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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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若手&サブ主体のアーセナルは、ウィルシャー&ウォルコットの活躍でEL連勝!

BATEボリゾフ。ベラルーシ・プレミアリーグに所属するこのクラブの名前を日本語の感覚でいえば、「横浜ゴム横浜」といったところでしょうか。「Borisov Works of Automobile and Tractor Electric Equipment(ボリゾフ自動車&トラクター電装)」の頭文字にクラブの所在地を重ねた名前のクラブは、国内11連覇と敵なしですが、イングランドのプレミアリーグで優勝をめざすアーセナルが負ける相手ではありません。ボリゾフ・アレーナを訪れたヴェンゲル監督は、サブの選手たちを数多く起用してヨーロッパリーググループステージ第2節を戦います。GKオスピナ、DFホールディング、ムスタフィ、メルテザッカー。セントラルにジャック・ウィルシャーとエルネニー、ウィロック。WBにはメイトランド=ナイルズとネルソン、前線にウォルコットとジルーといった布陣です。

7分にウィルシャーの縦パスでGKシェルビツキと向き合ったウォルコットは、左足のシュートをポストに当ててしまいましたが、アーセナルはこの2人のコンビで9分に先制します。ジルーとのワンツーでボックス左に侵入したウィルシャーの浮き球は、中央に走り込んだウォルコットにぴったり。ヘディングシュートはGKに触られたものの、右に浮いたボールを落ち着いてゴールに押し込みました。17分にも、アーセナルはこの2人のコンビでボリゾフ守備陣を崩します。ウィルシャーが右に浮かすと、フリーで受けたウォルコットが完璧なリターン。最後はウィルシャーがボレーで決めますが、その前の14番の位置がオフサイドだったようです。

アーセナルが2点めを決めたのは、22分でした。GKシェルビツキは、相手のFWがそこにいるわけがないと思ったのか、どうぞ決めてくださいといわんばかりのパスをボックス手前のウォルコットに渡してしまいます。DFの股間を抜いたシュートに、ボリゾフのGKは何もできず。ただでさえ実力差があるチーム相手に、ファーストハーフ半ばで0-2は厳しい展開です。3分後、右から仕掛けようとしたネルソンがウィルシャーに戻すと、左から裏を狙ったメイトランド=ナイルズに見事なスルーパス。ジルーに打たせようとしたボールをクリアされ、ゴールにはならなかったものの、プレミアリーグよりも明らかにフィジカルコンタクトが弱いチームに対して、ガナーズは気持ちよく戦っています。

3点めは、CKからでした。メルテザッカーがヘッドでコースを変えると、落下点に足を伸ばしたのはホールディング。プレミアリーグに11試合しか出ていない22歳のCBは、これがアーセナル入団以来初ゴールです。大差で終わるかと思われたゲームは、28分のホームチームのゴールでまた少しおもしろくなります。ホールディングが外に釣り出され、エルネニーが中をカバーしていたのですが、リオスのクロスがニアに入るとエルネニーはかぶってしまい、背後に走り込んだイバニッチにヘディングを叩き込まれてしまいました。ガナーズ守備陣は、10分ほど前に左ポストすれすれに鋭いシュートを打ってきた10番を自由にさせてはいけません。

31分、左サイドからスタセビッチが蹴ったFKは、ニアに入り込んだドラクンのダイビングヘッドをオスピナがビッグセーブ。アーセナルがセーフティに試合を終わらせるためには、もう1~2点必要なのかもしれません。ウィルシャーが右から持ち込んだ43分のチャンスは、ウォルコットのシュートをシェルビツキが指先で押し出して惜しくも左ポストの外。CKに飛び込んだホールディングがこの日2点めを決めたかと思いきや、ヴォロジコがポストに当てるオウンゴール寸前のクリアで何とかしのぎ、前半は1-3で終わりました。

リードを広げて試合を畳みたいアーセナルは、後半が始まって間もなく4点めをゲットします。右からのFKで吹かれた笛は、ムスタフィが引っ張られたうえに足を踏まれたことに対するファールというジャッジでしょうか。ジルーがPKを落ち着いて左隅に沈め、点差は再び3となります。これでも諦めず、食い下がるボリゾフ。56分にスタセビッチが速いFKを入れると、オスピナがセーブ。62分にはイバニッチの落としをゴルディチュクがダイレクトで狙い、ブロックされたボールに反応したリオスが遠めからシュートするも、枠にいきません。

