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2016.06.21 ユーロ2016

【ユーロ2016】決められなかったイングランド…ウェールズにかわされ無念の2位通過!

ルーニー、ハリー・ケイン、デル・アリといった主力と、上下動を繰り返したトッテナムのSBたちを休ませたかったのでしょう。ユーロ2016グループリーグ最終節、スロバキアと対戦するイングランドのホジソン監督は、スタメンをがらっと変えてきました。SBはナサニエル・クラインとライアン・バートランドが初登場。CBのスモーリングとケーヒル、アンカーのエリック・ダイアーという中央の軸は残しつつ、中盤ではヘンダーソンとウィルシャーというプレミアリーグで不本意なシーズンを過ごした2人が初めてのスタメンです。さすがはジャック大好きホジソン監督、ロス・バークリーに出番はあるのでしょうか。前線には不動のララナと、ウェールズ戦でゴールを決めたジェイミー・ヴァーディ&スタリッジの好調コンビ。勝ってグループ首位通過を決め、決勝トーナメントでは再び主力に暴れてもらうというのが指揮官の目論見でしょう。

キックオフから激しい当たりが目立つスリリングな展開。5分、ナサニエル・クラインの速いクロスを、ニアで合わせたジェイミー・ヴァーディのボレーはクロスバーすれすれを超えていきます。スロバキアも負けじと7分、ペチョフスキーが左からミドルシュート。イングランドは、バイタルエリアでスペースを空けてはいけません。9分、イングランドはまたも右からチャンスを創り、ヴァーディがヘッドで後ろに流したボールをスタリッジが右足ボレー。ペカリークが必死に足を出してブロックし、サッカーの母国の先制はならなかったものの、前線の2人は今日もいい動きを見せています。13分、縦パスを受けたヴァーディが後ろに落とし、ララナが左足でシュート。直線的でスピーディな攻撃は、これまでの2戦では見られなかった形です。

14分、左に流れたララナがファーにクロスを上げると、後ろに出たボールをつま先で引っかけたヘンダーソンが振り向きざまにシュートを放ちますが、フボチャンが身を挺してCKに逃れます。その3分後、ついに来たか、ジェイミー・ヴァーディ。ロングボールが前線に出ると、駆けっこの相手はシュクルテル。プレミアリーグ対決をあっさり制した11番がGKと1対1になり、左足で股間を狙うと、ここはコザーチクがブロック。プレミアリーグ王者のエース・ヴァーディは、レスターではほとんど決めていた得意の形をものにすることができませんでした。

カイル・ウォーカーのアイデアの多さは素晴らしいのですが、ナサニエル・クラインのタイミングのいい飛び出しとスピードも捨てがたい!イングランドは、右サイドのリヴァプールコンビが再三チャンスを創っています。スルーパスに追いついたナサニエル・クラインのクロス、右から抜け出し、浮き球をファーに送ったヘンダーソンのラストパスとも味方に届かず。32分、またもナサニエル・クラインが右から突破し、中央に流したグラウンダーをララナがダイレクトで狙うと、コザーチクが右に飛んでビッグセーブ。この決定機は、フィニッシュを浮かさずGKの足元に打てれば決まっていたでしょう。

44分、イングランドに3度めのチャンス。ナサニエル・クラインのクロスはヴァーディにわずかに合わず、逆サイドに流れたボールをバートランドが折り返すと、中央で空いていたヘンダーソンの強烈なボレーはDFが体を張ってブロック。前半は0-0で終わりますが、スロバキアはシュート1本。前線から厳しいプレスを仕掛け、カウンターに対する戻りも早いイングランドは、間違いなく今大会最高の出来です。トゥールーズでは、ラムジー、テイラーのプレミアリーグコンビが決めたウェールズがロシアを2-0とリードしています。ベスト8で開催国フランスとやりたくなければ、イングランドはゴールを奪わなければなりません。

「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」の大合唱が響くスタッド・ジョフロワ・ギシャール。ホームゲームのような雰囲気のなかで戦うイングランドは、後半最初のチャンスをスロバキアに献上します。52分、クロスをトラップしてジョー・ハートに渡そうとしたスモーリングを狙ったのはマク。突っかけられたジョー・ハートは、冷静に体に当ててさばき、事なきをえました。その1分後、スタリッジのスルーパスに反応し、ゴールライン際に飛び出したのはやっぱりナサニエル・クライン。中に入れられず、ニアを狙ったシュートはDFに阻まれ、0-0の均衡は破れません。スロバキアは、直後に左サイドからヴァイスが仕掛け、切り返しからシュートを放つもジョー・ハートががっちりキャッチします。

ホジソン監督は56分にウィルシャーをルーニー、59分にはララナをデル・アリ。攻勢を強めるイングランドは、61分に最大の決定機を迎えます。スタリッジのスルーパスでヘンダーソンが右から抜け出すと、ファーに浮かせたクロスに飛び込んだのはデル・アリ。決まったかに思われた一撃はシュクルテルが必死に足を伸ばしてクリアし、プレミアリーグで戦う仲間にリードを許しません。

