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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ウェストハムがチェルシーに快勝!EFLカップはベスト8のドローが決定!

マンチェスターダービーより15分早く始まったゲームは、こちらも注目の一戦。ウェストハムは、直近のプレミアリーグで2勝1分。チェルシーは、7節のハル・シティ戦で3バックにスイッチしてから、すべてクリーンシートでプレミアリーグ3連勝。マンチェスター・ユナイテッド戦では4発叩き込んでおり、3試合で9ゴールの攻撃は破壊力抜群です。ハマーズの本拠地オリンピック・スタジアムで行われた「復調対決のロンドンダービー」は、このところ守備がいいチーム同士の戦いだけに、1点を争うゲームになると予想していたのですが、少々意外な結果に終わりました。アザール、ペドロ、ジエゴ・コスタの好調3トップを後半から注ぎ込んだコンテ監督は、結果的にはビハインドを取り戻しにいくのが遅れたようです。先に2点を奪ったウェストハムが、相手の反撃を追加タイムのケーヒルの一発に抑え、ベスト8に駒を進めました。

負け続けていた時期はマイケル・アントニオとパイェ以外に覇気がなかったウェストハムに、獰猛さが戻ってきたという印象です。キックオフから11分と後半開始3分というゲームが落ち着かない時間にゴールを奪えたのが、最大の勝因だと思います。カンテの強烈なシュートをランドルフがビッグセーブでしのいだ後、右からのパイェのCK。左サイドに流れ、ランジーニが中に入れたボールをバックヘッドで流したクヤテのシュートは、ポストの内側に当たってネットを揺らす最高の弾道。弾き出せなかったベゴヴィッチを責めるのは酷でしょう。14分にランジーニとクレスウェルで左サイドを崩し、ラストパスに走り込んでシュート態勢に入ったパイェが倒れたときは、PKを宣告する笛が鳴るかとヒヤヒヤしました。

奪ったボールを縦に進めて、直線的にゴールに迫るチェルシーの攻撃は迫力がありましたが、フィニッシュが決まらず、前半のうちに追いつくことができませんでした。21分、今季になってプレミアリーグデビューを果たした21歳のチャロバーが狙ったミドルは、バーの手前で落ちてくる素晴らしい一撃でしたが、ランドルフが指先でセーブ。前半終了間際にカンテが右足アウトで中央に入れたボールをウィンストン・リードがカットすると、こぼれ球に反応したオスカルがこちらもアウトにかけて左隅を狙いましたが、ぎりぎりでポストの外に逸れてしまいました。前半を1-0で終えるか同点で畳むかは大違い。後半が始まってすぐにハマーズが決めたゴールは、右サイドでテリーからボールを奪ったマイケル・アントニオのスピードとラストパスが秀逸でした。

アントニオがクロスを入れると、ボックスの左でフリーとなり、ベゴヴィッチと向かい合ったのはディミトリ・パイェ。脇を抜こうとした左足シュートはGKが体を張ってブロックしますが、カンテのクリアがはっきりせず、右サイドにまわったボールを持ち込んだ若いストライカーが決めました。スイスのシオンからやってきた20歳のエジミウソン・フェルナンデスの移籍金は550万ポンドで、アイェウの1/4。ビリッチ監督が主力にカウントしていたのはアンディ・キャロル、シモーネ・ザザ、カジェリのはずで、シオンでもリーグ戦で2ゴールしか決めていない選手をプレミアリーグの序盤戦で起用するとは考えていなかったでしょう。バイタルエリアに入るやいなや、迷いなく左足を振り抜いたシュートは、ベゴヴィッチのグローブの先を抜ける完璧なラインを描きました。

2-0とされたコンテ監督は、すかさずバチュアイに代えてプレミアリーグ得点王のジエゴ・コスタを投入し、さらにチャロバーをアザール、オラ・アイナをペドロにチェンジ。マンチェスター・ユナイテッドを翻弄した3人を揃えたものの、最初のゴールを奪う前に追加タイムを示すボードが掲げられてしまいました。アザールのCKに合わせたオスカルのヒールキック、縦パス1本で抜け出したジエゴ・コスタが打たせたウィリアンの右足、ウィリアンの縦パスでGKと1対1になったジエゴ・コスタなど、前の3人が揃ったチェルシーは決定機を何度も創ったものの、ことごとくシュートが枠にいきませんでした。ウィリアンのFKをダヴィド・ルイスがヘッドで落とし、アスピリクエタ、ケーヒルとCB3枚でまわして決めた珍しいゴールが枠におさまったときには、90分を4分も過ぎており、ゴールセレブレーションをする余裕がないほどにチェルシーは追い込まれていました。

