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チャンスを逃し続けたリヴァプール、120分の決勝ゴールでFAカップ敗退!

キャピタルワンカップ準決勝では延長&PK戦でファイナル進出。FAカップは3回戦では格下のエクセター相手に再試合と、サッカー大好きリヴァプールがまたも120分かけてサッカーの楽しさを堪能しました。FAカップ4回戦リマッチ、アップトンパークで行われたウェストハムVSリヴァプール。プレミアリーグ6位と9位の対決は、GKアドリアンとコリンズを温存した以外はベストメンバーのホームチームに対して、レッズは若手中心の布陣。イロリ、スチュワート、フラナガン、ティシェイラ、チリベジャと、プレミアリーグ出場ゼロないしは1試合の選手を5人も並べています。注目は、負傷が癒えたコウチーニョと、ベンチで出番を待つダニエル・スタリッジとディボック・オリギです。

開始からしばらくは、リヴァプールのゲーム。14分のCKは混戦を制することができず、直後の左CKはベンテケがファーサイドにまわってボレーで合わせますが、GKランドルフが体を張ってクリアします。16分、ウェストハムは、パス2本のシンプルな攻撃でオブライエンが思い切りのいいシュート。DFに当たったボールはポストを叩き、惜しくも先制はなりません。26分、ティシェイラが左サイドを破ったシーンは、グラウンダーを受けたジョーダン・アイブがトラップミスをしなければ、こちらも1点ものでした。プレイにキレがあったティシェイラは、29分にコウチーニョの折り返しがDFに当たってこぼれたところを躊躇なく右足で叩きますが、ポストの左。34分には、左からゴールライン際に抜けたベンテケが、巧みなフェイントでコウチーニョにパスを通しますが、ニアからの左足のシュートはポストを直撃。ハマーズは命拾いします。

ベンテケとコウチーニョがきわどいシュートを放つ一方で、ウェストハムのタレントも負けてはいません。38分、中央からの直接FK。右隅を狙ったパイェのキックがポストにはね返されると、リバウンドにどフリーだったクヤテが痛恨の空振り。攻め合いながら0-0で終わるかと思われた前半終了間際、一瞬の隙を突いたウェストハムが先制します。パイェのパスを受けたエネル・バレンシアが左からクロスを上げると、アントニオの完璧なボレーにミニョレは反応できません。ハーフタイムは1-0。しかし、ウェストハムのリードは5分ともちませんでした。

48分、ベンテケが倒されて得たFK。壁がジャンプすると読んで足元を抜いたコウチーニョのキックはクレバーでした。左隅に転がったボールに、ランドルフは見送ることしかできません。56分、ベンテケとのコンビプレーで左を崩したブラッド・スミスの折り返しはクリアが甘く、ベンテケがボレーで狙うもオビアングがブロック。なかなか決められないものの、手ごたえを感じているのかベンテケの表情は晴れやかです。58分、高く浮いたボールに飛び出したミニョレは、いかにも落としそうでしたがやはりファンブル。競ったクヤテはシュート態勢に入れず、スチュワートが先に触ってくれて助かりました。おお、ついに復活、スタリッジ&オリギ!ティシェイラとコウチーニョを下げたクロップ監督は、90分で勝負をつける腹づもりだったのでしょう。

80分、ベンテケの直接FKはランドルフがセーブ。このところのプレミアリーグでは完全にサブに回っていた背番号9は、今日は好調です。90分、スタリッジのクロスのこぼれを狙ったジョーダン・アイブの一撃は、右に飛んだランドルフに阻まれました。1-1のまま決着はつかず。勝負は延長戦に持ち越されます。

97分、パイェのパスを中央で受けたノーブルのミドルは、ミニョレが横っ飛びでセーブ。2分後、クロスのクリアに右足を振り抜いたベンテケのボレーはポストすれすれを抜けていきます。さらにその直後、カウンターでスタリッジとのパス交換から裏に抜けたベンテケがランドルフと1対1。GKに足で止められたシュートは、あまりにも正直すぎました。サイドが代わった108分、スタリッジのミドルはわずかにバーの上。直後に右からのグラウンダーに合わせたスタリッジのラボーナは、途中出場のコリンズがカットしてCKに逃れます。これだけ決めきれなかったチームには、相応の結末が待っているものです。120分30秒、パイェのFK、左からヘッドで決めたのはオグボンナ!リヴァプールには、追いつくための時間は残っていませんでした。

勝利を逃した試合、アタッカーたちが決めきれなかった試合といういい方もできますが、リヴァプールにとっては「希望に満ちた敗戦」でもあったのではないかと思います。フィニッシュに精度を欠き、1点しか奪えなかったものの、最近のプレミアリーグと比べると攻撃のスピードが格段に上がっており、シュートに至るまでのプロセスの多彩さにはテンションが上がりました。若手に貴重な経験を積ませることができ、ストライカーが3人もいるピッチを観られたのも収穫です。勝ったウェストハムを「最後までよく耐えた」とリスペクトしつつ、リヴァプールには、「キャピタルワンカップ決勝がさらに楽しみになりました」とエールを送りたいと思います。いや、おもしろかった!

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“チャンスを逃し続けたリヴァプール、120分の決勝ゴールでFAカップ敗退!” への4件のフィードバック

  1. Macki より:

    このウェストハムとの2戦でケヴィンスチュワートが本当に素晴らしくて驚きました
    14年にスパーズから来て去年ローン移籍を繰り返していた選手だったと思いますがポジション的にもコクランのような出世を思わず期待してしまうような笑
    質が欠けてるポジションですしイングランド人ということもあって彼がこのまま台頭してくれると大金をかけて誰かを連れてくるより嬉しいのですが

    最重要選手の復帰と共にスチュワートなどの見事なアピールもあって「まあ日程が楽になるから」と敗戦という結果の傷は多少和らいだかな

    —–
    更新ご苦労様です。
    ハマーズには4戦やって0勝という数字ですが、若手主体で臨んだゲームだったので、負けはしましたがポジティブな要素が詰まったゲームだと思います。
    テイシェイラやスミス、スチュワート、アイブと若手の躍動は将来に繋がるので、今後リーグ戦でも観たいところです。
    FA杯は敗退しましたが、続々と主力が復帰してきたのでCOC決勝が楽しみです!

  2. makoto より:

    無名さん>
    スチュワート、ティシェイラ、ブラッド・スミスは先が楽しみですね。できればもうしばらく「ヤングレッズ」を見たかったので、残念ではありますがおもしろかったです。

    Mackiさん>
    同感です。キャピタルワンカップ、ホントに楽しみです。

  3. サージェントペパーズ より:

    更新お疲れ様です。
    内容はよかったもののフィニッシュで精彩を欠き点を奪えない。セットプレーからの失点。まさにリヴァプールらしさ全開の試合でした。まぁこれでハードスケジュールも少しは治まると前向きに考えることにします。
    今季はキャピタルワンのタイトルを獲れれば満足です。

  4. makoto より:

    サージェントペパーズさん>
    スタリッジとコウチーニョに目処が立ち、ベンテケが楽しそうにしていたのが収穫ですね。勝てた試合だったので、戦い方としては30点かもしれませんが、キャピタルワンカップやヨーロッパリーグのほうが優先順位が高いとすれば、その準備としては満点に近い試合だったと思います。

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