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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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痛恨のパスミス…流れを引き寄せたマンチェスター・シティが、デブライネのFKでバルサを逆転!

MSNを揃えてきたバルサに対して、プレミアリーグ首位チームも勝ちにいっています。チャンピオンズリーググループステージ第4節、マンチェスター・シティVSバルセロナ。バルセロナとのアウェイゲームを4-0で大敗したこともあり、グループCの1位通過は厳しい状況ですが、この試合に敗れるとボルシアMGに上にいかれる可能性が高く、ドイツで勝てなければ敗退となってしまうかもしれません。グループ2位以内を確保するべく勝ち点3をゲットしたいゲーム。ペップ・グアルディオラ監督のスタメンは、GKカバジェロ、DFサバレタ、コラロフ、ジョン・ストーンズ、オタメンディ。アンカーにフェルナンジーニョが入り、その脇にダヴィド・シルヴァとギュンドアン。前線にはスターリング、デブライネとカンプ・ノウでは欠場したアグエロです。前節の退場でサスペンデッドのブラボと、ベンチスタートとなったノリートを欠く以外は申し分のない顔ぶれ。プレミアリーグのWBA戦で久々の勝利を挙げた勢いを、そのまま持ってきたいところです。シティ・オブ・マンチェスターのゲームは、現地時間で11月1日19時45分にキックオフです。

両者とも攻める気満々の立ち上がり。プレミアリーグなら敵陣で追いかけまわすマンチェスター・シティも、相手がMSNでは自陣で受けざるをえません。11分、アグエロが右サイドで2人をちぎってドリブルで持ち込むと、グラウンダーを受けたスターリングがボックス入り口で転倒。PKかと思いきや、カードをもらったのはダイブと見做されたアタッカーのほうです。バルサは余裕をもってパスをまわしてはいるものの、攻撃の糸口がつかめずにいます。20分、左からのダヴィド・シルヴァのFKがサバレタに通り、折り返しを中のアグエロが狙うと、DFのチェックに阻まれます。ここからでした。ロングフィードが左のネイマールに通ってカウンター発動。ボックスの外まで上がったネイマールが丁寧なインサイドで中にラストパスを入れると、中央を突っ切ってきたメッシがワンタッチでGKの前に出て、左隅に叩き込みました。近くにいたデブライネとダヴィド・シルヴァは、まったくメッシを見ておらず、2対1になってしまっては失点も当然です。衝撃の0-1。ペップのチームは、シティ・オブ・マンチェスターで前回のような結果に終わるわけにはいきません。

リードした後、ペースを落としたバルサに対して、余裕がないマン・シティ。開始当初は勢いがあった好調スターリングも切り返しを奪われるなど、得意の形に持ち込めません。33分、左を崩され、グラウンダーがネイマールに通ると、フェイントに振られることなく足元に入ったマン・シティ守備陣がシュートチャンスをつぶします。メッシのFKのクリアを叩いたアンドレ・ゴメスの一撃はジョン・ストーンズが弾き返し、左サイドに上がったボールをメッシがダイレクトで折り返した決定機は、スアレスのヘッドが右にアウト。プレミアリーグ首位とリーガ・エスパニョーラ2位の間には、点差以上の実力差が感じられます。ところが38分、セルジ・ロベルトが自陣で痛恨のパスミス。中央で拾ったアグエロが右のスターリングに流すと、ファーサイドに走っていたギュンドアンがラストパスを労せず蹴り込みました。これで流れが変わったか。42分、敵陣でインターセプトに成功したフェルナンジーニョが左のダヴィド・シルヴァを走らせ、折り返しを左足でシュート。ゴール前を横切るボールにアグエロは触れません。前半は1-1。マン・シティがリードを奪えば、ゲームは俄然おもしろくなります。

46分、ブスケツのボールをフェルナンジーニョが奪い、パスを受けたアグエロが右のスターリングに落とします。前にシュテーゲンしかいない絶好機にスターリングはトラップをミスしてしまい、焦ったシュートはサイドネット。バルサ相手に、こういうチャンスを逃してはいけません。しかし50分、ダヴィド・シルヴァがブスケツに倒されて得た中央からのFKを、デブライネが見事なキックでゴール右上に突き刺します。マンチェスター・シティ、逆転!デブライネは、この2分後にも右から危険なFKを入れ、オタメンディがコンマ1秒早ければゴールというチャンスを演出しました。

リードされて目の色を変えると思われたバルサは、まだ押し返せません。ブスケツは珍しくボールロストとファールが多く、56分にダヴィド・シルヴァが左から入れたFKは、アグエロのヘッドがわずかに左。マン・シティは出足のよさで相手のチャンスの芽を摘んでおり、オタメンディは最前線まで走ってチェックしています。ペップの1枚めは、フェルナンジーニョをフェルナンド。インターセプトが光っていたアンカーは、負傷したのでしょうか。ルイス・エンリケ監督は、62分にラキティッチをアルダ・トゥランです。63分にダヴィド・シルヴァが仕掛けたカウンターは、コラロフのきわどいグラウンダーにデブライネがわずかに届きません。

