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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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完全なる勝ちゲームだった…一瞬の隙を突かれたリヴァプールは痛恨のドロー発進!

クロップ監督就任後、初めてのチャンピオンズリーグが幕を開けました。プレミアリーグ4節でマンチェスター・シティに5-0と惨敗したリヴァプールは、欧州最高峰の大会に気持ちを切り替えて臨めるでしょうか。アンフィールドで行われる初戦の相手は、難敵セヴィージャ。2年前のヨーロッパリーグ決勝で敗れた相手に、雪辱を果たしたい一戦です。クロップ監督の11人は、現状のベストといっていいでしょう。GKロリス・カリウス、DFジョー・ゴメス、マティプ、デヤン・ロブレン、アルベルト・モレノ。ヘンダーソンがアンカーに入り、左右にワイナルドゥムとエムレ・ジャン。3トップはサラー、マネ、フィルミーノです。試合開始早々から、リヴァプールがゲームの主導権を握っています。プレミアリーグでレッドカードを喰らったばかりのマネは、ここで結果を出したいところです。

2分のエムレ・ジャンのミドルはGKリコがキャッチ。4分のヘンダーソンのシュートはDFがブロック。押していたレッズですが、5分という早い時間に失点を喫してしまいます。ジョー・ゴメスをかわしたエスクデロのグラウンダーは、デヤン・ロブレンがクリアしなければならないボールでした。CBが空振りして背後に流れると、イェデルはインサイドで触るだけ。0-1とされたホームチームは、まずは落ち着かなければなりません。10分、右サイドを完全に抜け出したサラーが走り込んできたマネにラストパス。ダイレクトで放った強烈な一撃は、リコがセーブしました。CKからのフィルミーノのヘッドは、わずかにバーの上。リヴァプールが一方的に攻める時間が続いています。

18分、リヴァプールが同点に追いつきました。アルベルト・モレノとヘンダーソンのワンツーで左SBが完全に抜け出し、ラストパスをニアでフリーのフィルミーノが難なくプッシュ。ヘンダーソンのエクセレントなパスが出た瞬間、約束されたゴールでした。勢いに乗ったレッズは、23分にもサラーを起点に速攻開始。マネのラストパスで左からボックスに入ったエムレ・ジャンは、リコと1対1になりながらも左足のシュートをクロスに外してしまいます。33分のエムレ・ジャンのミドルも、CKの後のワイナルドゥムの一撃もゴール前の渋滞につかまり、攻め続けるレッズは勝ち越しゴールを奪えません。しかし36分、プレミアリーグファンにおなじみのエンゾンジがボックス手前でサラーにインターセプトされてしまい、迷いなく放った11番のミドルがケアーに当たってリコの逆を突きました。

さらに41分、アルベルト・モレノがヘッドで送ったボールにマネが反応し、左からボックスに持ち込むと、パレハが後ろから羽交い絞めにしてイエローカード。PKを蹴ったフィルミーノはリコとの駆け引きに勝利しながら、右のポストにぶつけてしまいます。前半終了間際に、セヴィージャのピサロが痛んでサラビアにチェンジ。右から突破したワイナルドゥムのグラウンダーはニアのマネに通らず。追加タイムのレッズのカウンターは、フィルミーノのラストパスを受けたアルベルト・モレノの強烈なシュートをリコがセーブしました。前半は2-1。リヴァプールは優位をキープしたまま、追加点を奪いたいところです。

プレミアリーグでは縦への突破が怖かったヘスス・ナバスは、今日は何もさせてもらえません。48分に左サイドを突破したコレアのラストパスは、今度はデヤン・ロブレンがシュートを許しません。最初の5分はセヴィージャペース。獲った後のボールを味方につなげなかったレッズは、徐々に自分たちの戦い方を思い出し始めています。56分にマネが左からドリブルで仕掛けると、中央に流したパスを受けたエムレ・ジャンの一撃はフィルミーノに当たってしまいます。60分、再三レフェリーに抗議していたベリッソ監督が退席処分。ボールをまわせないセヴィージャは、苦しい戦いを続けています。

63分のフィルミーノのミドルは左にアウト。サラーのグラウンダーを受け、反転して放ったマネのシュートは大きく浮いてしまいました。68分、左からのFKのクリアを叩いたワイナルドゥムの強烈な一撃は、途中まで弾道が見えなかったはずのリコがよく弾きました。セヴィージャは、イェデルに代わってムリエル。この交代が、73分に功を奏します。左からのスローインがムリアルに渡ると、中央にできたスペースにコレアに入られてしまいました。ロリス・カリウスの飛び出し虚しく、11番はスライディングしたGKの上を抜きます。

76分、アンフィールドの大きな拍手に包まれて、レッズの10番が今季初登場です。プレミアリーグを4つ休んだコウチーニョは、大事なゲームでサポーターの信頼を取り戻すことができるでしょうか。82分にヘスス・ナバスが下がってコルシア。守備を固めるアウェイチームに対して、クロップ監督はマネをスタリッジで勝負です。88分にサラーの後を受けたチェンバレンは再三のチャレンジでCKをゲットしたものの、コウチーニョはいいところがまったくなく、スタリッジも空回り。ジョー・ゴメスが2枚めのイエローをもらった直後、ドローを告げる笛が鳴り響きました。

展開は、完全なるレッズの勝ちゲーム。フィルミーノのPKが決まっていれば、セヴィージャに追いつく手立てはなかったでしょう。CBとエースの致命的なミスが、勝ち点3で終わるべきゲームを残念な結果に着地させてしまいました。とはいえ、クロップ監督は手応えも感じていたのではないかと思います。両サイドのスピードは、アウェイでも鈍らないはず。レッズがやるべきは、次節のモスクワでのゲームで勝ち点3を奪取することと、セヴィージャの本拠地エスタディオ・ラモン・サンチェス・ピジュアンで今日のお返しをすることです。悔しそうな顔でピッチを後にしたフィルミーノとデヤン・ロブレンのリベンジに期待しましょう。