73分、エリック・ダイアーの絶妙な浮き球が裏に出ますが、左足で合わせにいったスタリッジは空振り。ホジソン監督最後の1枚は75分、スタリッジをハリー・ケインです。シュクリニアルを入れて守備を固めてスロバキアは全員が自陣に引き、疲れが見え始めたイングランドは中央突破偏重になっています。エリック・ダイアーのミドルも、ルーニーの左足も決まらず。88分、ヘンダーソンのクロスに競り勝ったハリー・ケインは、なぜ頭を振ってしまったのでしょうか。残り1分、ナサニエル・クラインのグラウンダーをクリアしたシュクルテルが足を痛めてしまいました。デル・アリのシュートは抑えが効かず、ルーニーは強引なプレイに終始。0-0に終わったイングランドは、ガレス・ベイルがダメ押しゴールを決めたウェールズの後塵を拝し、グループ2位で通過となりました。

シュート数27対4、CKは11対0。圧倒的に押しながらゴールを奪えなかったイングランド。最終盤にベタ引きされる前に、勝負を決められなかったのが「敗因」でした。ジェイミー・ヴァーディ、ララナ、デル・アリと、3つの決定的なシュートがスロバキアの攻守に阻まれましたが、前半の2本はGKが止めやすいコースに飛んでしまいました。選手交代については、3枚めのカードに疑問が残りました。DFに囲まれても正確にボールをさばけて、パサーとしても機能していたスタリッジを残し、終盤スプリントの切れを失っていたナサニエル・クラインをカイル・ウォーカーに代えたほうがよかったのではないかと思います。希望は、強引な中央突破よりも右サイドにありました。ゴールラインまでえぐって速いボールで勝負する形を増やせれば、渋滞した中央からのミドルよりも何かが起こる可能性は高かったのではないでしょうか。

とはいえ、収穫もありました。最初の45分、鬼のような攻め上がりで右サイドを蹂躙したナサニエル・クラインと、試合を通じてチャンスメイクし続けていたジョーダン・ヘンダーソンは素晴らしかったと思います。イングランドは、ポグバ、ガレス・ベイル、エジル、トマス・ミュラー、イブラヒモヴィッチ、モドリッチ、イニエスタ、クリスティアーノ・ロナウドといったスペシャルな選手はいないのですが、スターターと控えの選手の実力差が小さいですね。バルサやレアル・マドリード、バイエルンといったトップクラスはないものの、中堅や下位のクラブがしぶとく上下の差がないプレミアリーグを象徴しているかのようです。ラウンド16は、オーストリアでしょうか。次こそは目の覚めるようなゴールを決めて、いい形でフランスとの勝負に臨んでいただければと思います。

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“【ユーロ2016】決められなかったイングランド…ウェールズにかわされ無念の2位通過!” への3件のフィードバック

  1. YVG より:

    イングランド代表はスパーズ主体よりリバプール主体の方が良さそうですね
    3位でも良いレギュレーションにした意味があったのでしょうか
    引き分けで良いみたいに感じてほぼ消化試合みたいだったと思います

    —–
    いい形で攻めれていましたがゴールが遠かったですね。
    クラインの攻撃参加は素晴らしかったですが、サイドバックを抜き切らずにクロスをあげる形が多く、あまり中に勝負を仕掛てこなかったのでスロバキアは比較的守りやすかったかもしれないですね。
    中にキャロルのような地上でも空中でも戦えるフォワードがいたら話はまた違ってきてたと思いますが。

    最後の交代は仰るようにウォーカーあるいはラシュフォードやスターリングなどドリブルで仕掛けられるタイプの選手でも良かったかなぁと思います。
    ヴァーディーは終盤はベタ引きの相手にスペースを消されていつもの持ち味を活かせていなかったので、最後はヴァーディーをラシュフォードあるいはスターリングと変えてルーニー・スターリッジのツートップでも面白かったかもしれませんね。

    バークリーやミルナーもいますし、今回は選手層が厚いので試合後の「たら・れば」妄想が楽しくやめられません。

    —–
    こんにちは。更新おつかれさまです。
    ララーナ・クライン・ヘンドのレッズ組が右サイドで上手くチャンスメイクを続けていましたが、結局最大のチャンスがヴァーディのスピードによるものだったのは少しモヤモヤするところではあります。この試合、ウィルシャーがミルナーだったらまったく違った展開になっていたと思います。ホジソン監督がどのくらい勝利を目指していたのかはわかりませんが、このGL3試合で選手の状態、相性、モチベーション等見極められたことでしょう。次の試合は私としてはポルトガルが来るのではないかと思います。直前のフレンドリーマッチでは勝っていますが、あの時はレッドカードもありましたし今はまた別のチームとして考えるのが妥当でしょう。ラウンド16以降、楽な試合など1つもありませんが、ここはより一層気を引き締めて戦ってもらいたいものです。長文失礼いたしました。

  2. リバサポ より:

    本当に層が厚いので、ベストの布陣がよくわからないですね。もう少しベテラン勢のミルナー、ルーニーをうまく使えたらと思います。

  3. queen より:

    決勝トーナメントはおそらくハンガリーかアイスランドかポルトガル(いや、オーストリアもありえるか)なので、割と楽そうな部類ですね。
    ただ、今回のイングランドの戦い方はどうも淡泊というか、もろい印象をうけてしまうんですよね。この感じだと、ベスト8に行けても、戦う可能性の高そうなフランスに勝つのは難しそうだなとも思ってしまいます。

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