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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

「最も行儀が悪いチームはチェルシー」…FAのみなさん、まさかキャンペーンですか?

読んでいただいている方にプレミアリーグをおもしろがっていただきたいという思いで、日々書き連ねているブログですので、ネガティブなだけで終わる話や、裏ヨミ、皮肉の類は避けて歩いているのですが、これはさすがにと思い、取り上げてしまいました。結論からいえば、私はチェルシーの肩を持ちます。イギリス紙「テレグラフ」が木曜日に取り上げた「Chelsea are the worst behaved team in the Premier League(チェルシーはプレミアリーグにおいて、最も行儀の悪いチームだ)」という記事のネタ元はFA。選手たちが試合中にどれだけ抗議したか、PKやFKをもらいにいくようなシミュレーションがどれだけあったかなどをFAとプレミアリーグのフェアプレー関連部署が取りまとめているのが今回のデータですが、最も振る舞いが悪かったのがチェルシー、逆によかったのはリヴァプールという数字になっているそうです。

抗議やシミュレーションなどの発生状況を統計的にチェックし、審判団の改善すべき点を洗い出したり、各クラブに要望を出したりして全体のフェアプレー化を推進すること自体は必要なことだと思いますが、問題は「なぜ今それを話題にするのか」です。こういう話は、シーズンが終わってからすべての結果をまとめ、総括や次なる改善策を添えて発表すべきで、今はまだ終盤戦の最中。ましてや話題のチェルシーは、これからマンチェスター・ユナイテッドやアーセナルといった上位とのシックスポインターという、最も重要なゲームを戦う直前です。時期や内容が中途半端な状況でのリリースは、「抗議してきたチェルシーを狙い撃ちして、FAがリークした」と裏ヨミされても仕方がありません。

さらにいえば、「あるジャッジがPKが妥当だったか」について、ビデオをチェックしながら白黒をつけるのは一定可能だと思うものの、「シミュレーションかどうか」については非常に難しい判断で、グレイゾーンにおいては多分に観る側の主観が入ります。「足が当たってない=シミュレーション」などという明快な基準が作れるわけではなく、バランスを崩して倒れたりプレイを止めたりするケースもあるわけで、統計・分析結果をオープンにする際には、その判断基準の公開も求められるべきでしょう。最近は、倒れた後に大げさに手を上げてアピールせず、何事もなかったように下を向きつつ実はPKをほしがっている「ツンデレシミュレーション」も増えているのではないでしょうか。最も行儀がいいといわれているクラブのストライカーにも、ときどきそういうシーンが見受けられます。ジエゴ・コスタやアシュリー・ヤングのような「わかりやすいワル」ばかりが槍玉に上がりがちですが、シミュレーション業界は着々と新たなノウハウを開発し、世に送り出しているのでは…すみません。若干悪ノリしました。話を元に戻しましょう。

2月18日、FAカップ5回戦。ブレストン相手に3-1とマンチェスター・ユナイテッドが快勝したゲームで、試合後、ウェイン・ルーニーが「あんなことしてゴメン、PKとれるチャンスだったから」とGKに詫びたと報道されましたが、ちなみにこういったケースは、統計上はゼロなのか1なのか、どちらなのでしょうね。ジャッジはPKで間違いなかったと捉えればゼロ、自供つきの真っ黒な有罪と見做せば1です。本件はFAカップの話なので、今回のレポートの対象外なのかもしれませんが、デリケートなテーマなのでジャッジ基準や数値の取得方法を明確にしつつ、結果を公表していただければと思います。

メディアが自主的に取った数字なら仕方がないものの、FAのオフィシャルなレポートであれば、本来ならFAはテレグラフに「まだ終わってないから出さないで」と抗議しないといけないお話でしょう。モウリーニョ監督がチェルシーに対してネガティブキャンペーンが張られていると主張したときは「被害妄想では? まさかそんなことは」と思いましたが、変な時期に記事が出たりすれば、こちらも「もしかしてキャンペーンですか?」と邪推してしまうではありませんか。

マンチェスター・ユナイテッドのサポーターがいうのも何ですが、モウリーニョ監督とチェルシーの選手たちには、こんな話を気にせずいつもどおり戦っていただき、おかしな判定だと思えば、レフェリーには臆せず確認しにいっていただければと思います。こちらは負傷者が多く、苦しい試合になりそうですが、今夜の試合が「今季のベストゲームだった!」といえるような、フェアでエキサイティングなものになることを願っています。

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“「最も行儀が悪いチームはチェルシー」…FAのみなさん、まさかキャンペーンですか?” への4件のフィードバック

  1. a より:

    まあ、コスタがイメージ悪いのは確かですが……うーん……。

    それよか、一番行儀がよかったのがリヴァプールっていうのは、やっぱり噛みつき野郎スアレスが抜けたからですかね?w

  2. makoto より:

    aさん>
    スアレスは、PKもらうのが天才的にうまかったので、チームの数字を悪くすることはなかったのではないでしょうか。リヴァプールは抗議が少ないという印象があります。

  3. モウ より:

    お久しぶりです。

    また不名誉なデータですね(^^;;
    ちょっと擁護すると、厳しい判定が多いと感じた時期もありましたし、そうすると選手たちも自然と抗議も多くなりますよね。
    シミュレーション多いとも話題になってますが、個人的には「違うだろ」っていうのが2、3回ありましたし。
    PKをなかなか取ってもらえず、回数が異常に少ないのも気になります。

    ただリバプールのように抗議しない方が、もちろん素晴らしいですけど。
    あと、コスタがけっこうポイント下げてそうですね(笑)

    いつも通りチェルシーよりのコメント、ご容赦くださいm(_ _)m

  4. makoto より:

    マンチェスターユナイテッドのサポーターでありながら、リバプールやマンチェスターシティなどに対しても悪意なく敬意を持ったブログなので不快感なく楽しめています。ありがとうございます^_^

    —–
    モウさん>
    チェルシーサポーターの方が「おいおい!」と思うような、微妙なジャッジがすべて相手に利する形になったゲームがあったのは確かですが、ガナーズやレッズも、今日は厳しいジャッジだったなという試合がそれなりにありました。FAとプレミアリーグの運営側には、もろもろ改善を図ってもらうとして、われわれサポーターはこの手の話に踊らされないようにしたいものですね。エキサイティングなシーンが多い試合だったのに、とある掲示板のコメント欄がジャッジの話一色などという状態をみると、むむむと思います。

    あああさん>
    ありがとうございます。上位チームはそれぞれにいいチームなので、その魅力をうまくつたえていけたらと日々思ってます。

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