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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

コシールニー負傷で守備が崩壊…バイエルンに4発喰らったアーセナルはジ・エンド!

バルセロナがパリに4-0で惨敗するという衝撃のスタートとなったチャンピオンズリーグのラウンド16。プレミアリーグ勢の先陣を切るのは、強敵バイエルン・ミュンヘンの本拠地アリアンツ・アレナに乗り込むアーセナルです。GKにオスピナをチョイスしたヴェンゲル監督は、最終ラインにベジェリン、ムスタフィ、コシールニー、ギブスを起用。ジャカとコクランの2センター、チェンバレン、イオビ、エジルが2列め、最前線には17ゴールでプレミアリーグ得点王レースのトップを走るアレクシス・サンチェスです。最初の目標は、先にアウェイゴールを決めること。ロッベンとドゥグラス・コスタ、レヴァンドフスキが織りなす速攻には要注意です。

4分、ベジェリンとチェンバレンが右サイドでワンツーを決め、アレクシス・サンチェスが逆サイドに展開したボールをイオビがシュート。アーセナルは悪くない立ち上がりです。5分を過ぎるとバイエルンがボールを支配し、ガナーズはバイタルエリアを埋める守備を余儀なくされます。7分、右から入ったボールをトラップしたビダルが、左足で強烈なシュート。オスピナががっちりキャッチしますが、アウェイチームの守備陣はコースを開けてはいけません。11分、さっそくロッベンにやられてしまいました。左サイドからドリブルを開始したオランダ人アタッカーは、マークについたコクランを気にせず、中央に持ち込んで左足一閃。カーブをかけたシュートが左のサイドネットに向かい、オスピナの右手は届きませんでした。ロッベンは15分にもレヴァンドフスキがカットされた後のボールを奪い返して、ミドルシュート。これはオスピナが正面でキャッチしますが、アーセナルは獲ったボールを大事につなぎたいところです。

1-0となった後、20分を過ぎてもアーセナルはハーフラインを越えられません。前線から追いかけるアレクシス・サンチェスは、プレスをかけろと味方を煽っています。27分、アレクシス・サンチェスがボックス右でもらったFKは、エジルのシュートをノイアーがファンブルするも、すかさずラインズマンがフラッグを上げています。ようやくチャンスが創れるようになった30分、ガナーズはCKを活かして貴重なアウェイゴールを奪いました。コシールニーをレヴァンドフスキが引っかけてPK。アレクシス・サンチェスが左に蹴ったボールはノイアーがストップしますが、これに反応した7番はボレーを空振りした後、落ち着いて胸でトラップすると右足でクロスに叩き込みました

同点にされたバイエルンは、再度スイッチを入れて猛攻を展開。36分にティアゴが後方からロングボールを入れると、追いついたビダルがつま先で折り返し、レヴァンドフスキがヘディングシュート。至近距離からのフリーの一撃が浮いてくれて、オスピナは助かりました。40分、エジルのインターセプトからの速攻は、右のアレクシスが縦に出してチャンバレンを走らせ、グラウンダーに走り込んだジャカのボレーはノイアーの正面。強さは充分でしたが、コースを狙えませんでした。プレミアリーグではボールを支配するのが当たり前のガナーズは、意図的に引いているのではなく完全に押し込まれています。

43分、ドゥグラス・コスタとのワンツーでアラバが左サイドを突破すると、クロスはレヴァンドフスキにぴったり。ジャンプは余裕がなく、ボールは右に外れますが、相手のエースにノーマークで打たせてはいけません。44分の左からのFKは、シャビ・アロンソがファーから走り込んだフンメルスに合わせるも、ヘディングシュートは右にアウト。終了間際に敵陣でボールを奪取したアーセナルは、アレクシス・サンチェスのスルーパスでエジルがノイアーと1対1になりますが、角度が厳しく左足シュートは守護神が足でブロックします。1-1でハーフタイム。アウェイチームとしては、上々の折り返しです。プレミアリーグ得点王がアウェイゴールを決めたガナーズは、ジルーを出さなくてもいい展開でタイムアップを迎えたいものです。

