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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【FAカップ3回戦2日め結果】代役がきっちり役割を果たし、リヴァプールとチェルシーは完勝!

さほど他人をうらやむことなく生きてきたつもりですが、ああ、今は隣の芝生が青く見えます。FAカップ3回戦、リヴァプールとチェルシーは文句なしの完勝。プレミアリーグのトッテナム戦に続いて、またもホーム連敗を喫したマンチェスター・ユナイテッドが消える姿を悠々と見送り、4回戦進出決定です。

ターンオーバーなどしない。ベストメンバーでいく。チェフが休養が必要であれば、GKをシュワルツァーにするぐらいだ」と高らかに宣言していたモウリーニョ監督。しかしこれは冷静に考えればアタリマエで、この後1週間弱、ゲームがないので必要以上に疲労を考慮しなくてもいい状況なのです。それなのに…プレミアリーグでほぼ毎試合出場のジョン・テリーとアザールを休ませるとは、ちゃっかり入れ替えてるじゃないですか!…モウリーニョ監督のコメントは、「FAカップを本気で獲りにいくから、お前ら、油断するんじゃねぇぞ!」という内に向けてのものだったのかもしれません。相手のダービー・カウンティは、チャンピオンシップ(2部相当)でレスター、バーンリー、QPRとプレミアリーグ昇格を争う元気なチーム。しかもこの試合は、アウェイのプライドパークです。昨季のウィガンのように、プレミアリーグ下位クラブやチャンピオンシップ上位クラブが、失うものがない状態で当たってくるのが怖いのは確かです。

守備的なエッシェンとミケルを並べたのは、「一発勝負なのでとにかく先に点はやらない」というメッセージだったのでしょう。その代償として、チェルシーは最初の60分をスコアレスで耐えなければなりませんでした。先制点は61分。プレミアリーグでチャンスを活かし、すっかりレギュラーに定着した感のあるウィリアンが、右サイドからのFKをニアにいたミケルにピンポイントで合わせ、ランパードの代役はヘッドで後ろにそらすだけ。いや、やっぱりいいですね、ウィリアン。モウリーニョサッカーに順応さえすれば、当初はサブでも扉は開かれ、これだけの活躍ができるわけで、マタの不遇を憐れんでいてはいけないのでしょう。

そして、追加点はその5分後。ペナルティエリア右からのオスカルの強いシュートを、正面で受けたGKグラントが弾ききれず、ここで勝負ありです。名手が揃うプレミアリーグなら、まず入らないシュートでしたが、1点は1点。チェルシーは、たった6分間で、ダービー・カウンティに往復ビンタをかまし、予定通りの勝ち抜けを決めました。ターンオーバーしても、代わって入った選手が次々に活躍し、むしろコンディションを上げていってしまうあたりに、チェルシーの順調さが伺えます。うーん、うらやましい。

そう、「代わって入った選手の活躍」といえば、本拠地アンフィールドにリーグ1(3部相当)のオールダムを迎えたリヴァプールも負けていません。こちらはミニョレ、シュクルテル、ルーカス、コウチーニョ、スアレスがベンチスタート。チェルシー同様、前半を0-0で折り返します。チェルシーと違いがあるとすれば、後半開始10分まで様子をみたうえでアザールを投入したモウリーニョ監督に対し、ロジャース監督は後半スタートからルイス・アルベルトとモーゼスを下げ、コウチーニョとルーカスを投入しました。予定行動かせっかちか、はたまた心配性かわかりませんが、後半が始まって10分もしないうちに、リヴァプールが先制です。決めたのは、まさにスアレスの代役、イアゴ・アスパス!ここまでチームにフィットせず、移籍の噂まであったテクニシャンに待望の一発が出ました。右からドリブルで一瞬、DFをかわしたスターリングのクロスを、ファーサイドでワンバウンドさせて逆クロスに抜いたボレーは、美しいのひとこと。これに82分のオウンゴールを乗せて、45分前に試合を終えたチェルシーに意地を張るかのような同スコア、2-0完勝です。調子がいいチームは、こうやって戦力に幅が出てくるものなんですね。うーん、ますますうらやましい。