67分、アーセナルはWBの裏を崩され、スタセビッチとメルテザッカーが競り合ったボールが中にこぼれると、イバニッチのヘッドはオスピナが止めたものの、リバウンドをゴルディチュクに拾われて2-4。この後もガナーズはミドルシュートを受け続け、1点差に迫られたら危ないのではないかとハラハラしましたが、ヴェンゲル監督のベンチにいた選手たちは、アクポム以外はプレミアリーグ出場経験はありません。ネルソンをマクギュエイン、ウィロックをヌケティアに代えた指揮官は、2-4で逃げ切って勝ち点3をゲットしました。

ヨーロッパリーグのグループステージなら、ターンオーバーで乗り切れることを再確認した一戦。ジャック・ウィルシャーが重要な戦力であることを確認し、若手に経験を積ませることができたのが収穫でした。ELの次戦は、このグループで最も骨のあるレッドスター・ベオグラードですが、連敗してもグループステージを突破できそうなガナーズは、サブの選手と若手主体のメンバーで通すのではないでしょうか。アトレティコ・マドリードがCLで敗退してこちらにまわってくるなどという波乱がなければ、アーセナルは今季ELの優勝候補最右翼でしょう。ACミラン、ゼニト、ラツィオ以外に、警戒しなければならないチームは見当たりません。

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“若手&サブ主体のアーセナルは、ウィルシャー&ウォルコットの活躍でEL連勝!” への3件のフィードバック

  1. tomo より:

    やはりアカデミー出身の選手の活躍は嬉しいです。個人的には数年前のツアー来日時に躍動したアクポムに期待してますが今期は誰が台頭するのでしょうか。
    あと、ジャック!今期は怪我なく頼むよ❗
    エジル、サンチェスが移籍したらアーセナルの旗頭になれるのは生え抜きの彼しかいないと思うのですが。

    —–
    更新ご苦労様です。

    年内は主力選手をプレミアに集中させるでしょう。現時点で長期の故障離脱者はいません。故障者が出なければ戦えるはずです。その意味でもローテーションと故障者の有無が今季のアーセナルの鍵になると私は思います。

    ウィルシャーはホームならプレミアでも戦力になるでしょう。徐々にベンゲルも起用すると思いますよ。ジャカとのローテなら過密日程をさほど気にしなくてもいいのではないでしょうか?3列目の相方にはコクランとエルネニーのローテが攻守のバランスを考えれば適材適所だと私は思います。その上で年明けの復帰が本当ならカソルラという『最高の補強』が待っています。

    となればラムゼイをより生かせる2列目で起用できます。サンチェスとエジルを中心にしながらラムゼイ・ウェルベック・イオビ・ウォルコットが控える陣容は
    アーセナル最大のストロングポイントになります。サンチェスとエジルが来季はいないと判断せざるを得ない現状を考えればその事態に備える意味でラムゼイは2列目で起用すべきだと私は思います。

    最も大事なのは年明けにプレミアで希望を持てるかどうかですね。年末の段階でプレミアのタイトルを到底狙えない位置にいるようなら冬にサンチェスの放出を決断せざるを得ない展開も有り得ます。エジルも同様でしょう。何とか上位陣に食らいついて欲しいです。

  2. ユナイテッド より:

    決勝トーナメントからCL敗退勢が参入してくるのでそのメンバー次第ではアーセナルは去年のユナイテッドのようにELルートでCL出場権を取りにいく方が良いかもしれませんね。
    ドルトムントやローマ、シャフタール、モナコあたりが参戦してくる可能性が高いですが…

  3. makoto より:

    Davinciさん>
    ウィルシャー、輝いてましたね。ケガさえなければやはり並みのMFじゃないなとあらためて思いました。

    tomoさん>
    ラムジーとウィルシャーをインサイド、アンカーをジャカのマン・シティ的4-3-3もおもしろいと思いました。

    ユナイテッドさん>
    プレミアリーグの戦績次第ではそちらにシフトという考え方も出てくるかもしれませんね。

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