後半開始から3分、アーセナルをアクシデントが襲います。ハムストリングか、コシールニーをガブリエウにチェンジ。52分、浮き球をダイレクトで入れたアラバのクロスはレヴァンドフスキが打ち切れず。しかしその1分後、ラームのクロスに飛んでムフタフィに競り勝ったバイエルンのエースは、打点の高いヘッドを右隅に叩きつけました。さらに56分、シャビ・アロンソの縦パスをレヴァンドフスキがヒールで流すと、斜めに走り込んだティアゴ・アルカンタラがフリーでオスピナの脇を抜きます。あっという間の3-1。アーセナルの最終ラインは、レヴァンドフスキを再三フリーにしています。

60分、ガブリエウがレヴァンドフスキを見失ってしまい、オスピナとゴールライン際で1対1。GKをかわした9番のシュートはバーに当たってピッチに戻り、ロッベンがフォローするもギブスが体を張ってブロックします。CKを叩いたハビ・マルティネスのヘッドはオスピナがビッグセーブで阻んだものの、次のCKのこぼれ球をティアゴがボックスの外から狙うと、ジャカの足に当たってコースが変わったボールまでは止められませんでした。4-1、しかしまだ25分あります。次のゴールを決められれば、エミレーツのセカンドレグで勝負できます。68分、ビダルのロングシュートはオスピナがセーブ。イオビをウォルコットに代えたアーセナルは、まだ押されています。

77分、コクランが下がってジルー登場。81分、右サイドからのラームのグラウンダーがニアのロッベンに入ると、右足のシュートはオスピナが外に弾き出します。82分、カットされたボールをすぐ取り返したバイエルンは、右から中に斬り込んだドゥグラス・コスタが左足シュート。外から巻いてくるいい弾道でしたが、またもオスピナがセーブします。キミッヒ、トマス・ミュラー、ラフィーナを投入したアンチェロッティ監督は、このまま逃げ切ろうとしていただけだと思われますが、88分にチェンバレンがビルドアップのボールを取られてしまい、入ったばかりのトマス・ミュラーに決められました。これで、終わりでしょう。プレミアリーグでも低調だったアーセナルは、手もなくバイエルン・ミュンヘンに完敗しました。

前半をポゼッション27%で終えたガナーズは、ホーム&アウェイのリアリティが足りませんでした。コシールニーを失った後は、高さで対抗できるジャカを最終ラインに吸収されるぐらいまで下げて、「1点獲られても、2-1でエミレーツに戻れるならOK」と失点を防ぐ戦い方に徹するべきだったと思います。力の差があったのは確かですが、4点差にされたのは戦術の問題でしょう。アーセナルのチャンピオンズリーグは7年連続で3月上旬に終わり、いつものようにプレミアリーグで来季の出場権を確保しにいくしかなくなりそうです。

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“コシールニー負傷で守備が崩壊…バイエルンに4発喰らったアーセナルはジ・エンド!” への8件のフィードバック

  1. おはむ より:

    定位置確保ですね

  2. ヤンガナ大好き! より:

    完敗でした。マコトさんがおっしゃるようにアウェイゲームなのでカウンターに徹するべきだったと思います。そもそもスタメンにエルネニーでなくジャカ、ジルーでなくイゥオビを使った時点で戦術が不確かでした。

    別の記事で書かれていた今期のガナーズがプレミア上位対決に弱いこととも関係しますが、昨年まで機能していたプランBの引いて守ってカウンターが今期全く見られていません。この試合こそ使って欲しい戦術でした。それにしても守りの要、コシールニーも失うとは痛すぎますね。

  3. ぐら より:

    こういう展開の試合でこそルーカス・ペレスが観たかったです

  4. ミハル より:

    チェルシー戦よりも酷いくらい
    実力差を感じました。ヴェンゲル監督は
    好きですが、もはや別れのときなのかもしれません。
    もちろん監督だけではなく、選手にも大きな問題がある。
    ユナイテッドの二の舞になってでも、
    チームを作り直す事がいいのかもしれない。
    とても悲しいエンディングです。

  5. Davinci より:

    恐らく無策ではないはずですが、割り切った戦い方が出来ないところが痛いところですね。
    チームとしてもテンションが下がっていたので勝ち目は薄いだろうとは思ってましたが
    ホームに希望くらいはもてる展開にしてほしかったです…。