この他では、サンダーランドもホームで順当勝ち。この日のジャイアントキリングの餌食は、チャンピオンシップ5位でそれなりに力があるとはいえ、ジェイミー・パターソンにハットトリックを決められてノッティンガム・フォレスト(このチームは、今でいうチャンピオンズリーグで連覇している古豪です)に5-0と大敗したウエストハムと、わがマンチェスター・ユナイテッドの2チームでした。いやー、ここ10年ご無沙汰していて、昨季サー・アレックス・ファーガソンが本気で勝ちにいったFAカップは、欲しかったタイトルだったんですけどね…。

こうなると、ここ10年でカップ戦優勝10回、クラブワールドカップ以外のタイトルをすべて制覇している「カップ戦マイスター」のチェルシーのダブルがあるかもしれませんね。マンチェスター・ユナイテッドは、プレミアリーグ4位死守が大ピンチになってますので、このうえは「リーグカップ制覇で来季、悲願の(?)ヨーロッパリーグ優勝を狙う」「チャンピオンズリーグ制覇でまさかの来季出場権ゲット」しかありません。リーグカップは、マンチェスター・シティが強いので、難しそうです。仕方がない、チャンピオンズリーグのほうをいただきましょう。チェルシーのみなさん、プレミアリーグとFAカップは差し上げますので、「トレブル」は諦めてくださいね!

■FAカップ3回戦 1/5開催分結果
リヴァプール 2-0 オールダム
マンチェスター・ユナイテッド 1-2 スウォンジー
ノッティンガム・フォレスト 5-0 ウェストハム
サンダーランド 3-1 カーライル
ダービー・カウンティ 0-2 チェルシー

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“【FAカップ3回戦2日め結果】代役がきっちり役割を果たし、リヴァプールとチェルシーは完勝!” への2件のフィードバック

  1. チェルシー より:

    更新おつかれさまです

    ランパードとイヴァノビッチはリヴァプール戦の怪我で1月下旬に復帰予定なのでユナイテッド戦にも出れるかわかりません(^^;

    4、5点とれそうな試合でしたがいつもに比べて緩かったのでとりあえず勝てばOKです

    今季はユナイテッドは我慢のシーズンになりそうですね
    昨季まではユナイテッド以外のサポーターがユナイテッドをうらやむ立場だったのでたまにはこういう経験もいいんじゃないでしょうか?(笑)

    僕はユナイテッドには強くいてほしいので先が見えないモイーズの続投にはあまり賛成できませんが、ユナイテッドサポーターの方はどうなんでしょうか?
    とはいっても後任候補も探すのは難しいですが…

    いっそのことモイーズをエバートンに返してマルティネスを引き抜ければおもしろそうですが

  2. makoto より:

    チェルシーさん>
    おお、そうでした。前回のセインツ戦の観戦記で、自分で「ランパードを欠きながら」と書いてますね。失礼しました。ときどきとっちらかって、ケガ人情報が抜けたりします。訂正させていただきます。

    モイーズの続投に関しては、私は反対です。理由は明確で、「仮に今の延長でうまくいっても、欧州で勝てるサッカーにならない」からです。サー・アレックスのサイド攻撃は、4-4-2の真ん中の4がフラットであることがミソで、サイドからボールを上げた時に、中に最大で5枚いるくらいの厚みがあります。モイーズのサイド攻撃では、センターの2枚の押上げが弱く、中が貧弱です。あくまでこれは「いろいろあるなかの端的な事象」ですが、このままやってもてっぺんはしれてます。

    次期監督は、いちばんいいのはユルゲン・クロップでしょうか。あるいは短命でもビエルサ、戦略・戦術の自在性でユヴェントスのコンテなどもいいですね。プレミアリーグもさることながら、「欧州で勝てるサッカー」が私のキーワードです。

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