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2016.06.27 ユーロ2016

【ユーロ2016】開始2分にPKで失点も、一瞬の隙を突いたグリーズマンの2発でフランスが逆転勝利!

開始わずか80秒でした。バーンリーのウォードがいい飛び出しでフランスのクリアをさらい、アーリークロス。イプスウィッチのマーフィーが左足で狙ったシュートはブロックされるものの、こぼれ球を打とうとしたサウサンプトンのシェーン・ロングをポグバが後ろから引っかけてしまいます。ジャッジはPK。蹴るのはノリッジのブレイディ。右のポストを叩いた強烈なシュートは、さすがのロリスもノーチャンスです。プレミアリーグの中堅クラブとチャンピオンシップの選手で築いた、開催国相手の先制劇。ユーロ2016ラウンド16、フランスVSアイルランドは「アウェイチーム」が0-1とリードします。

ロリス、サニャ、コシールニー、カンテ、パイェ、ジルー。フランスはいつも通り、プレミアリーグの上位クラブ所属の選手がスタメンの過半を占めています。1点をリードされ、反撃に転じた開催国は、左右からのクロスをジルーとグリーズマンに合わせるシンプルな攻撃を展開。8分には左45度からのFKをパイェが蹴るも、ウェストハムの同僚ランドルフに余裕でキャッチされてしまいます。18分のFKは、パイェの正確なキックをグリーズマンがヘッドで角度を変えるも、やはりGKがキャッチ。シェーン・ロングの肘が胸に入ったポグバは大丈夫のようです。

21分、アイルランドにチャンスです。ウォードのロングスローがDFに当たってこぼれたところをマーフィーがボレーで狙うと、隅に飛んだボールはロリスが指先でセーブ。右から上がってこれを拾ったヘンドリックのシュートは弱く、スパーズのGKにキャッチされてしまいます。フランスは、カンテがペナルティエリアの手前まで上がってアイルランドボールに突っかかるアグレッシブなプレスを披露。奪ったボールを左右に散らし、グリーズマンやパイェに打たせようとしています。24分、ポグバが直接狙ったFKは強さが足りず、ランドルフがセーブ。フランスは焦りからかゴール前に持ち込んだ後の工夫が足りず、時折フリーで放つシュートは余裕のないヘディングばかりです。

38分、アイルランドは前線のマーフィーにロングフィードが通り、抜きにかかったドリブルはカットされるものの、左からのクロスがシェーン・ロングへ。後ろに出たボールをつま先でうまくトラップしたロングは、フィニッシュに持ち込もうとしたところを止められ2点めはなりません。42分、キックの正確さに定評があるブレイディが蹴ったFKは、ダフィーの頭にぴったりでしたが、ロリスが諦めかけたボールはわずかに右。フランスの同点よりも、アイルランドの2点めのほうが先になりそうな展開です。45分のポグバの縦パスは、ジルーが及ばず。終了直前にグリーズマン、ジルー、パイェ、マチュイディとつながり右サイドを破ったチャンスは、パイェとグリーズマンのシュートがことごとく止められ、前半はそのまま終わります。ハーフタイムにカンテをコマンに代えるという勝負に出たデシャン監督。フランスは早い時間に追いつかないと、プレミアリーグ勢が多いアイルランドの守備陣は、心得てますとばかりにベタ引きで抵抗してくるでしょう。

4-3-3から4-2-3-1にスイッチしたフランスの最初の決定機は48分。パイェのFKをポグバが頭で逸らすと、コシールニーのダイビングヘッドは当たりが薄く、惜しくも枠におさまりません。51分、アイルランドの逆襲。マクレーンの左からのグラウンダーをロリスが弾かなければ、シェーン・ロングが仕留めていたでしょう。フランスは、ボールをもらいにいく動きもスペースを創る仕掛けも少なく、パスのほとんどが足元。攻撃はセットプレーとミドルに頼らざるをえず、55分のマチュイディの強烈なミドルはランドルフに左に弾かれます。しかし57分、アイルランドは最も危険な選手から目を離してしまいました。パイェが右に展開し、サニャが入れたクロス。マッカーシーがグリーズマンを見失い、フリーのヘッドがゴール左隅に吸い込まれます。

1-1となり、ゲームは活気を取り戻しました。ウォードのシュートは相手の頭に当たり、パイェの丁寧なミドルはわずかにバーの上。フランスが勝ち越したのは61分、ポストプレーのうまさはプレミアリーグ屈指のオリヴィエ・ジルーが、ラミのロングフィードをグリーズマンの前のスペースにピタリと落とす名人芸を決めました。フリーでゴール正面に入ったグリーズマンが左足を振り抜くと、完璧な弾道のシュートは右隅に一直線。2-1となり、攻めなくてはならなくなったアイルランドは、たびたび最終ラインの裏を空けざるをえなくなります。

パイェを防いだ後の66分、グリーズマンの単独突破は止められず、後ろから引っかけたダフィーが決定機阻止でレッドカード。アイルランドの夏は、この瞬間に終わりました。73分にジルーに代わったジニャクが決定機を活かしていれば、フランスは余裕をもって試合を畳みにいけたでしょう。とはいえ、アイルランドには劣勢を跳ね返すだけのアイデアも底力もなく、フランスの4分の1しかないシュート6本でタイムアップを迎えます。スロースターターの強者が、いつも通り苦しみながらも順当に勝った一戦でした。

勝ちはしたものの攻撃が大味といういい方もできる一方、パイェやポグバ、ジルー、グリーズマンと一発で局面を打開できる飛び道具揃いともいえるフランス。落ち着いてスコアをひっくり返したのはさすがでしたが、今後当たる強敵に対しては、運動量とコンビネーションの精度を上げていかないと厳しいでしょう。次戦は順当ならイングランド。プレミアリーグファンにとってはたまらない試合です。2枚のイエローをもらったカンテとラミ不在のゲームで、デシャン監督が選ぶ戦い方に注目したいと思います。

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“【ユーロ2016】開始2分にPKで失点も、一瞬の隙を突いたグリーズマンの2発でフランスが逆転勝利!” への2件のフィードバック

  1. yuto より:

    ジルーの落としはお見事でしたね。
    グリーズマンはハットトリックを逃したものの着実に違いの作れる攻撃性に加えてプレスもさぼらずと、とてもいい選手だと改めて実感しました。
    開催国の意地を見せた素晴らしいゲームがみれて満足です。

  2. makoto より:

    yutoさん>
    ジルー、素晴らしいです。ゴール数が少ないことだけをいわれがちですが、ポストプレイヤーとしてプレミアリーグNo.1だと思います。

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