で奪われるとこうなるという見本が61分の追加点でした。イニエスタのパスを左足で決めたのは、またもメッシ。マン・シティにとっては、2点は絶望的なビハインドです。

64分、ハーフライン付近でボールを奪ったギュンドアンがデブライネを走らせると、前が空いたベルギー代表MFの渾身の一撃はシュテーゲンがセーブ。69分、今度はギュンドアンがジョン・ストーンズへのバックパスをミスして、スアレスにさらわれてしまいます。2対1となっては勝負あり。中にいるのはよりによってメッシです。カバジェロの逆をついたシュートが左隅に決まり、3-0。ハットトリックを達成したメッシは、チャンピオンズリーグ51試合で51ゴールというハイペースです。74分、スターリングの足を削ったマテューは、2枚めのイエローで退場。35分の途中出場で2枚はいただけません。86分にクリシーを抜き去ってコラロフに倒されたメッシがPKをもらいますが、カバジェロがネイマールをストップ。しかしネイマールは、終了1分前にメッシのパスを受けてジョン・ストーンズを軽くかわし、右足インサイドで4点めを流し込みます。4-0、タイムアップ。退場者が出て壊れてしまった典型的なゲームでした。

スリップとバックパスで獲られた2点は事故、もう2点は10人という特殊な状況で獲られたものと割り切って、週末のプレミアリーグ、エティハドでのサウサンプトン戦に集中すればいいのではないでしょうか。アグエロを外したペップのギャンブルは空振りでしたが、それでも前半はいい攻撃がいくつかあり、ホームゲームでは勝利を狙えると思います。両者の駆け引き、戦術を楽しみたかったのですが、退場者2名、負傷者3名、アクシデントだらけ、オープンすぎたラスト30分と大変なゲームになってしまいました。マンチェスター・シティのみなさん、めざすサッカーは悪くないと思います。早く忘れてください。(クラウディオ・ブラボ 写真著作者/Clément Bucco-Lechat)

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“ブラボ痛恨の退場…メッシにハットトリックを決められ、マンチェスター・シティは4-0撃沈!” への1件のコメント

  1. makoto より:

    ペップなのでバルサに勝てるかもと期待してました
    シティはパスミスが多くて、良かったところがほとんどありません
    決勝トーナメント進出してほしいですがこのままてまは・・・

    —–
    シティふぁんさん>
    決勝トーナメント進出を外すことはないでしょう。ミスが多かったのは確かですが、前半の終盤などはバルサを押し込むシーンもあり、今後よくなる可能性を感じました。いずれにしても、アグエロはほしかったですね。普段通りのマン・シティを観たかったです。

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