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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

FAカップ3回戦スタート。若手主体のリヴァプールが執念のドロー!(ただし相手は4部…)

いよいよ、この季節がやってまいりました。FAカップ3回戦が、1月8日~10日の3日間で開催されます。プレミアリーグ勢の先陣を切るのは、リーグ2(4部相当)に所属するエクセター・シティの本拠地「セント・ジェームズ・パーク」に乗り込む満身創痍のリヴァプール。名門クラブをホームに迎えることはほとんどないエクセターは、マッチデープログラムのページ数を「ヒルズボロの悲劇」の犠牲者の人数である96ページに増やし、追悼の意を表すという粋な計らいでレッズを歓待しています。

おお、背番号3、ホセ・エンリケを見るのはいつ以来でしょうか。ベンテケ以外、全員若手&サブという凄いスタメンです。GKボグダーン、最終ラインにエンリケとランダル、アストン・ヴィラから戻ってきたイロリ。中盤より前にはスチュワート、テイシェイラ、ブラナガン、ジェローム・シンクレア、ブラッド・スミス、ライアン・ケントと、プレミアリーグとは別な顔ぶれが並びます。このメンバーでどんなサッカーを披露するのか。今日ばかりは、マンチェスター・シティやチェルシーを圧倒したフルスロットルを見るのは難しいでしょう。

9分、何とエクセターがいきなり先制しました。縦パス1本で右サイドを上がったのはアレックス・ニコルス。中に入ってきたグラウンダーを、倒れ込みながら左足に当てたのはコナー・ニコルス。ボグダーンの右手は及ばず、ボールは左のサイドネットに転がります。ジャイアントキリングの第一歩に湧いたのも束の間、レッズは3分後に追いつきました。フィールド狭しと走り回っていたライアン・ケントが入れた楔が前線唯一のプレミアリーグクオリティ、ベンテケに入ると、カットしたボールをエクセター守備陣がクリアミスしてしまいます。これに反応し、GKを見ながら右足インサイドで左隅に流し込んだのは、ジェローム・シンクレア。ふわっとゲームに入ってしまったレッズは、これでようやく集中します。

ヤングレッズは、ブラッド・スミスとライアン・ケントが左右から仕掛けるサイドアタックと、ベンテケに当ててジェローム・シンクレアらがこぼれを狙うシンプルな攻撃。23分、右サイドからランダルが狙ったミドルはGKオレイニクが指先で弾きます。28分にはイロリのクリアミスが相手の目の前にこぼれるピンチがありましたが、復帰戦のCBが自らコースを切ってシュートを外させ、責任は取りました。

40分、自ら持ち込んで放ったスチュワートのミドルは、ジェローム・シンクレアに当たってしまいGKがキャッチ。直後、左からのクロスをヘッドで合わせたエクセターMFリベイロの一撃は決定的でしたが、ポストの脇に外れて勝ち越しはなりません。1-1でドレッシングルームに戻りたかったリヴァプールでしたが、またもこの人がやってしまいました。46分、リー・ホームズがCKを直接狙ったのは、ボグダーンがウィークポイントであるというインプットがあったからでしょう。トップチームの控えGKは期待通りにかぶってしまい、ボールはファーのサイドネットに突き刺さります。2-1、エクセターリード。後半は、ベンチにいるララナやルーカスの力を必要とするのでしょうか。

51分、前半はシュートチャンスがなかったベンテケのヘッドが枠を捉えるも、GKオレイニクがビッグセーブ。58分、クロップ監督は、ライアン・ケントを下げてチリベージャ。レッズは左からのクロスに中で競り負けるシーンが多く、最終ラインは落ち着きません。61分、イロリに倒されたトム・ニコルスの直接FKは、わずかにバーの上。エクスターが一方的に押し込む展開が続きます。

71分、ジェローム・シンクレアに代わってオジョが入ると、2分後にこの背番号54が素晴らしい仕事をしました。チリベージャのパスを左サイドで受けたオジョの高速グラウンダーは、ニアにいたDFにクリアされるものの、ゴール前に入っていたブラッド・スミスがボレーで押し込み、同点です。ようやくララナのウォーミングアップをやめさせることができたクロップ監督は、出来が悪かったイロリに代えてマグワイア。これは「ジャイアントキリングだけは勘弁」という用兵でしょう。最後はエクセターが押し込みましたが、レッズは何とか耐えてタイムアップ。クロップ監督は最悪の結果を回避し、アンフィールドでの再試合という若手のトレーニングの場を作ることに成功しました。

