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キャピタルワンカップ決勝はウェンブリーにふさわしい好ゲーム!マンチェスター・シティ、まずは一冠!

サンダーランド、よくやった!あっぱれマンチェスター・シティ!…昨日行われたキャピタルワンカップ決勝は、ウェンブリーという大舞台にふさわしいエキサイティングでおもしろいゲームでした。サンダーランドは、11月のプレミアリーグでマンチェスター・シティに勝っており、キャピタルワンカップ準決勝ではマンチェスター・ユナイテッドを土壇場のゴールとPK戦で破っています。GKマンノーネ、オシェイとウェズ・ブラウンという「元マンチェスター・ユナイテッドCBコンビ」が守備を固め、ミドルシュートが脅威のキ・ソンヨン、好調のサイドアタッカー・アダム・ジョンソン、リヴァプールから来たFWボリーニらが少ないチャンスを活かすという布陣です。

一方のマンチェスター・シティはアグエロが復帰。ナスリ、ダヴィド・シルヴァと絡みながら、ワントップのジェコのまわりを動きます。ネグレドとヘスス・ナバスがベンチスタートという、相変わらずの豪華キャスト。アグエロは、コンディションはまだ上がっていない印象でしたが、8分にいきなり強烈なミドルを放ってマンノーネを慌てさせるなど、いくつか彼らしいプレイはあったのではないでしょうか。

試合は開始早々から、マンチェスター・シティが両サイドを使って波状攻撃を仕掛け、サンダーランドは後ろを固めてカウンターという図式で進みます。最初にゲームが動いたのは、10分。何とプレミアリーグ降格候補のサンダーランドが先制です。ヤヤ・トゥレがロストしたボールが縦1本で大きく前線に出され、ボリーニとコンパニがこれを競り合います。一度はコンパニが抑えたボールはキックミスからボリーニに渡り、彼はそのままゴール前まで持ち込んで、右サイドの角度のないところからフリーでシュート!これが見事に決まって1-0。勢いがついたサンダーランドは、13分、右を主戦場とするアダム・ジョンソンのサイドチェンジからコルバックが左を突破。クロスであわやのシーンを創ると、15分にはCKをウェズ・ブラウンがヘッド。19分にもコンパニがキープするボールにボリーニが突っかかり、前線に出そうとしたパスを足に当てると、これがゴールをかすめるなど、再三にわたって追加点のチャンスを創ります。

マンチェスター・シティはボールを支配するものの、単発のミドルシュートとドリブル、横パスがほとんど。速いコンビネーションがなく予測しやすい攻撃に終始し、中盤でたびたびサンダーランドにカットされてカウンターを喰らいます。サンダーランドが悔やまれるのは、38分にボリーニがオフサイドぎりぎりから完全に抜け出し、GKと1対1になったシーンで2点めを奪えなかったこと。イタリア人FWは、あとはシュートを流し込むだけ、というところまで持ち込んだものの、コンパニが必死の戻りでCKに逃げてゴールはならず。前半は1-0で終わり、後半開始から10分まではサンダーランドのペース。ここまでくると、サンダーランドのサポーターならずとも、秋のプレミアリーグでの番狂わせの再現を期待し、興奮が高まります。

しかし、マンチェスター・シティは強かった!この苦しい流れをひっくり返したのは、ヤヤ・トゥレの一発でした。左サイドからのパスを中盤で受けたコートジボアール代表の司令塔が選んだのは、マークについたキ・ソンヨンも予測不能の、右足インフロントに引っ掛けたダイレクトのミドルシュート。カーブがかかったボールはGKマンノーネの指先を越え、左のサイドネットぎりぎりに飛び込むスーパーゴール!55分、ついに同点。次の1点が、試合の流れを決めるはずです。

そしてその1点は、同点からわずか1分後に決まります。リードを失い浮足立ったサンダーランド守備陣に、ダヴィド・シルヴァとコラロフが左サイドから仕掛け、中央を走るナスリにグラウンダー。このナスリのシュートがまた凄かった。右足アウトで回転をかけたボレーが、ゴール左隅に吸い込まれ、GKマンノーネはノーチャンス。たった2分で、1-2!押されている時間が長いサンダーランドにとっては、重い重い1点のビハインドです。

それでもここから、何としても勝ちたいサンダーランドが必死の反撃に移ります。途中から入ったスティーブン・フレッチャーがゴール右でフリーになりかける場面を何度か創りますが、この日は彼の日ではなかったのでしょう。ボールが足につかず、デミチェリスの寄せを許し、なかなかシュートに持ち込めません。マンチェスター・シティはコンディションが万全ではないアグエロを下げ、ヘスス・ナバスを投入。前がかりになるサンダーランドの裏を突くカウンターで勝負を決めにいきます。残り時間はわずか。このまま、強者が勝って終わるのか、それとも…?

