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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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何とフラミニが2発!アーセナルがライバルを敵地で下し、キャピタルワンカップ4回戦進出!

トッテナムにはエリクセン、アーセナルにはメルテザッカーが戻ってきました。キャピタルワンカップ3回戦でいきなり実現したノースロンドンダービー。プレミアリーグとチャンピオンズリーグでザグレブ、チェルシーに連敗を喫したアーセナルに対して、本拠地ホワイト・ハート・レーンにライバルを迎えるスパーズはヨーロッパリーグでカラバフ、プレミアリーグでクリスタル・パレスを撃破しており、直近の戦績は好対照です。GKにフォルムを起用したトッテナムは、ファシオとヴィマーのCBコンビ、両翼にはトリッピアーとダニー・ローズ。中盤の底にエリック・ダイアーが入り、シャドリ、タウンゼント、トム・キャロルにハリー・ケインという顔ぶれ。アルテタ、フラミニ、ラムジー、チェンバレン、ジョエル・キャンベルという初めての中盤で、コシールニーとガブリエウがベンチにもいないアーセナルは守備面に不安があります。

両者ともロングフィードが目立つ立ち上がり。ボールがよく動くテンポのいい試合ながら、お互いにサイド攻撃をつぶし合う展開で、シュートへの道筋が見えません。13分、左から縦パスに反応したラムジーが抜け出し、グラウンダーのクリアをジョエル・キャンベルがヘッドで狙うもバーの上。直後に右からのハイクロスがハリー・ケインの頭に届きそうになりますが、直前でチャンバースがクリアし、やはりシュートは打てません。引き気味に守るスパーズは、ジルーへの楔を徹底的にチェック。サイドの攻防を制したほうが、最初のゴールを奪いそうです。

26分、扉を開いたのは思い切りのいいミドルでした。左からのボールを中で受けてマークを外したチェンバレンの強烈な一撃はフォルムがセーブ。こぼれたボールに突っ込んできたのは、何とフラミニです。左足のシュートがゴールの上に突き刺さり、ガナーズ先制。反撃を仕掛けるトッテナムは、カウンターからエリクセンのパスをもらったダニー・ローズが切り返しを入れてフリーで右足を振り抜きますが、やや巻いてしまったボールはサイドネット。33分にもダニー・ローズがドビュッシーを抜き去りゴール前に迫りますが、出足のいいGKオスピナがブロックして同点を許しません。

37分、速攻で左サイドを上がったジルーのクロスにヘッドで合わせたジョエル・キャンベルが、勢い余って広告看板の裏に転がり込むシーンがありましたが大事には至らなかったようです。直後に左サイドのチェンバレンが敵陣でインターセプトに成功。一気に持ち込んで放ったコントロールショットは右に外れていきます。44分、ダイアーからキャロルに縦パスが入り、左にいたハリー・ケインに浮き球が出たシーンはアーセナル守備陣がコースを抑え、落としを左足で捉えたエリクセンのシュートはメルテザッカーがカット。ファールが少ないきびきびしたゲームは、アウェイチームリードで後半に入ります。

開始早々の49分、エリクセンがトッテナムサポーターを湧かせます。左から仕掛けたシャドリのパスを受けた司令塔の左足シュートがゴール左隅を襲うと、オスピナが素晴らしい反応で右に弾き出します。落ちた先にいたハリー・ケインのシュートがゴールに刺さるも、オフサイドがわかっていたエースは表情を動かしません。トッテナムペースの後半。ドビュッシーが不安なアーセナルは、55分に同点に追いつかれます。クロス職人トリッピアーの右からのクロスを、ファーサイドでキープしたシャドリが縦に1本持って高速クロスを入れると、チャンバースのクリアがゴールイン。1-1となってもアーセナルはオスピナへのバックパスが目立ち、攻撃のアイデアがあるのはホームチームのほうです。

