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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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激戦の終わりはフィルミーノ!「死のグループ」で戦うリヴァプールがパリSGに3-2快勝!

プレミアリーグ5連勝VSリーグアン5連勝。チャンピオンズリーググループステージ1節、アンフィールドにパリ・サンジェルマンを迎えたリヴァプールは、スパーズ戦で目を痛めたフィルミーノがベンチです。GKアリソン、DFアーノルド、ジョー・ゴメス、ファン・ダイク、ロバートソン。アンカーにヘンダーソンが入り、両脇にミルナーとワイナルドゥム。前線ははサラー、スタリッジ、マネの3枚です。キックオフからアグレッシブに攻めてくるパリに対して、レッズ守備陣は冷静に対応しています。徐々に自分たちのペースに持ち込んだレッズが、5分過ぎから猛攻を開始。6分のCKから右サイドでフリーになったミルナーがファーに折り返すと、ファン・ダイクのボレーはGKアレオラが上に弾き出しました。ミルナーのミドルもアレオラがセーブ。レッズの攻勢は止まりません。カウンターに出ようとするパリをストップしてサラーが仕掛けた速攻は、中央でパスを受けたマネの左足シュートがアレオラの正面です。

速いパスワークでイニシアティブをとるリヴァプール。ここまで、CKを何本蹴ったか。13分の左からのCKは、ジョー・ゴメスのヘッドが枠の外。16分にドリブルで抜けて放ったネイマールの左足はアリソンが前に弾き、フォローしたカバーニはうまくミートできません。20分にミルナーが出した長いスルーパスは、マネにぴったり着いていたチアゴ・シウヴァがカット。24分にディ・マリアが打ったミドルは力がなく、中央からカバーニが上がったカウンターは、ネイマールのトラップミスで終わります。26分、CKが右サイドに流れ、後ろからパスをもらったマネがひとりかわして左足を振り抜くも、体が回りきらずにボールは大きく外に切れていきます。プレミアリーグ4ゴールのアタッカーが、ピッチを叩いて悔しがっているのは、自らの調子のよさを実感しているからでしょう。

30分、右からのアーノルドのクロスがマネの頭上を越えると、逆サイドにも素晴らしいクロスを持つロバートソンがいました。ダイレクトで上げたボールがスタリッジの頭にぴたりと合い、強烈なヘディングがゴールに突き刺さります。さらに32分、スルーパスに反応したサラーがボックス右でフリーになり、優しいグラウンダーを通しますが、スタリッジはDFを背負う形となって枠に入れられず。しかし35分、右から斜めに持ち込んだサラーが脇にいたワイナルドゥムに流すと、ボックスに入ったオランダ代表MFが足を引っかけられ、ジャッジはPK。ミルナーが冷静に右隅に決め、あっという間の2-0です。

ボルテージが上がるアンフィールドは、40分に冷や水を浴びせられます。ディ・マリアのクロスにカバーニのバイシクルは空振り。流れたボールがロバートソンに当たると、即座に反応したムニエのボレーが右隅を襲い、アリソンは1歩も動けませんでした。前半は2-1。サイドで優位に立つシーンが多く、押していたレッズにとっては悪いスコアではありません。後半開始からしばらくは、互角の展開。両者とも勝負のパスが通らず、決定機を創れません。57分、ワイナルドゥムのシュートのこぼれ球をスタリッジがGKアレオラと競り、サラーが押し込みますが、スタリッジがファールを取られてスコアは動きません。赤で染まったアンフィールドには、ブーイングが鳴り響いています。

61分、アーノルドのクロスに合わせたスタリッジのヘッドはアレオラがキャッチ。サイドを制圧し、決定的な3点めを狙うレッズは、クロスが味方に届きません。69分のカウンターは、落としをもらったヘンダーソンが打てず。残り20分、クロップ監督はスタリッジを諦め、フィルミーノを投入しました。後半のパリのシュートはゼロ。ネイマールは消え、カバーニは守備の人と化し、ムパッペのクロスはアリソンの懐に収まるばかりです。80分、トゥヘル監督はカバーニとディ・マリアを下げ、ドラクスラーとシュポ=モティングを投入。昨季プレミアリーグで、ストークを残留に導けなかったシュポ=モティングは、アンフィールドで価値を証明することができるでしょうか。

