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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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コロ・トゥレは現役続行&退団、アッガー引退。リヴァプールを支えた2人のCB、それぞれの決断

自国のクラブで過ごした数年を除くすべての時間をプレミアリーグに捧げた、2人の忘れ得ぬプレイヤー。ダニエル・アッガーとコロ・トゥレが、来季の身の振り方について対照的な発表をしました。度重なる負傷に勝てず、31歳の若さで引退を選んだのはアッガー。コーチングスタッフとしてリヴァプールに残らないかと請われながらも、現役続行・退団を選んだのが35歳のコロ・トゥレです。レッズサポーターのみなさんにとっては、感慨深い夏となりました。それぞれの足跡をあらためて辿ってみましょう。

母国デンマークのブレンビーから、アッガーがリヴァプールに入団したのは2006年の冬でした。翌シーズンからレギュラーに定着。闘志あふれるプレイでファンを魅了したアッガーは、8年半という長い時間をリヴァプールで過ごし、その間のプレミアリーグ出場は175試合。2013-14シーズンはジェイミー・キャラガーの後を受けて副キャプテンまで務め、右手の指に「YNWA」のタトゥーを入れるほどのチーム愛にあふれた選手が、サポーターのアイドルにならないわけがありません。

2014年にリヴァプールを退団した後、古巣のブレンビーに復帰していたアッガーは、先月のリーグ戦でタックルを受けて負傷。6月にキリンカップで来日するはずだったCBは、代表を辞退したときには意志を固めていたのでしょうか。会見では、思うようにプレイできなくなったことが、引退を決めた理由だと語っています。

「厳しい決定だけど、これでスイッチを切る。最近2~3年は受け入れられるレベルだったが、そんなレベルでは充分じゃない。これ以上、レベルが下がるのは嫌だった。ここで止まるべきだ」(引退発表会見より)
「いつも応援してくれてありがとう。素晴らしい経験をさせてもらった。悲しいけれど、歩みを止めるのが正しい決断だ。自分のキャリアを誇りに思う」(Twitterより)

一方のコロ・トゥレは、生まれ育ったコートジボアールのASECミモザから2002年にアーセナルに入団。ヴェンゲル監督の下で7シーズン、マンチェスター・シティで4シーズン、2013年にリヴァプールに入団してから3シーズンと、14年の長きに渡ってプレミアリーグの顔となりました。アーセナルではソル・キャンベルとのCBコンビを組み、「ザ・インビンシブルズ」の一員として2003-04シーズンの無敗優勝に貢献。多大な投資で強化を進めていたマン・シティに見初められ、クラブが頂点に駆け上がるプロセスを体験したコロ・トゥレは、ロベルト・マンチーニ監督とともにプレミアリーグ制覇とFAカップ優勝を達成しています。

リヴァプールではタイトルに恵まれなかったものの、負傷者が多かったチームの最終ラインを冷静なプレイで支えました。チームをうまく落ち着かせ、ビジャレアルとの2試合を1失点に抑えたコロ・トゥレの貢献がなければ、ファンに夢を見せたヨーロッパリーグ準優勝はなしえなかったでしょう。1~2年でクラブを変える選手が増えているなか、在籍したクラブすべてで3年以上を過ごし、監督やスタッフ、チームメイトの信頼をえていた稀有なプレイヤーでした。プレミアリーグ出場353試合は、素晴らしいのひとことです。

アッガーに「おつかれさまでした。素晴らしいプレイを見せていただき、ありがとうございました」と感謝の言葉を捧げるとともに、コロ・トゥレの新天地での活躍を祈ります。最後に…。2014年8月30日、リヴァプールを去る際に残したアッガーの言葉を紹介させていただいて、この稿をお開きといたします。(ダニエル・アッガー 写真著作者/Ilya Khokhlov)

The club itself is very special and I shall remain a supporter for the rest of my life. I regard every game I played at Anfield as a privilege.(このクラブは、僕にとってとても特別なクラブだ。これからの人生でも僕はずっとリヴァプールのサポーターであり続ける。アンフィールドでプレイしたすべてのゲームで、本当に光栄だと感じていた)」