    カソルラがちゃんとプレーできる状態で見てみたかったという思いはありますが、
    なんとなく今季でベンゲル勇退してしまいそうだな、と思ってしまった内容でした。

    —–
    早速の更新、ありがとうございます。
    正直なところ、スタメン見た時から「なんじゃこりゃ?」みたいな感じでした。
    ハル戦で右に移った途端機能しなかったチェンバレンを同じ右にすえ、復帰後
    調子が良くないコクランを引き続きセンターに置いてました。さらに言えば、
    守備力と攻撃の効率を考えると、右SBはモンレアルのはずなのにギブスだし。
    攻めるのか守るのか、明確なメッセージが内外に示せない布陣と思いました。

    で、結局中途半端なまま推移して激痛のコッシー交代を合図に、守備が崩壊
    しました。ガブリエルは、加入後2年も経つのに上向く気配が全くないので、
    正直今後も期待薄です。

    最近、テレビ観戦中には愚痴しか出てこなくなりました。キープレイヤーが
    離脱すると、全てが格段にレベルが落ちるのをなんとかするには、指揮官を
    替えて、選手の獲得・放出を非情に行える人じゃないと難しいんですかね・・・。

    —–
    シーズン後のヴェンゲルの決断に影響を与えるであろう決定的な敗戦でした。
    チェルシー戦の傷もまだ癒えない時期のこの大敗はさすがに堪えます。
    例年はCLの敗退(今季はまだ決まってませんが笑)
    から立て直して4位以内を確保 していましたが今季はちょっと不安です。

  6. だしまる より:

    更新ご苦労様です。

    悲しい敗戦です。毎年の様に第2戦を待たずに敗退が決定的になるのは厳しいですね。

    私はこの事実をもってしてもアーセナルがベンゲルを見切るとは思いません。もっと言えば
    プレアミアの順位が何位でもアーセナルからベンゲルを見切ることはないと思っています。
    ベンゲルがアーセナルを去るのは唯一ベンゲル自身が辞意をクラブに伝えた場合でしょう。
    そしてそれは・・・既に起こっていると私は考えています。もちろん私見ですがベンゲルは
    監督業からの引退も視野に入れながらアーセナルを今夏に去ると考えています。オファーが
    あれば監督業を続けるでしょう。そして・・・私の予想では行き先はパリです。

    長らくただの監督ではなかったベンゲルがアーセナルを去れば誰が新監督でも苦労するとは
    思います。それでも・・・リスクを背負って決断する時ではないかと私は思います。

    —–
    これは、ベンゲル監督・選手・サポーターと三者揃って心が折れる厳しい敗戦です。
    次のホーム戦の面白ささえ失う程の完敗ですからね。

    仰る通り、コシールニーを失ってからの崩れっぷりがいただけません。

    にしても、ウインターブレイクの無いプレミアリーグ勢はCLで不利とはいえ、
    ここまで点差・チーム力に開きがあるものでしょうか。

    プレミアで勝つための戦術・チーム。
    CLで勝てるチームは違うとしか思えません。

    ベンゲル監督退任前に、プレミアよりもCLの優勝を目指して戦うシーズンを
    送っていただきたいものです。

    二位ではダメなんです。「伝説のシーズン」を作って、
    いつまでも語り継がれるチームにしていきましょう。

    ベンゲル監督の今後には、賛否両論あるでしょうけど、
    CL優勝かプレミア優勝を花道に勇退を望みます。
    (それができれば、苦労しませんね(T_T))

    無敗優勝は、もう遠くになりにけりです。

  7. 朱大砲 より:

    戦術家でもなく策士でもないベンゲルにプレミアかCL優勝させるなら最低でも300億くらいは投資しないと厳しいでしょうね。
    コシエルニーがいなくなってから…と言ってますが、普通に試合通して90分間ずっとボコボコにされてましたよ。

  8. プレミアリーグ大好き! より:

    ヴェンゲルが好きでヴェンゲルでリーグ、CL優勝が見たいと思っていましたがもうお別れした方がいいのかもしれません
    1点取った時点でしっかりと引いて守ってエミレーツに帰還すればいいのになんの策も取らずやられ放題、そして決壊するというここ最近よく見る展開でした

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