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“完全なる勝ちゲームだった…一瞬の隙を突かれたリヴァプールは痛恨のドロー発進!” への6件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    勝てるゲームでしたが、ドロー発進、、、まあ仕方ないです。久々のCLポジティブなところを述べると両SBは良かったですね。ゴメスサスペンションは痛いですが、今後アーノルドとの併用が計算できますね。モレノも危ないところがありましたが、彼はよくやっていると思います。攻撃陣&中盤は素晴らしかったですね。あとはコウチーニョがフィットを上げてくれば、このグループでは最強の攻撃陣ができますね。次節モスクワでのゲームが楽しみです!

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    CBを補強しないという愚かすぎる選択の影響が既に出てきてますね。
    いつまでリバプールは中堅以下の守備陣で闘い続けるのでしょうか。
    この内容で勝てないのは痛すぎます。

  3. nyonsuke より:

    更新お疲れ様です。

    内容からすれば勝点3は必須の試合でしたが、前半に決めきれなかったことが悔やまれます。
    もうDFラインについては同じことの繰り返しですので省きたいですが、現状ではクラヴァンよりロヴレン、アーノルドよりゴメスのほうが安心して見れます。
    モレノはよくやっていますがやはり守備は不安、カリウスとミニョレは一長一短です。

    インターナショナルウィーク後気になるのは、プレスが機能しにくくなった場合とたんにボールが落ち着かなくなりミスが増えることです。
    ホッフェンハイム戦やアーセナル戦では、プレスの時間とキープの時間を巧みに使い分け90分相手のペースにさせずに試合を展開できていたのですが、シティ戦はしょうがないにしても、セビージャ戦は疲れがみえた70分以降、パスミスが増えプレスもキープもできなくなりました。
    コウチが入ってマシになるかと思いきや、単調な攻めから簡単にブロックされカウンターを受ける時間がさらに増えてしまいました。
    できていたことができなくなるのは疲労も要因でしょうが、選手交代も含めたマネージメントとメンタル面のケアが必要なのではと思います。

    それにしてもこの2戦は自分たちのミスで簡単に勝点を落としすぎです。
    まだ序盤、DFの脆弱さを自分たちの長所でカバーする形を今一度思い出し進化させてほしいです。
    やはり鍵は、交代で出てきた3人ではないでしょうか。
    特にコウチーニョは今後数試合でどのようなプレーを見せるかが非常に大事、運命の分かれ道だと思います。

  4. ルタレック より:

    更新お疲れ様です。「落とした。」唯々そう思います。
    記事にあるようにPK決めてれば勝ち、またロブレンの空振りがなければ勝ち、ただそれだけのことであり、その甘さこそ欧州で戦う上で邪魔なものです。こういう「悪い試合じゃ無いけどミスで負ける。」というのは体質ですから非常に根深いかもしれません。システム変えてメンバー変えてどうにかなるものでは無いですし、しかし今日のロブレンは擁護できません(フィルミーノは是非とも悔しがってほしいです。エースとなるならば)。

    —–
    個人的には引き分けでも心配することはないかなと。グループの一番強い相手ですから。アウェイで勝てばいいだけです。守備に関してはもう諦めているので言いません。一つ言いたいのは解説の方も言っていましたが交代が遅い。足が止まっているのになかなか選手交代しなかった点です。いつもクロップさんは交代が遅いし、交代枠を使わない時があるが、もう少しそのあたりを改善すべきでは。確かロジャースの時だったと思いますが交代枠を使わなかったら批判されてましたね。

  5. タムコップ より:

    唯一「出遅れた」チームになってしまいました(笑)
    他チームの試合全てをチェック出来てるわけではないですが、さすがにディフェンスのテコ入れは必要ですね。
    私見ですが、冬のマーケットで動くにせよ動かないにせよ、既存メンバーでもある程度やれるはずなんですよ。
    まだ噂の段階ですが、ヒーピアがコーチングスタッフに加わる可能性があるとのことなので、もしそれが実現したら小さな一歩になるんじゃないかと。
    あと、ゴメス右サイドは大当たりですが、ロブレンに変えてセンター起用し、フラナガンの復帰というオプションも現実的に考えた方が良いのかなと。
    GKは…、昨季ハダーズフィールドで獅子奮迅の活躍をしたウォードを第2に据えた方がリーグも込みでイングランド国内のコンペティションには合ってると思います。
    セビージャ戦のカリウスは悪くなかったんだけど、彼にボールが収まったとき流れが途切れるように感じるのは僕だけでしょうか?

  6. makoto より:

    Mackiさん>
    内容的にはよかったですよね。取りこぼしさえなければ決勝トーナメントには行けると思います。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    中堅以下というのは、どんなレベルでしょうか?

    nyonsukeさん>
    同感です。前で奪ってリードして…という展開に持ち込めなかった際の戦い方をどうするかは課題ですね。

    グッチさん>
    フィルミーノは泣いてましたね。この悔しさを次以降につなげていただければと思います。

    ルタレックさん>
    いつも遅めなのは確かです。ただしこの試合は、最初の11人で支配できていたので、代えづらかったのではないかなと思いました。

    タムコップさん>
    最終ラインにおいては、ゴメス、アーノルド、フラナガンの成長促進は必須ですね。おっしゃるとおり、カリウスのフィードは今イチですね。彼は相当やれると期待してまして、いずれ改善すると信じてます。

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