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やはり最後は飛び道具…神の決勝ゴールでマンチェスター・ユナイテッドがベスト8進出!

ジャイアントキリング続きのFAカップ5回戦。プレミアリーグ勢では7番めの登場となるマンチェスター・ユナイテッドは、チャンピオンシップ23位のブラックバーンとアウェイゲームを戦います。コミュニティシールドを制し、すべてのコンペティションを勝つ可能性を残しているクラブは、順当にベスト8に進出することができるでしょうか。カップ戦で起用されるロメロがゴールマウスに立ち、最終ラインはアシュリー・ヤング、ロホ、スモーリング、ダルミアン。アンカーにキャリック、インサイドMFにエレーラとリンガード。前線の3人はムヒタリアン、ラシュフォード、マルシアルです。静かに立ち上がったゲームは、5分過ぎからマンチェスター・ユナイテッドのペースです。サイドにボールが出た後、ラストパスを出すまでに至らないアウェイチームは、シュートを打てないまま16分を経過。両チーム最初のシュートは、ブラックバーンのエムネスです。

17分、再三ドリブルで仕掛けていたエムネスが、中盤でロホを振り切るとスモーリングの裏に縦パスをフィード。グラハムが一瞬フリーになり、左足でクロスに打った一撃が右のサイドネットに突き刺さります。20分のFKで、ようやくリンガードが初めてのシュート。力のないヘッドをGKスティールにさばかれた低調なチームは、プレミアリーグ勢3つめの屍と化してしまうのでしょうか。24分、右サイドを走ってスルーパスを受けたのはリンガード。中に浮かしたボールはクリアされますが、フォローしたエレーラが強烈なダイレクトショットを放つと、スティールは何とか両手で弾き返すしかありません。2分後、遠めから狙ったムヒタリアンのミドルシュートは、わずかに右に逸れていきます。

27分、1-0で勝っていたブラックバーンが、上がっていた最終ラインの後ろのスペースを突かれます。カウンターを仕掛けたのはムヒタリアン。自陣からアウトにかけて出したスルーパスは、快足ラシュフォードの足元におさまるエクセレントなボールでした。19歳のストライカーが、軽々とGKをかわして無人のゴールに流し込み、1-1。イーブンに戻ってからは、マンチェスター・ユナイテッドの攻勢が続きますが、強引な縦パスとサイドからの単独突破が目立ち、ことごとくブラックバーンの守備網に引っかかります。37分、右サイドからのロングフィード一発で、コンウェイがアシュリー・ヤングの裏に出たチャンスはヒヤリとさせられました。1点めと同じような位置からの左足シュートは、今度は抑えが効かず、ロメロの頭上を越えていきます。前半終了間際のアシュリー・ヤングのクロスは、リンガードのヘッドが左に外れてしまいました。マンチェスター・ユナイテッドは、前線で短いパスが合わないシーンが多く、ボールの奪われ方が悪いのが気になります。

後半もアウェイチームのペースですが、49分の最初のシュートはブラックバーン。右からのクロスのこぼれ球を捉えたコンウェイのボレーは、ロメロの正面で助かりました。ここまで、どうもマルシアルが元気がありません。左から崩すシーンはなく、引いているホームチームに対して足元へのパスが続いています。モウリーニョ監督は、プレミアリーグとヨーロッパリーグに専念させたいイブラヒモヴィッチとポグバにアップを命じたようです。62分、リンガードとマルシアルに代わって、2人がピッチに入りました。63分に右からエレーラが入れたシュート性のグラウンダーは、スライディングしたズラタンの足がわずかに届きません。

後ろを固めるブラックバーンを崩せないまま、残り時間は20分を切りました。76分、勝ち越しゴールは、「やっぱりそれですか!?」と笑ってしまうぐらいのあっさりした一発。自陣からのポグバの浮き球でラインの裏に抜けたズラタンが、狙い澄ましたインサイドを右のサイドネットに流し込みました。ブラックバーンの決定機は86分。途中出場のマホニーが、右サイドから3人をかわして中に斬り込み左足を振り抜くと、ロメロがファンブル。エムネス、ストークスが次々とシュートを放つも、最後はオフサイドを取られてチャンスは潰えます。ラシュフォードをマタに代えて中盤を締めたマンチェスター・ユナイテッドが、1-2の辛勝ながらベスト8進出を決めました。

ラインの裏を突くキラーパス2発の勝利。相手の守備を崩しきるシーンはなく、決してほめられた出来ではなかったものの、飛び道具があることの素晴らしさを実感しました。このチームがすべてのカップ戦で残っているのは、最終ラインが大崩れせず、高さと一発のパスという手っ取り早い武器があるからでしょう。1年前に彗星のように現れた19歳と、夏に獲得した新戦力3枚が速攻でもぎ取ったゴールシーンに、チームのモデルチェンジをあらためて感じました。FAカップのディフェンディングチャンピオンは、今季もベスト8進出です。

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“やはり最後は飛び道具…神の決勝ゴールでマンチェスター・ユナイテッドがベスト8進出!” への3件のフィードバック

  1. sini より:

    ダルミアンが微妙でした。
    ブリントの最近のプレーも軽いですし、ショーは怪我以来本調子が戻ってないようですしユナイテッドの左SBは心配なポイントです。
    ただ、とにかく勝てたのは良かったです。

    —–
    ブラックバーンが素晴らしかったです。
    伝統的に彼らはユナイテッドを苦しめるチームでしたが、降格以来久しぶりのこのカードで、ユナイテッドをここまで苦しめることができるとは思いませんでした。
    Venkysの買収以来ポジティブな話題がなく、外資による資金注入のネガティブな側面の代名詞のようになって久しい彼らですが、一日も早いプレミア復帰と、Venkysからの脱出を願っています。

  2. ユナイテッド より:

    ポグバのショート、ロングパスの精度はずば抜けてますね。
    今年ユナイテッドが相手を押し込みながら両サイドを攻め立てられるのはポグバが右サイドのバレンシア、マタにピンポイントで展開できることが一つの要因だと思います。他チームのボランチが逆サイドに展開するときにミスが目立つことがありますが、ポグバはほとんどないですから。
    抽選で下部クラブを引く可能性が高い状況下でスタンフォードブリッジのチェルシーを引き当ててしまったので勝利するためにもイブラ、ポグバ、ムヒタリアンだけでなく、他の選手の奮闘も不可欠です。
    長くなってすいません^_^

  3. makoto より:

    不知火さん>
    左は簡単に抜かれることが多いですね。ルーク・ショーに定着してほしいのですが。昨季、あの悲しい負傷の前までが素晴らしかったので。

    siniさん>
    同感です。何しろプレミアリーグを制覇したクラブですしね。

    ユナイテッドさん>
    いえ、おっしゃるとおりです。ポグバをゴールやアシストで見ようとする記事があるたびに、残念に思ってました。ロングフィードの精度で、高い移籍金をかなり取り返してますよね。

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