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“コロ・トゥレは現役続行&退団、アッガー引退。リヴァプールを支えた2人のCB、それぞれの決断” への5件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    ともにタイプの異なるプレイヤーですが、アッガーのクラブに対する忠誠・思いは深く忠実だったと思います。忘れられないのはトーレスがチェルシーへ移籍したあとのチェルシー戦です。トーレスへのタックルはクラブを出て行った者への一つの回答であると感じます。キャラガーの後を引き継ぎチームをジェラードと牽引していくと信じてましたが、怪我やロジャーズとの折り合いが暇一つと、、、レッズでの晩年は悔いが残ります。ただ、Twitterではいつもレッズに対してポジティブな発言が多く好感が持てると同時に引退が惜しまれますが、指導者としてアンフィールドへ是非帰還して欲しいです。コロは3年間でしたが、持ち前の明るいキャラクターとベテランならではの読みの深さで大一番のプレイは光りました。移籍初年度シティ相手にゴールを決められた時の悔しい態度は忘れられません。合わせてポカをやってしまったWBA戦も今となってはご愛嬌ですね。個人的にはコロはコーチングスタッフとして残って欲しかったですが、円満な退団なので将来戻ってくることを期待したいですね。
    両選手には本当にお疲れ様でしたでした、そしてYNWA!

  2. abc より:

    アッガーは大好きな選手でした。引退は悲しいですが、お疲れさまと言いたいですね。
    本当にかっこいい選手でした。
    コロもベテランとしてしっかりチームを支えてくれて感謝しかありません。
    是非ともチームスタッフとして残ってほしかったのですが、UEFAの不手際によるサコの
    出場停止以降のパフォーマンスを見るとまだまだやれると思うので、現役引退後に
    戻ってきてくれればと思いますね。
    またシュクルテルも退団しそうな状況で寂しいですが、ここ10年の間にチームを
    支えてくれた選手たちの新たな場所での今後の活躍を祈るばかりです。

  3. オーヘンダーソン より:

    アッガーを初めて見たとき、この先10年はリヴァプールの最終ラインは安定だと思いました。機動力のあるポジショニング、強烈な左足、熱い魂と、全身の彫り物に似合わず優しい心。本当に好きな選手でした。本人も語っていたと思いますが、プレミアリーグの厳しいフィジカル合戦に晩年はついていけなくなっていたように感じましたが、それでも、、。
    シュクルテルとのコンビは、勝手に世界一怖そうなセンターバックコンビと名付けて応援していました。ここ10年を支えてくれた選手がどんどん離れていくのはさびしいの一言です。あとは、、ルーカス、、。

  4. K より:

    アッガーはこの歳で引退するならレッズで引退して欲しかったですね。
    リーセ、アッガー、ジェラード、アロンソが居た頃は何処からでもシュートが入ったし、シュートのようなパスが飛び回っていて楽しいサッカーでした。
    いつの日かまたアンフィールドに戻ってサッカーを楽しんで欲しいです!

  5. makoto より:

    Mackiさん>
    アッガーのあのタックルは印象的でしたね。毅然とした姿勢を崩さず、常に全力でプレイする姿勢にいつも素晴らしいと思ってました。ロジャース時代は、迷いが感じられる時期もありましたね。どこにいっても信頼をえられるコロは、私の好きなタイプの選手です。出ていくとなれば、燃え尽きるまでプレイしてほしいですね。

    abcさん>
    コロは、最後までチームに必要な選手だということを見せてくれましたよね。おふたりとも、何らかの形で戻ってきてくれるといいですね。

    オーヘンダーソンさん>
    ルーカス、残ればいよいよ10年めですね。ここぞというときにいてほしい選手です。

    Kさん>
    アッガーは、もう2~3年は現役でやるつもりだったのでしょうね。DFながらシュートも素晴らしい選手でした。

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