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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

リヴァプールサポーターに聞いた「放出すべき選手・残したい選手」調査結果がおもしろい!

「リヴァプール・エコー」紙に興味深い記事があったので、取り上げさせていただきます。2014年7月、香川真司やチチャリート、ウェルベックがファン・ ハール監督の構想外になったと報じられたとき、地元紙「マンチェスター・イブニング・ニュース」が実施したサポーター向けアンケート「放出か?残留か?」。これは、インターネットでサポーターに呼びかけ、クラブに所属する選手に対して「Keep or Sell」の二択で印をつけてもらう企画です。

プレミアリーグ上位返り咲きをめざし、リストラクチャリングを進めていたこのクラブで、絶対残せといわれていたのがデ・ヘアやヤヌザイ。逆に売ってくれとサポーターが大合唱したなかに、支持率5%で最下位だったアシュリー・ヤングやフェライニがいました。1年後の今、デ・ヘアがレアル・マドリードに出て行こうとしており、ヤヌザイにも放出の噂が立つ一方、不支持票爆発だった2人はプレミアリーグ4位キープの立役者であり、来季プレミアリーグでも貴重な戦力です。この結果を見て、あらためて「未来に対しては謙虚であらねば。誰がチームを助けてくれるのかは、実際に戦ってみないとわからないのだから」と思う次第です。

さて、今回はリヴァプール版「放出か?残留か?」です。売ってほしい選手のTOP5のうち、3人までが昨季空回りしたFWの選手でした。全体でもトップとなったボリーニは、市場が開くたびに移籍騒動となる状況に、サポーターも「いい加減に決めてほしい」と思っているのでしょう。バロテッリとリッキー・リー・ランバートは、2人足してプレミアリーグ3ゴールではやむなし。5位のスターリングについては、これだけマンチェスター・シティとの交渉が話題となっても、3人に1人は「放出すべきではない」としていることにびっくりです。やはり、ここ2年の活躍が印象に残っており、できれば残留してほしいと願う熱狂的ファンが一定層いるのでしょう。私も、デ・ヘアの奇跡的な残留を祈っている身ですので、お気持ちはよくわかります。

●「放出するべき」が50%以上
ファビオ・ボリーニ→95%
ホセ・エンリケ→78.9%
マリオ・バロテッリ→74.9%
リッキー・リー・ランバート→74.7%
ラヒム・スターリング→65%

そして、残留させるべき選手のほうでは、TOPがフィリペ・コウチーニョ、2位がジョーダン・アイブ、3位がエムレ・ジャン。ヘンダーソンはすぐその下に入っているものの、最終ラインを支えてきたシュクルテルが、微差ながらもさほど上位にこないのが特徴的です。マンチェスター・ユナイテッドでも、マタやファン・ペルシが90%を超える一方で、クラブのシンボルであるルーニーが82%、アンタッチャブルなキャリックが71%と数字が上がりませんでした。

●「残留させるべき」が50%以上
フィリペ・コウチーニョ→99.1%
ジョーダン・アイブ→98.5%
エムレ・ジャン→97.9%
ジョーダン・ヘンダーソン→97.3%
ダニエル・スタリッジ→95.9%
アダム・ララナ→95.1%
アルベルト・モレノ→92.2%
ジョン・フラナガン→92.1%
マルティン・シュクルテル→91.9%
ママドゥ・サコ→91.3%
シモン・ミニョレ→89.6%
ラザル・マルコヴィッチ→87.5%
アンドレ・ウィズダム→73.3%
ルーカス・レイヴァ→72.3%
チアゴ・イロリ→64.6%
コロ・トゥレ→62.4%
デヤン・ロブレン→58.6%
ジョー・アレン→53.6%
ハビエル・マンキージョ→53.4%

マンチェスター・ユナイテッドとリヴァプールの数字を見るにつけ、私なりに思うところが2つあります。ひとつめは、最上位に来る選手について。サポーターのほとんどが出さないでほしいという選手は、「苦しいときにクラブを救ってくれた選手」「大化けが期待できる若手有望株」のいずれかです。前者はデ・ヘア、コウチーニョに加え、昨季プレミアリーグで最終ラインにコンバートされて奮闘したエムレ・ジャン。1年前は、ファン・ペルシも大事なシーンで決めてくれる救世主的な存在でした。当時のマン・ユナイテッドのファンはヤヌザイが次世代の中心選手になることを夢みており、現在のレッズではジョーダン・アイブがスターリングの不在を忘れさせてくれると期待されているのでしょう。

ふたつめは、主力にも関わらず多少なりともアンチ層が存在してしまう選手の「嫌われる理由」です。ルーニーとルーカスは過去に移籍を匂わせてしまったため、キャリックは負傷が多いことが影響していたのだと思われます。サポーターは、「クラブを愛しているか」「クラブに貢献してくれているか」に敏感ですよね。シュクルテルに10%弱の「Sell」がついているのはなぜでしょう。「もっと力のあるCBが中心にいないと、チャンピオンズリーグの常連になれない」ということなのか、マンチェスター・ユナイテッド戦でデ・ヘアに絡んだラフプレーが嫌われたのか。ミニョレが90%弱で近いところにいるのを見ると、ベルギー代表とは同等の評価とは思えないCBについては、実力以外の理由で敬遠している層がいるような気がします。

ジョー・アレン、低いですね。期待外れという評価が多そうなデヤン・ロブレンより低く、年明け以降プレミアリーグで出場がなかったマンキージョと同等というのは、いかなる理由によるものでしょうか。とはいえ、全体的にはリヴァプールサポーターの「残すべき」票は高いです。マンチェスター・ユナイテッドでは80%以上が売るべしと主張した選手が5人もおり、同じ企画を4月にマンチェスター・シティでやった際には、マンガラ、コラロフ、ヤヤ・トゥレらの不支持票が60~70%でした。現地のレッズサポーター、前向きで熱いです。

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“リヴァプールサポーターに聞いた「放出すべき選手・残したい選手」調査結果がおもしろい!” への2件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    この時期はこの手の記事をメディアは提供してくれるので、移籍マーケット情報と照らし合わせてみると面白いですね
    FW陣が軒並みSell対象なのは頷けますが、アレンがご指摘の通り低いのが意外でした。アイブは後半戦からの鮮烈デビューがサポーターの印象に大きく残ったのでしょうね。かく言う私もその一人です。

  2. makoto より:

    Mackiさん>
    同感です。私は、「ジョーダン・アイブはスターリングよりいい選手になるのでは?」と思っているぐらいです。

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