66分の右からのCKは見ごたえがありました。逆サイドで待っていたハリー・ケインのスーパーバイシクルをゴールライン上でクリアしたのはギブス!ヴェンゲル監督は、たまらずジョエル・キャンベルを下げてアレクシス・サンチェス投入です。69分、スルーパスに飛び出したアレクシス・サンチェス得意の切り返しからの一撃はフォルムの正面。71分にはラムジーの縦パスからジルーがフォルムと1対1になりますが、GKが的確にコースを切ってCKに逃れました。ポチェッティーノ監督はシャドリを期待のデル・アリに代え、勝ち越し点を狙います。

しかし77分、失礼ながらまたも信じられないことが起こります。アレクシス・サンチェスのチャレンジングな縦パスがDFに当たり右に浮き上がると、落ち際を見事なボレーで右隅に決めたのは、何と何とフラミニ!2点とも、シュートを決めたことよりも彼がそこにいたことにびっくりです。デル・アリとヌンジーの途中出場コンビのシュートは実を結ばず、トッテナムは昨季プレミアリーグで負けなかったライバルに、ホームで敗れて大会を去ることになりました。

これぞプレミアリーグ、これぞダービー。両チームともスピードがあり、フェアなおもしろい試合でした。前半はダニー・ローズの突破、後半はトリッピアーのクロスとトッテナムの両SBは持ち味を出しており、エリクセンとハリー・ケインにも何度か惜しいシュートがありました。今夜の結果は、フラミニの積極性とメルテザッカー、オスピナの冷静な対応をほめるべきでしょう。しかし、何であそこにいたのでしょうね、フラミニは。プレミアリーグで出番がなく、戦力外だとばかり思っていたのですが、コクランがいないときはアルテタよりも頼りになるかもしれません。今ひとつ冴えなかったラムジーのお株を奪うような2ゴール、素晴らしい!(マテュー・フラミニ 写真著作者/Ronnie Macdonald)

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“何とフラミニが2発!アーセナルがライバルを敵地で下し、キャピタルワンカップ4回戦進出!” への5件のフィードバック

  1. リッキー より:

    いやー、フラミニ凄かったですね!仰る通り、なぜそこにいる!というようなポジショニングでした(笑)シュートもまるでストライカーのようでしたし!
    チェンバレンのチャレンジも良かったですね!
    それとキャンベル。もっと見たいなと思ってしまいました!

  2. ぐなきち より:

    フラミニは自分の役割を投げ捨てて上がってしまうことがあるんですよね・・・
    いつだったか忘れてしまいましたが守備固めで途中出場したのに上がっていってこぼれ球を押し込んだときも唖然としましたww
    アルテタにはゲームを作るパスがあるのでコクラン不在時には使い分けて欲しいですね

    ビッグロンドンを見に行ったときにも感じたのですが、ラムジーの不調が見てて辛いです
    カソルラ不在時やカソルラ不調時は中央で使ってあげて欲しいです

  3. 新参 より:

    フラミニ、神出鬼没でしたね。本来はラムジーにやってほしいプレーなのですが…
    カソルラ、コクランのダブルボランチが結成された影響を一番受けたプレーヤーなのかもしれません。2列目では常に目立ってしまい、神出鬼没ではなくなってしまう気がします(わかりにくくてすいません)。
    いつものダブルボランチが両方ともいなくなるレスター戦では、かつてブレイクしたときに組んでいたアルテタやフラミニとダブルボランチを形成することが予想されるため、本来の良さを取り戻すきっかけをつかんでもらいたいです。

  4. 実はグーナー より:

    フラミニ凄かったしキャンベルもなかなかで面白い試合でした
    アルテタとフラミニのダブルボランチはカウンターに激弱なんで正直怖いです

  5. makoto より:

    リッキーさん>
    フラミニ素晴らしかったですね。チェンバレンはもとより期待しているのですが、キャンベルはよく体を張ったプレイしており、見ていて盛り上がりました。

    ぐなきちさん>
    昨日のプレイは、いいオーバーラップとして手離しでほめてあげていいのではないでしょうか。

    新参さん>
    ラムジーは、後ろから目を光らせてスペースを見つけるのがうまいのだと思います。センターやらせてあげたいですね。

    実はグーナーさん>
    アルテタのカバーエリアが狭くなっているような気がして、心配です。まったく上がってこなくなりましたよね。

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