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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ボックス脇を制したナーゲルスマンが、攻守とも凡庸だったトッテナムを圧倒!

ハリー・ケインは11発、ソン・フンミン9発、シソコ2発。今季プレミアリーグにおけるトッテナムのゴールの半分以上を稼ぐ主力を欠いたモウリーニョ監督は、ライプツィヒとと戦うCLラウンド16のファーストレグを、どんな戦術でものにしようとしているのでしょうか。最前線は、もはや一択のルーカス・モウラ。プレミアリーグデビュー戦ゴールのベルフワインが左に入り、デル・アリがトップ下、右にはロ・チェルソが入っています。

中盤スンターはハリー・ウィンクスとジェドソン・フェルナンデス、ロリスの前にはセルジュ・オーリエ、アルデルヴァイレルト、ダヴィンソン・サンチェス、ベン・デイヴィス。CLの勝ち方をよく知る名将は、アウェイゴール献上回避を最優先にしているはずです。

開始27秒、ボックス手前で一瞬フリーになったシックのシュートは、右にアウト。さらに1分、ムキエレのグラウンダーをシックが合わせるとダヴィンソン・サンチェスに当たり、こぼれ球をプッシュしたアンヘリーノのシュートはロリスが必死に足でブロックします。ポストに助けられたボールが再度右サイドにまわり、ムキエレのラストパスを受けてアルデルヴァイレルトをかわしたヴェルナーの一撃は、またもロリスが体を張ってセーブ。スパーズは大ピンチをゼロで抑えました。プレミアリーグ5位が反撃に出たのは8分。左サイドのロ・チェルソが縦に転がしたボールを受けたベルフワインが、鋭い切り返しからファーを狙うと、GKグラーチが左に弾き出し、ブンデスリーガ2位も先制を許しません。

16分、ボックス左コーナーのヴェルナーにロングフィードが通り、走り込んだザビッツァーにラストパスが出ますが、ロ・チェルソがここまで戻って確実にカット。プレミアリーグ前半戦は苦しんだアルゼンチン代表MFも、今は欠かせない主軸のひとりです。直後のCKで競り勝ったシックのヘッドは惜しくも右にアウト。19分にシックのシュートがゴール前のブロックに撥ね返され、フォローしたアンヘリーノが左足を振り抜くも、コースを読んでいたロリスがしっかりキャッチ。猛攻を続けるアウェイチームは、好調の守護神が立ちはだかるゴールを陥れることができません。

31分、ロ・チェルソが左サイドをスプリントし、2人を抜いて縦にフィード。タイミングが合わなかったベルフワインは、相手にぶつけてCKをもらうのが精一杯でした。35分、右のムキエレがシックに当て、落としを受けたライマーが左でフリーだったヴェルナーに流すと、振りの速い一撃はロリスが身を挺してクリア。本日3つめのビッグセーブを披露したGKは、オフサイドはなかったと確認する落ち着きを見せています。前半のシュート数は3対13、奇跡的な0-0。点取り屋の不在云々の前に、戦術のクオリティに歴然とした差があった45分でした。

後半開始早々の48分、セルジュ・オーリエのアーリークロスがニアのりーかす・モウラに入ると、抜けてきたボールに反応したグラーチがかろうじてセーブ。リバウンドを叩いたベルフワインは、力んで左に外してしまいました。56分、左から中に斬り込んだヴェルナーが浮き球を入れると、走り込んだライマーをベン・デイヴィスが倒してしまいます。PKキッカーはヴェルナー。左隅に突き刺さったボールは、さすがのロリスもノーチャンスでした。攻めなければならないスパーズ。61分にベルフワインが左から上がると、折り返しをもらったロ・チェルソのミドルはGKの正面です。

その1分後、ライプツィヒのカウンター。アンヘリーノのアーリークロスをヴェルナーがスルーし、フリーのシックが左足で狙うと、ロリスが左手を伸ばしてビッグセーブ。モウリーニョ監督は、64分にジェドソン・フェルナンデスとデル・アリを下げ、ラメラとエンドンベレで劣勢を変えようとしています。71分、ロ・チェルソが左足で巻いた素晴らしいFKは、グラーチが右に飛んで負けじとビッグセーブ。ナーゲルスマン監督は、ハイダラとポウルセンで運動量を回復させ、スパーズのアタックを封じようとしています。

ファールが増えてきたアウェイチーム。86分にラメラが曲げたFKは、グラーチがセーフティ重視でCKに逃れます。89分にベン・デイヴィスがハイクロスを入れると、フリーで合わせたルーカス・モウラのヘッドが浮いてしまいました。5分の追加タイムは何も起こらず、スパーズはホームで0-1敗戦。ナーゲルスマン監督が追加点を狙っていたら、スパーズは致命的なギャップで初戦を終えていたかもしれません。狭いスペースを使うことで相手のマークを集め、フリーになった選手にパスを通すテンポのいいアタックは秀逸。プレミアリーグファンにはおなじみのアンヘリーノは左サイドで脅威となり、3バックを仕切るアンパドゥは的確なフィードが目立っていました。

アヤックスにホームで敗れた昨季の準決勝は、トータル3-0と絶体絶命の状況に追い込まれた後、ルーカス・モウラのハットトリックで大逆転。今回も同様の着地を期待したいところですが、クラシックなサイドアタックと縦1本しかないスパーズは、敵地でもナーゲルスマンに翻弄されるのではないでしょうか。今季の好不調が如実に出た一戦。ロリスの奮闘で希望をつないだチームが、勝負のセカンドレグで一体感と執念を見せてくれると信じましょう。いやー、厳しい…。

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“ボックス脇を制したナーゲルスマンが、攻守とも凡庸だったトッテナムを圧倒!” への3件のフィードバック

  1. jgp より:

    さすがに2トップがルーカスとアリでは限界がありますね。
    本職FWがケインのみ(ソンも本職ではない)、かつソンまで怪我となれば誰が監督でも無理があります、、
    チェルシーもカンテを失いましたし、もしや珍しく怪我人が少ないユナイテッドとガナーズが、、、笑

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    当然、良い内容だったとはいえませんがライプツィヒの序盤の猛攻後はそれほどフィニッシュのクオリティが高いとも思えず、また守備も堅牢だとは思わなかったので2ndlegでなんとかなるのではないかと僕は楽観的です。
    ただやはりケイン、ソンがいないのは残念でたまりませんね。

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    チーム内得点ランキング1位のケインと2位のソンがいない中で選手もモウリーニョも十分よくやったと思いますよ。
    中央のパスコース消すことでPK以外のシーンはうまく守れてました。
    強いて誰が悪いかを挙げるならば、冬にあれだけストライカーの控えが必要と言われてたのに補強をケチったレビィが悪いと思います。
    守ってカウンター狙いでも守備陣の集中が続かず、失点。攻めようにも点を取れる選手がいない。今シーズンは諦め半分で応援して、2年目のモウリーニョに期待します。

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