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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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感動した!トッテナムをキャピタルワンカップ決勝に導いた、勝負師エリクセンの2発のゴール!

FKのスペシャリストで、パスセンスのあるテクニシャン。こういう表現をすると、メスト・エジルや日本の中村俊輔のような、繊細でともすると線の細いイメージがある選手を想像しがちですが、この男は勝負強さやハートの図太さを兼ね揃えているようです。「ラスト5分の勝負師」クリスティアン・エリクセン。キャピタルワンカップ準決勝セカンドレグ、3部のシェフィールド・ユナイテッドに2ゴールを喰らって一時はトータルスコア同点とされ、ジャイアントキリングを喫する寸前に追い込まれたトッテナムを決勝に導いたのは、またしてもデンマーク代表の天才MFが決めた、終了間際の一発でした。

11月23日のプレミアリーグ12節、ハル・シティ戦の90分には、右足でクロスに放ったサイドネットへの美しい一撃。12月14日、スウォンジー戦の89分は、左サイドからのボールを受けてDFの股間を抜いたクレバーなショット。今季プレミアリーグで8ゴールを挙げ、ハリー・ケインと並んでチームのリーディングスコアラーとなっているエリクセンは、レスター戦とサウサンプトン戦でも勝負を決める一発を放っており、半分の4ゴールが決勝点。試合終了間際に決めた前述の2ゴールは、いずれも苦しんだアウェイ戦でした。今回のシェフィールド・ユナイテッド戦の舞台も、アウェイのプラモール・レーン。初戦をPK一発で競り勝ったトッテナムは、引き分け以上なら決勝進出でしたが、この試合もまた、格下のクラブ相手に予想外の苦しみを味わうことになりました。

ハリー・ケインが絶好調で、前線で再三ドリブル突破を決めていたトッテナムは、守備が脆く、CBフェルトンゲンとSBベン・デイヴィスの間のスペースに穴が開いていました。11分には、GKフォルムのファンブルからシュートをゴールライン上でブロックするピンチもあり、どちらがプレミアリーグ所属かわからない状態。この緊張感からチームを解放したのは、28分の先制点。「エリクセン劇場」第一幕は、体の震えがおさまらなくなるほどの感動的なFKでした。先日のFAカップで、ストークのボージャン・クルキッチが後ろからのヘッドをペナルティエリア外からのボレーで決めたゴールを「今季のベストゴール」と書かせていただきましたが、ゴールやや右から見事なカーブでGKの頭上を抜き、ファーサイドのポストの上部にぶち当てて決めたエリクセンの超絶FKも、間違いなくベストゴール候補です。いや、凄い。涙が出ます。

トータルで2点差としたトッテナムは守備の緩さを改善できず、後半に入っても攻め合いの展開。シェフィールド・ユナイテッドは、74分の選手交代で前線に刺客をしのばせます。77分、右からのアーリークロスにファーサイドからフリーで現れ、インサイドで軽く決めたのはアダムス。その2分後、右からの浮いたクロスをトラップ一発、DFに当てて突き刺したのは、これもアダムス。トータル同点に追いついた3部のクラブは、これも交代出場のリードがスルーパスから抜け出してあわや逆転というシュートを放つなど、ウェンブリーへのチケットを獲りにきています。しかし88分、「エリクセン劇場」の第二幕は、ハーフライン過ぎからのハリー・ケインのスルーパスから始まりました。オフサイドラインを見ながら左を抜け出したエリクセンが、左足で逆のサイドネットに転がしたゴールは、シュートというより、「ゴールへのラストパス」でした。

残り時間がなく、敗退のピンチに追い込まれているなかで、何という落ち着きぶりでしょう。イギリスメディア「BBC」によると、エリクセンはチームメイトに「とにかく自分にボールを集めてくれ」といっていたそうです。プレッシャーのかかる場面で、サイドネットを冷静に狙えるハートの強さ。試合後に残したコメントは、天才ならではのものでした。

「ウェンブリーに行けるのは大きいね。僕らはみんな興奮している。どちらかというと、1点目のFKのほうがよかった。あんなところに決まったのには少し驚いた。僕はそんなにFKを練習しているわけじゃないからね」

決勝の相手は、元日のプレミアリーグで5-3と粉砕したチェルシー。トッテナムとしては、ここで勝って6年ぶりのキャピタルワンカップ制覇を達成し、来季のヨーロッパへのチケットをまずは確保。勢いに乗ってマンチェスター・ユナイテッドやアーセナル、セインツを蹴落としてプレミアリーグ4位以内に入り、2枚持っているチケットのうち不要となったヨーロッパリーグをライバルに譲る、としたいところ。決勝戦が最後までもつれる展開となれば、勝負を決めてくれるのは…。

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“感動した!トッテナムをキャピタルワンカップ決勝に導いた、勝負師エリクセンの2発のゴール!” への1件のコメント

  1. makoto より:

    エリクセン、ヤバいですよね
    もとから上手い選手ではあったんですけど
    今シーズンで覚醒しつつある感じがします
    年齢に不相応と言えるほどの落ち着きぶりが逆に怖いくらい

    順調に行けば、あと2、3シーズン後にはスパーズという入れ物には収まらないかもしれませんね
    去年移籍してきたばかりですが、こうも活躍してくれると
    嬉しい一方、先に見える寂しさも感じてしまう次第です……

    —–
    スパーズ推しさん>
    チームを引っ張ろうとする意識が高まったのか、運動量も増えてよくなりましたね。リーグカップ決勝、楽しみです。

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