後半の早い時間に一発決まっていれば、チェルシーは追いついていたでしょう。敗れた青いユニフォームにとって収穫だったのは、オラ・アイナ、チャロバーに経験を積ませたことと、オスカルが実戦の感触を得たこと。ホームチームにとって勝利と同じぐらい喜ばしかったのは、プレミアリーグ開幕戦で負傷したアイェウの復帰です。ハマーズは、上位にとってやっかいだった昨季の粘り強さを取り戻すのではないでしょうか。2月のウェンブリーでこのチームがトロフィーを掲げていても、私は驚かないでしょう。これから当たるトッテナム、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナルのスタッフは、序盤に済ましておきたかったと嘆いているかもしれません。

EFLカップは、クォーターファイナルのドローが発表されました。リヴァプールはリーズ、マンチェスター・ユナイテッドがハマーズ、アーセナルは先ほど1-0でサンダーランドを下したセインツと対戦。すべて上位がホームとなっており、リヴァプール、アーセナル、(願望を込めて)マンチェスター・ユナイテッドとベニテス監督のニューカッスルが年を越すのではないかと思います。昨季はカップ戦で2つも準優勝だったクロップ監督は、プレミアリーグに来てから初めてとなるタイトルを獲りたいでしょう。準々決勝は、11月の最終週に開催されます。楽しみです。(シェイフ・クヤテ 写真著作者/Egghead06)

【EFLカップ準々決勝組み合わせ】
リヴァプール VS リーズ・ユナイテッド
マンチェスター・ユナイテッド VS ウェストハム
ハル・シティ VS ニューカッスル
アーセナル VS サウサンプトン

【EFLカップ4回戦結果】
10月25日
アーセナル 2-0 レディング
リヴァプール 2-1 トッテナム
ブリストル 1-2 ハル・シティ
リーズ・ユナイテッド 2-2(PK3-2) ノリッジ
ニューカッスル 6-0 プレストン・ノースエンド

10月26日
ウェストハム 2-1 チェルシー
マンチェスター・ユナイテッド 1-0 マンチェスター・シティ
サウサンプトン 1-0 サンダーランド

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“ウェストハムがチェルシーに快勝!EFLカップはベスト8のドローが決定!” への4件のフィードバック

  1. おはむ より:

    ウェストハム強かったですね、この試合の内容を続ければ間違いなくEFLは優勝できます。
    スイスU22の代表でスーパーゴールを決めていこうフェルナンデスの調子がいいのもいいです。
    しかし、オックスフォードの行き先が不透明なことが心配です

  2. K より:

    レッズとしては久々のタイトルに期待してます。タイトルを取れたら自信が付いてプレミアに良い影響を与えてくれるでしょう

    チェルシーは攻撃陣、シティは守備陣の層が薄いですね。チェルシーは迷走中のチーム相手とはいえ完勝の3連勝でアザールが機能すれば強いし、シティは純粋に最高戦力を誇るチームなので消えてラッキーです

    あとは良いサッカーをしてるアーセナルが何処まで健康体でいられるかが鍵になりそうです

  3. パチ より:

    ウェストハムもよかったですが、この試合のチェルシーの3バックはちょっと微妙でしたね。
    前半はテリーが真ん中でしたがパスの起点としての役割を果たせず、3バックが狭まりWBが下がらざるをえず攻撃が中央に偏りすぎだったかなと思いました。コンテも感じたのか後半からルイスを中央にテリーを左CBにしましたがそのテリーの所であっさりかわされてボールを運ばれた後に2失点目、と厳しい展開に…。
    正直テリーはコンテの考える3バックでは厳しいかなと感じた試合でしたね。

  4. makoto より:

    おはむさん>
    「間違いなく」ですか?いい試合はできると思いますが、レッズとアーセナルは相当強そうですよ。

    Kさん>
    1チーム、忘れてませんか?最高戦力のチームに、何とか勝ったのですが(笑)

    パチさん>
    この試合の出来だけでいえば同感ですが、何しろ初めてでトップフォームでもなかったので、慣れるための時間は必要なのではないかと思います。

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