リヴァプールの勝利の瞬間をチラ見して流すぐらいのつもりだったのですが、ボグダーンが試合をおもしろくしてくれたために、最後まで本気観戦となってしまいました。感想ですか?えーと、「おかえり、ホセ・エンリケ!」「ブラッド・スミスは楽しみですね」「やっぱりGKとCBは補強しましょう」、そして最後に「どっちがプレミアリーグやねん!?」でしょうか。しかしまあ、この「ジャイアントキリングなるか?」というドキドキ感が、伝統のFAカップの醍醐味でもあります。そう考えると、いちばんのトピックスは「Wニコルス、見事!」ですね。それにしても、これだけ負傷者が多いチームが、いちばん試合数が多くなるとは…。レッズサポーターのみなさんには、いっぱい試合が観られてうらやましいですとはとてもいえません。(アーダーム・ボグダーン 写真著作者/Roger Gorączniak ブラッド・スミス 写真著作者/cady)

【FAカップ3回戦 日程・結果】
■1月8日
エクセター 2-2 リヴァプール

■1月9日
ウィコム VS アストン・ヴィラ
ワトフォード VS ニューカッスル
WBA VS ブリストル
ウェストハム VS ウォルバーハンプトン
ハートリプール VS ダービー・カウンティ
コルチェスター VS チャールトン
ピーターバラ VS プレストン・ノースエンド
アーセナル VS サンダーランド
バーミンガム VS ボーンマス
イプスウィッチ VS ポーツマス
シェフィールド・ウェンズデー VS フラム
ブレントフォード VS ウォルソール
バリー VS ブラッドフォード
サウサンプトン VS クリスタル・パレス
エヴァートン VS ダゲナム&レッドブリッジ
ノッティンガム・フォレスト VS QPR
イーストリー VS ボルトン
ハダースフィールド VS レディング
ハル・シティ VS ブライトン・ホーブ・アルビオン
ノリッジ VS マンチェスター・シティ
ミドルスブラ VS バーンリー
ドンカスター VS ストーク
リーズ VS ロザラム
ノーサンプトン VS ミルトン・キーンズ・ドンズ
マンチェスター・ユナイテッド VS シェフィールド・ユナイテッド

■1月10日
オックスフォード VS スウォンジー
チェルシー VS スカンソープ
ニューポート・カウンティ VS ブラックバーン
カーライル VS ヨービル
トッテナム VS レスター
カーディフ VS シュールズベリー

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“FAカップ3回戦スタート。若手主体のリヴァプールが執念のドロー!(ただし相手は4部…)” への5件のフィードバック

  1. たろう より:

    更新ご苦労様です。
    わたしも観るべきか悩んでいたのですが、体が自然と起き観てしまいました(笑)
    肝心のゲームですが、よくこのメンバーでドローまで持ち込みましたね。と、一定の評価はあげたいですが、
    ボグダンはまたしても致命的なミスを犯してしまいましたので、首脳陣の評価は相当落ちたかもしれませんね。
    次回のホームでの再試合はミニョレかと思います。
    イロリはヴィラでは試合にはほとんど出ていないので難しかったでしょうが良くなかったですね、、、。
    エンリケはよくぞ帰ってきました!ですね(笑)
    やはり冬の補強はCBとGKかなと改めて思いました。

    —–
    いつも更新有り難うございます。
    すみません。ひとつご質問があります。

    FAカップの放送はどこでやっているのでしょうか!?
    どこ探してもないような…

  2. nyonsuke より:

    更新ご苦労様です。

    引分け再試合は一番避けたかった結果です。
    次戦も若手中心でいくと思いますが、クロップ監督やスタッフの仕事量が増え、リーグや他のカップ戦に影響がでるとも考えられます。
    今回の収穫は、スミスが使えそうだけですかね。
    あとは、皆様おっしゃる通り、GKとCBは獲りましょうということですね。
    ミニョレ、ボグダンともに不安でいっぱいです。
    また、ベンテケはもう少しがんばってほしかったです。
    この試合に起用されたことが裏目にでないといいですが、さらに自信を落としてしまったかもしれませんね。
    クロップ監督のマネージメントに期待します。

  3. 名無し より:

    相手選手が自分の腕をボグダンの腕に絡めて動けなくしてるんですが、あれもファールにはならないんですね
    まぁはねのけろと言えばそれでおしまいですが
    GKがはねのける為に両手で相手選手を押すのはファールになるんですか?

  4. NA28 より:

    引き分けですが、トップチームでの経験が殆どない選手ばかりで、さらに満足な練習も行えない状況では、引き分けはまずまずの結果だったと思います。ただ、その結果だけは避けねばならない試合でもありました。

    スミスはもちろんケントやブラナガンといった選手にトップチームでの経験を積ませるいい機会、と割り切りたいところですが、その試合で新たに怪我人が出ないことを祈るばかりです。

  5. リバサポ より:

    普段アカデミーの試合を見てる者としては感動的な布陣でした。ケント、テイシェイラ、オジョはトップチームのパートタイマーとして期待できそう、シンクレアはfwの控えとしてベンチに入る機会も多くなるかと。
    アカデミーの人材を正しく還元できればチームとしての背骨が強くなるので、これからも期待してます。

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