65分、プレミアリーグのセインツ戦でバックパスをさらわれたジョン・ストーンズが、またもやってしまいました。敵陣まで追いかけたCBは、よりによってバックパスをスアレスへ。オタメンディが股抜きで置き去りにされ、スアレスの優しいグラウンダーがノーマークのアンドレ・ゴメスに出ると、決まったかと思われたボレーはクロスバーに弾かれます。致命的なミスの応酬でスコアは変わらず2-1。スターリングがドリブルで上がったカウンターは、デブライネのシュートが右ポストをかすめ、アグエロとギュンドアンが粘って持ち込んだ3対3のチャンスは、左のダヴィド・シルヴァが打ちきれません。残り20分、完全なるマンチェスター・シティペース。リードした後半に自陣に引き、カウンターを繰り出す戦い方は、プレミアリーグ開幕から勝ち続けてきた彼らのスタイルです。

71分、スターリングをヘスス・ナバス。3分後には、代わったばかりのサイドアタッカーの見事なラストパスで、マンチェスター・シティがとどめを刺します。アグエロからボールをもらったデブライネが、ヘスス・ナバスを走らせるスルーパス。速く低いクロスはアグエロの後ろに出てしまいますが、何とかボールを体に当てたエースの後ろにはギュンドアンがいました。ドフリー、シュート、3-1!バルサは反撃に出るも、メッシのFKは壁に当たり、ずっと消えていたネイマールはいい形でボールを持てません。後半のアウェイチームは、枠内シュートを1本しか打てませんでした。執拗なプレスで試合の流れを変え、カウンターで最後の45分を支配したマンチェスター・シティが、バルサ相手に3-1で完勝しました。

1本のパスが、試合の流れを変えてしまいました。前半は苦しそうだったマンチェスター・シティは、ダヴィド・シルヴァが左、デブライネを中央とした後半は別のチーム。しつこいプレスと速攻が見事にはまり、バルサを沈黙させました。ミスを突いた同点ゴールも大きかったのですが、展開を決定づけたのはデブライネの美しいFKでしょう。前半は怖くなかった17番を完全に目覚めさせてしまったのが、バルサの最大の失敗だったと思います。ボルシアMGが引き分けたために、マン・シティは次戦、ドイツで勝てばグループステージ突破決定です。

スターリングが倒されたときも、デブライネのFKが決まったときもリアクションがなかったペップが、ギュンドアンのゴールで初めてガッツポーズ。その姿を見たとき、指揮官かくあるべしと思いました。最後のゴールで、初めて「この試合はもらった!」と確信したのでしょう。騒ぐべきでない場面では己を律することができるこの勝負師は、試合のターニングポイントをよくわかっています。いや、素晴らしい。

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“痛恨のパスミス…流れを引き寄せたマンチェスター・シティが、デブライネのFKでバルサを逆転!” への4件のフィードバック

  1. シティふぁん より:

    後半はシティがやりたい放題でしたね
    ギュンドアンがかなりフィットしてきてます
    バルサに勝てる日が来るとは!!!
    あの連敗を乗り越えたかな?

  2. ぐら より:

    コラロフ良かったですね
    攻守に上手い具合に絡んでました

  3. たなか より:

    デブライネを中央にまわしたのが良かった。あれでカウンターの脅威度がだいぶ増しましたね。

    失点シーンはギュンドアンのチェックも甘かったかなと。
    他にも軽いと感じるシーンが多いし、シルバもデブライネも昨シーズンに比べたら守備に対する意識大分変わってるので、彼ももうちょい激しくいけるようになるとシティは更に強くなりそうですけどね。

    —–
    シルバとデブライネのポジションを変えただけで全くの別チームになりましたね
    そしてあの時間帯でのナバスは脅威になれます
    フェルナンドも与えられたタスクをしっかりこなしていました
    いい勝利!

  4. makoto より:

    シティふぁんさん>
    デブライネがキレキレでした。ギュンドアンも、よかったですね。明け方に絶叫を我慢するのは体に悪そうです(笑)

    ぐらさん>
    うまくバランスを取っていた印象です。昨季よりいいですよね。

    パチさん>
    ポジションチェンジは的中でしたね。ギュンドアンはまだまだこれからではないでしょうか。

    たなかさん>
    いい勝利でした。フェルナンドは、昨季は入ると攻撃力を落としてしまっていたのですが、今季は周囲の動きも変わってより機能するようになったと思います。

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