82分、右サイドでキンペンベをかわしたマネが、アレオラの股を抜くシュートを放つと、ボールはゴール前を横切って逆サイドへ。直後にサラーが不用意なパスをドラクスラーにさらわれ、ネイマールを輝かせてしまいました。ドリブルで中央に斬り込んだ10番が、ファン・ダイクが足を出す寸前にムバッペにラストパスを通し、右足のシュートが決まって2-2!クロップ監督はサラーに代えてシャキリで勝負です。87分のアーノルドのFKは、壁をかすめて左にアウト。レッズが一方的に攻めています。彼らの思いが形になったのは92分。カウンターに出ようとしたパリをミルナーが敵陣で止めたのが、歓喜の始まりでした。ジョー・ゴメス、ファン・ダイク、フィルミーノ。ボックス右でキックフェイントを入れた9番は、完璧な右足シュートをクロスに蹴り、左のサイドネットを揺らしました。間もなく、タイムアップの笛!プレミアリーグ無敗のチームが、最強のライバルを押し切りCLの初戦を制しました。

おもしろい試合でした。内容的にはレッズの快勝でしたが、一瞬の隙を見逃さないパリの抜け目のなさが印象的でした。それにしても、レッズのアタックは迫力があります。アーノルドとロバートソンの危険なクロス、マネが両サイドをえぐり、ワイナルドゥムは左サイドでパリの守備陣を混乱させました。サラーに昨季の貪欲さが見られないのが気がかりですが、マークが少しでも緩めば、ゴールの匂いが漂うエリアにラストパスを通してきます。そんななかでもMVPを選べば、ミルナーでしょう。中盤での豊富な運動量、素早いチェック、サイドの選手を活かすパスワーク。ベテランのクレバーなプレイが、感動的な決勝点を生みました。勝ち点3でスタートできてよかった…これぞアンフィールド、これぞレッズです。

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“激戦の終わりはフィルミーノ!「死のグループ」で戦うリヴァプールがパリSGに3-2快勝!” への5件のフィードバック

  1. Motsuki909 より:

    ミルナーのMVP、同感です。分身の術でも使っているのかと思うぐらい、必要な場所に必要な時に姿を見せていました。1失点目はオフサイドな気もしていますが、問題は2失点目。“逆”起点とも言えるパスミスの直前にも、ファイナルサードでパスがズレていたので嫌な予感がしていました。結果的にフィルミーノの投入が英断となりましたが、どうも心配になる出来でした。ただ、サラーの貪欲さは消えてはいないのでは?とも思います。フィルミーノの決勝ゴールの際、ベンチを映したリプレイでボトルを投げ付けて悔しがる姿が映っていましたので。まだまだ過密日程でヘビーなカードが続くので、奮起に期待したいです。しかし、勝てて良かった…

  2. そば より:

    おっしゃる通り、ミルナーがすごすぎる試合でした。
    スコア以上の内容での勝利で、むしろブライトン戦の方が苦しんだ印象です。
    さらにナポリがアウェイとはいえ引き分けたのはレッズにとって大きなプラスだと思います。
    それにしてもあそこまで3トップが抑えられたにもかかわらず、2点とれるパリの攻撃に対しては感服するようなゲームでした。

  3. Macki より:

    更新ご苦労様です。私も文句なしにMVPはミルナーですね。しっかりと仕事をし結果を出してくれる最高の選手ですね。
    しかしPSGは負けたとはいえ僅差だと思います。強いですよ。アウェイでのPSG戦も激戦でしょうね。これぞレッズというゲームを堪能しました。

  4. そば より:

    おっしゃる通り、ミルナーがすごすぎる試合でした。
    スコア以上の内容での勝利で、むしろブライトン戦の方が苦しんだ印象です。
    さらにナポリがアウェイとはいえ引き分けたのはレッズにとって大きなプラスだと思います。
    それにしてもあそこまで3トップが抑えられたにもかかわらず、2点とれるパリの攻撃に対しては感服するようなゲームでした。

  5. タムコップ より:

    ここまでの試合もそうでしたが、もう今シーズンのプレミアMVPはミルナーでいいんじゃないかと思うほど、運動量、インテリジェンス、クイックネスな頭脳、どれを取っても賛辞の言葉が足りません。

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