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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ファイナル独占!欧州プレミアリーグ対決を展望!(1)CL決勝・リヴァプールVSトッテナム

チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグのファイナルを、ひとつのリーグが独占するのは史上初の快挙です。CLはリヴァプールVSトッテナム、ELはビッグロンドンダービー。シーズンの最後を飾る極上のステージでプレミアリーグ対決を2つも堪能できるとなれば、われわれファンのテンションは否応なく上がります。ブックメーカー「ウィリアムヒル」の予想オッズを見てみると、CLはリヴァプールが1.95、トッテナムが4.00とクロップ推し。ロンドン勢がバクーで戦うELはチェルシーが2.20、アーセナルが3.30とプレミアリーグのポジションを反映した数字となっています。それぞれ、どちらが勝つのでしょうか。ファイナル2試合の見どころと展望をまとめてみたいと思います。

6月1日に、マドリードのエスタディオ・メトロポリターノで激突するリヴァプールとトッテナム。補強ゼロ、新スタジアムのオープン遅延、負傷者続出と三重苦に悩まされたスパーズが初のビッグイヤーを獲得すれば、「これでは勝てない」という批判や揶揄をいなし続けてきたポチェッティーノ監督の痛快なリベンジ達成です。一方、リヴァプールのユルゲン・クロップ監督は、2015年10月の就任以来キャピタル・ワン・カップ、ヨーロッパリーグ、チャンピオンズリーグと準優勝3回。明日のプレミアリーグ最終節で、4度めの2位を手に入れることになるかもしれません。2年連続となるCL決勝を制すれば、2012年にDFBポカールを制覇してからカップ戦ファイナル6連敗という悲しい歴史にピリオドを打ち、悲願の欧州初戴冠を果たすことになります。

それぞれのここまでの戦績を振り返ってみましょう。リヴァプールは7勝1分4敗、トッテナムは6勝2分4敗。負け試合が多いのは、両者とも「死のグループ」を潜り抜けてきたからです。レッズはパリとナポリ、スパーズはバルサ、インテル、PSV。サラーの1発でナポリを下して何とか2位に浮上したチームと、インテルがホームでコケたために2位が転がり込んできたチームが、最後に顔を合わせることになるとは思いませんでした。

ノックアウトラウンドに入ってからも、彼らはいくつかのピンチを乗り越えてきました。バイエルンとのホームゲームをスコアレスドローで終えたレッズは、アウェイでマネが大暴れして1-3で快勝。ベスト8のポルトは2-0、1-4と問題にしなかったものの、セミファイナルではカンプ・ノウのバルサ戦を3-0という絶望的なスコアで落としてしまいました。アンフィールドのセカンドレグは、フィルミーノとサラーを欠きながら4-0圧勝。代役のオリギと途中出場のワイナルドゥムが躍動したこの試合は、後世に語り継がれるようなベストバウトでした。

感動的な勝ち抜けというテーマなら、スパーズも負けていません。ドルトムントに3-0、0-1で連勝したチームは、ベスト8でプレミアリーグ王者のマンチェスター・シティと激突。ソン・フンミンのゴールで初戦を1-0で勝ち切ると、敵地でのゲームは11分までに2-2となる派手な撃ち合いとなりました。追加タイムのスターリングの同点ゴールがVARで取り消されるきわどい勝負は、4-3でマン・シティ。ポチェッティーノ監督のチームは、アウェイゴール3発で冷や汗の準決勝進出を決めました。アヤックスとの準決勝は、ホームゲームを0-1で落とすも、ヨハン・クライフ・アレーナでは追加タイムが切れる95分ジャストにルーカス・モウラがハットトリックを達成して2-3。2試合連続でアウェイゴールルールの勝者となり、初の決勝へと駒を進めています。

スタッツを比較してみると、サラー、フィルミーノ、マネが4ゴールずつ決めているリヴァプールに対して、トッテナムはエースのハリー・ケインとルーカス・モウラが5ゴール、ソン・フンミンが4ゴール。総ゴール数はレッズが22対20で上回っており、バイエルン戦で3発、バルサ相手に4発の破壊力は欧州最強レベルです。1試合あたりの失点は、レッズが1.0、スパーズは1.4。プレミアリーグでの直接対決は2-1、1-2でレッズがダブルを決めており、クロップ優勢とするのが素直な見方です。

スパーズが主張できるのは、ライバルを30km以上引き離す1363.2kmという運動量と、レッズがゼロのミドルレンジからのゴールが2つあることです。両者ともボックス内で打たせない展開となれば、遠めからのシュートが冴えるエリクセンがスコアを動かすことになるかもしれません。攻撃力、堅守、経験値はすべて昨シーズンのファイナリストが上。レアル・マドリードに3-1で敗れたチームは、1度も最終ラインを崩されずにゲームを終えており、今季はアリソンという心強い守護神が加わっています。スパーズが勝つためには、ファン・ダイクをハリー・ケインが引っ張り、マティプのサイドにジョレンテ、ソン・フンミン、デル・アリを寄せて優位を築くなど、相手の長所・短所を見定めた戦い方が必要となるのではないでしょうか。

プレミアリーグで1敗のチームが悲願のリーグ優勝に届かなければ、せめてこちらは獲らせてあげたいと思うのですが、オランダのピッチで号泣したポチェッティーノ監督の顔が頭に浮かぶと、彼らの優勝を観たい気分に支配されそうになります。14年ぶりのリヴァプール優勝か、開幕前には26倍というオッズだったダークホースが新たな歴史を創るのか。3週間という長い待ち時間は、禁断症状との戦いとなりそうです。

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“ファイナル独占!欧州プレミアリーグ対決を展望!(1)CL決勝・リヴァプールVSトッテナム” への3件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    レッズはボビー、スパーズはケインが間に合うかが鍵かもしれませんね。レッズは昨年もこの大舞台を経験しており、何としても獲得する気持ちが強いのがポジティブポイントかなと考えます。
    一方スパーズもポチェッティーノ以下の結束が強そうですから侮れませんね。中盤の戦いでしょうか、、、。レッズサポの私は勿論優勝はレッズ予想です。お互いの強みと弱みを知っているチーム同士の対決。本当3週間が待ち遠しいですね。

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    もう本当に楽しみです。
    ポチェと共にいつかはファイナルへと願っていましたが、それがこのシーズンだとは正直思いませんでした笑
    今なおスパーズのドルトムント、シティ、アヤックス戦のハイライトを見て感動し続けている自分としては例え良い結果にならなかったとしても良い2チーム同士また見直したくなるような試合をしてくれれば嬉しいです。COYS!

  3. 千兵衛 より:

    昨年より更に戦力を整備した、2年連続のファイナリストが今年こそヨーロッパの覇者になるのではないでしょうか?
    前3枚に加えて、オリギ・シャキリはもちろんのことファビーニョやミルナー・ヘンダーソン等も熱量が並大抵ではありません。

    ただ、スパーズも2戦連続で際どすぎる激戦を制しており、またポチョの涙にも選手は意気に感じてモチベーションが極限まで高まっているかもしれません。結果はごく僅かのディテールが決めるのではないでしょうか?

    今から待ち遠しい一戦です、例年以上に盛り上がっています。

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