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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

カンテ、アザール、ジルー…いいヤツ揃いでとにかく明るい新生チェルシーに要注意!

ポール・ポグバとジョゼ・モウリーニョが冷戦を展開しているという記事を目にするたびに、ため息がこぼれます。2年前はよかった、と。2004年6月、当時41歳だった若き指揮官が、ダークホースのポルトでチャンピオンズリーグ制覇という実績を引っ提げ、チェルシーに舞い降りました。以来10数年、欧州の主要リーグを次々と制覇しながら、挫折も経験した名将が2度めのプレミアリーグ復帰を果たしたとき、そこには大いなる理解者ズラタン・イブラヒモヴィッチがいました。用具係まで爆笑させるゴッドキャラと、プロフェッショナルとしての真摯な姿勢でポグバやラシュフォードを熱烈な信者にしたベテランストライカーは、ボスの翻訳者でもあったのです。

ズラタンがいたマンチェスター・ユナイテッドは、とにかく明るかった。キャピタルワンカップを制した直後、「このためにクラブは彼を買ったんだ!」とまくし立てたポグバに、「俺は(移籍金)フリーだ。クラブが買ったのはオマエだろ」と返した極上のツッコミを、一生忘れることはないでしょう。たとえプレミアリーグを勝てなくても、このクラブのサポーターで幸せだと思えた季節でした。

愛するクラブについて、主力の不振や指揮官との確執ばかりが報じられるようになった今、雰囲気がいいクラブがこれまで以上に眩しく映ります。プレミアリーグのTOP6のなかで、最も明るいクラブを挙げろといわれれば、夏まではペップかクロップかで悩んだでしょう。しかし今、3番手が猛然と追い上げている気配がします。そう、サッリ監督のチェルシーです。食事制限の撤廃、ホームゲーム前日のホテル泊廃止と、新指揮官の太陽政策が話題になったブルーズですが、最近加わった選手たちのキャラも明るさを感じさせる理由のひとつでしょう。

パリ行きの終電を逃したからといって、初対面のグーナーの家におじゃまするか⁉エンゴロ・カンテ!カレーを食べ、マッチ・オブ・ザ・デイを一緒に見て、FIFA(18でしょうか)に興じた27歳のMFは、ライバルクラブのサポーターをいたく感動させたようです。

World Cup winner, former premier league player of the year, 2 time premiership winner casually joined us to watch MOTD after visiting a local mosque. True definition of being humble. What a man.(ワールドカップの勝者であり、かつてのプレミアリーグMVPでもあり、2回のプレミアシップウィナーが、地元のモスクで出会った後、気さくに仲間になってくれて一緒にMOTDを観た。これぞ真の謙虚。何て男だ!/自宅に泊めたグーナー「J」さんのTwitterより)

そんないいヤツが、プレミアリーグ首位クラブとの直接対決のベンチで「PKを蹴りたくない…」とつぶやいているのを聞けば、そりゃがんばりますよね、エデン・アザール!こちらは、一昨日のカラバオカップのエピソードです。2人ごぼう抜きを2回繰り返して決勝ゴールを叩き込み、公式戦全勝のレッズをアウェイで下す立役者となった10番は、カンテの弱気発言を聞いて絶対決めると心に誓ったそうです。オールド・トラフォードでも、マルアン・フェライニに誰かが耳打ちしてくれていれば、問答無用のヘディングを1発といわず2発決めてくれたのでは…いや、もうその話は忘れましょう。

レアル・マドリードへの移籍話が進まないとわかった瞬間、すべてを胸のうちに収めてチェルシーに集中したアザールも素晴らしくオトナですが、もうひとり、このチームには「ミスターいいヤツ」がいます。1月にアーセナルからやってきた、オリヴィエ・ジルー。青いシャツに袖を通してからの最初の半年は、プレミアリーグ先発6試合&途中出場7試合で3ゴールと苦しんだベテランストライカーは、自らの境遇よりも同世代のCBの立場を慮っていました。32歳の主将ガリー・ケーヒルは、プレミアリーグ5節までの出場機会はゼロ。直近のウェストハム戦で、負傷したリュディガーに代わって21分プレイしたものの、先行きは明るいとはいえません。年明けから新しいクラブを探すと語っていたCBについて、チームのゴールのためには汚れ役も厭わないレフティは、優しいコメントを残しています。

「ガリーは今、いいポジションにはいないだろう。試合に出られないのはきついよ。気持ちはわかる。僕も同じ状況を経験したからね。選手はピッチに立ってこそハッピーなんだ」「でも、彼の心はまだチェルシーにあると思う。残ってほしい。われわれには彼が必要だ。彼自身がハッピーであることが、いちばん大事だとわかってはいるけど。6年プレイしてきた彼はチェルシーの顔で、キャプテンのひとりだからね」

「お互いのためにがんばれる」「一緒に勝ちたい」と選手同士がリスペクトし合っているチームが、波に乗ると怖いんですよね…。ジェイミー・ヴァーディーの自宅にチームメイトが集まり、トッテナムがドローに終わるのを見届けて、プレミアリーグ制覇に歓喜したレスターを思い出します。戦術家として高く評価されているサッリ監督は、どうやらモチベーターとしても優秀のようです。いやー、眩しい。うらやましい。

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“カンテ、アザール、ジルー…いいヤツ揃いでとにかく明るい新生チェルシーに要注意!” への1件のコメント

  1. ゆう より:

    チェルシーはラッキーです。
    まず、新監督のサッリが大当たり。
    残留させた大エースが、プロ中のプロ対応。
    選手達が、サッリ監督の戦術に開幕から馴染んで対応しちゃった。
    こんなに良いこと尽くしで、ずるい(笑)

    ベンゲルさんのアホー、ジルーを使わんどころか売りやがって。
    あんたの使い方が悪いだけじゃー!
    キャラクターも良く、チャントも最高だった。

    セスクとジルーが青いシャツを着てるのを見ると、切なくなります(泣)
    セスクを戻さなかったのも、ベンゲルの失策だと思ってる派です。

    —–
    レスター、チェルシー、フランス代表
    カンテがいるチームの雰囲気はとてもいいですね。当然彼1人のおかげではないでしょうけど、何か幸運の置物的な存在のような気がします。
    置物というには動きすぎですが。笑

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