クライマックスは89分。ハーフライン付近でFKを得たサンダーランドのキッカーは、何とGKマンノーネ。ゴール正面に高々と上がったロングフィードにサンダーランドが競り勝ち、右サイドに落としたボールに飛び込んだスティーブン・フレッチャーはフリーです。シュートさえ打てれば何かが起こったであろうこのシーンに、フレッチャーは痛恨のドリブルミス!切り返そうとしたボールを自らのスネに当ててしまい、ボールは無情にもゴールラインを割ってしまいます。

追加タイムに入り、さらに攻めようとするサンダーランドにとどめをさしたのは、マンチェスター・シテイの機械のように正確なカウンター1発でした。左SBのアロンソが強引にシュートを打とうとして中央でボールを奪取されると、5秒後には4対2の態勢に持ち込まれ、中央をドリブルで進んだヤヤ・トゥレが右に軽くラストパス。フリーで並走していたヘスス・ナバスがニアに強いシュートを叩き込み、1-3で勝負ありです。昨季はプレミアリーグでマンチェスター・ユナイテッドに独走を許し、FAカップ決勝ではウィガンに足元をすくわれたマンチェスター・シティ、2年ぶりの戴冠!80分までイエローカードがなかったフェアなゲームを、高い個人技で制しました。

サンダーランドは、美しかった。プレミアリーグの優勝候補筆頭クラブを相手に一歩も引かず、美しく戦い、美しく散りました。タイムアップの笛を聞いた瞬間、最北の地からウェンブリーに足を運んだサポーターが泣き崩れます。彼らもまた、どうしても勝ちたかったのでしょう。サポーターとチームが一体となって勝利を信じて戦ったサンダーランドは、ウェンブリーのファイナリストにふさわしいクラブでした。マンチェスター・ダービーでキャピタルワンカップを制したかったセミファイナリストのサポーターは、1ヵ月前の信じられない敗戦をまだ引きずっていたのですが、これですっきりしました。きっと、マンチェスター・ユナイテッドが戦っても、サンダーランドほどは優勝に近づけなかったでしょう。いい試合でした。本当に、おつかれまさまでした。

ペジェグリーニ監督、マンチェスター・シティの選手、スタッフ、そしてサポーターのみなさん。最初の1冠、おめでとうございます!プレミアリーグとFAカップ、チャンピオンズリーグと、シーズン4冠の可能性がまだ残っていますが、われわれのほうは無冠濃厚とはいえ、次のダービーは簡単には負けませんよ!

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“キャピタルワンカップ決勝はウェンブリーにふさわしい好ゲーム!マンチェスター・シティ、まずは一冠!” への3件のフィードバック

  1. マタマタ より:

    序盤はイマイチでしたが、シティの相変わらずの攻撃時のクオリティに楽しませてもらいました!アグエロの復帰は大きいですね。
    しかし、記事にありましたように、サンダーランドの健闘にも賛辞を送りたいと思わせる戦い方でしたね!!

    ユナイテッドのOBの活躍もベテランの良さを噛み締められる機会となったのではないでしょうか。
    まだまだ頑張ってもらいたいですね!

    いつも更新楽しみにしています。

    記事を楽しんだ後はちゃんとポチッとしてますので、これからもよろしくお願いしますね!!

    —–
    シティが優勝したのでプレミアリーグ6位でもELに出れますね!
    ユナイテッドサポーターには朗報かもしれません。
    随分と目標が低いですが、リバプールやマンチェスター・シティのサポーターに「モイーズ辞めないで!」と言われてる現状はあまりに惨めなので、自虐的にもなります(涙)

  2. makoto より:

    takaoさん>
    サンダーランドは、攻めの姿勢がはっきりしていてよかったですね。マンチェスター・シティは、「絶対に勝たねば」という重圧からか、いつもの彼らではありませんでしたが、あの場面でヤヤ・トゥレがスーパーミドルを打てるのが強さですね。いい試合だったと思います。

    バナークリック、ありがとうございます!引き続きがんばります。

  3. makoto より:

    マタマタさん>
    いやあ、朗報です。トッテナム戦観ながら、必死でカーディフを応援しているのも何だなぁ、と思いつつ、ELあるのとないので大違いです(涙)。

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