イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

リヴァプールの鬼門はタイトすぎる1月⁉…クリスマスまでに広げたいライバルとのギャップ!

あの日の翌日、「デイリー・ミラー」のマージーサイド担当記者であるマードック氏は、興奮冷めやらぬ様子でした。リヴァプール6-1ワトフォード、オンターゲット17本!彼らによると、2003-04シーズン以降のプレミアリーグで、17本ものシュートを枠内に打ち込んだチームは初めてだそうです。「私たちが学んだ5つのこと」と題したマッチレポートを書いた記者の見出しは、レッズの攻撃同様にパンチ力があります。「Coutinho and Firmino the deadly duo(コウチーニョとフィルミーノは相手を死に至らしめるデュオ)」「Five-star attack unstoppable at the moment(5人のスターによる攻撃は一瞬で止められなくなる)」「Henderson the new conductor(新たな統率者、ヘンダーソン)」。マネ、コウチーニョ、フィルミーノ、エムレ・ジャン、ララナが織りなす攻撃に、決して守備は悪くないワトフォードはまったく対応できませんでした。私は、レッズをリスペクトし続ける記事を無邪気に楽しんでいたのですが、そんななかでひとつだけ気になる見出しがありました。

「Liverpool could be clear at the top by Christmas(リヴァプールは、クリスマスには明確にトップの座にいるに違いない)」

論拠は、「既にプレミアリーグ上位クラブとの対戦を終えている」「ライバルたちは、チャンピオンズリーグに巻き込まれる」。なるほど、おっしゃるとおり。アーセナルとマンチェスター勢が激突し、チェルシーはトッテナムとのロンドンダービーの翌週にマンチェスター・シティ戦。ライバルがシックスポインターに明け暮れるなかで、レッズのプレミアリーグの日程を見てみると、セインツ、サンダーランド、ボーンマス、ウェストハム、ミドルズブラ、そしてマージーサイドダービー。クリスマス前のカードは、与しやすい相手ばかりです。バーンリーに足をすくわれて以来12戦負けなし、10勝2分で快走しているクロップ監督のチームは、クリスマスまでペースを落とさず走り切ってしまうかもしれません。優勝といわれると考え込んでしまいそうですが、「レッズはプレミアリーグ前半戦をトップで終えられるか」という問いに対しては、イエスと即答する方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。

さて、問題はその後です。アーセナルの鬼門が11月なら、クロップ監督にとってのそれは、初年度も苦しんだ1月かもしれません。12月31日にマンチェスター・シティと前半戦最後のゲームを戦うリヴァプールは、中1日でサンダーランド、直後にFAカップ。やっかいなのは1月15日のマンチェスター・ユナイテッド戦と31日のチェルシー戦で、それぞれ直前にEFLカップの準決勝が行われます。11月29日、アンフィールドでリーズと当たるEFLカップ5回戦は、まず落とさないでしょう。2つのカップ戦が一気に押し寄せてくる月に、リヴァプールは上位クラブを2つもさばかなければならないのです。

しかも1月は、14日からアフリカ・ネーションズ・カップが開幕。ジョエル・マティプとサディオ・マネは、2月頭まで帰ってこない可能性があります。6ゴール2アシストを決め、コウチーニョとのコンビで14回の決定機を創ったマネがいなくなった際には、フィルミーノとコウチーニョの「the deadly duo」を失ってはいけません。アーセナルにおけるアレクシス・サンチェスとジルーの差と、レッズのフィルミーノとスタリッジの差では、後者のほうが開きが大きいでしょう。ワトフォード戦に途中出場したスタリッジは、ゴールこそ奪えなかったものの、枠内シュートを4~5本重ねるなど動きは悪くありませんでしたが、彼にフィルミーノと同等の守備力は期待できません。クロップ監督が、負傷者続出で苦しんだ1年めと同じ道を歩かないことが、レッズがプレミアリーグの優勝争いに絡み続ける条件となるのではないでしょうか。

「デイリー・スター」のプレミアリーグ順位予想は、1位マンチェスター・シティ、優勝争いに残るのはチェルシーとトッテナムで、リヴァプールは失速して4位に終わるとしています。クリスマスまでにギャップを広げて1月をうまくやり過ごし、首位で春に向かうのか。昨季までの取りこぼし癖が顔を出し、リードを広げられないままタイトな1月から調子を崩すのか。ポイントとなるのは、フィルミーノとコウチーニョをいかにうまく休ませるか、主力不在時に両サイドの破壊力をどうやって維持するかだと思います。ララナ?オリギ?まさかのミルナー…⁉ここまでは完璧に近いシーズンを過ごしているクロップ監督の手綱さばきに注目です。

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“リヴァプールの鬼門はタイトすぎる1月⁉…クリスマスまでに広げたいライバルとのギャップ!” への4件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    確かに1月は鬼門ですね。マネの箇所はなんとかなるかもしれませんが、CBのマティプの代わりが想像できません。最終ラインで冷静にボールを裁く姿は、さすがにルーカスに求められませんし、クラヴァンも対応が違うので、ここは是非ともチームに残って欲しいところです。

  2. nyonsuke より:

    更新お疲れ様です。

    まだまだレッズを優勝候補とみる方々は少ないのですね。
    しかし昨年のレスターも落ちる落ちると言われ続けての優勝・・・、私は淡い期待を持ち続けて応援します。
    まずは年末まで首位を維持、そしてどの程度ライバルとギャップを築けるかですね、チェルシーが恐いです。
    さて1月問題ですが、私はマティプはもう残留決まりと思っていたのですが、そうでもないのですね。
    その場合はMackiさん同様、CBのほうが問題になってしまうと思います。
    もしルーカス、クラヴァンで回す場合は少しフォーメーションや闘い方を変えるのではないかと思います。
    サイドの選手はもともと層が薄いので補強が必要かと思いますが、私はプリシッチの活躍をみるとベストな気がするのですがドルトムントは出さないでしょうね・・・。
    ミルナーやヘンドのコンバート、夏の移籍市場での補強を見事に成功させたクロップ監督の手腕を信じたいです。

  3. what a hit より:

    今のリバプールを観て今夏リバプールに加入できなかった選手、しなかった選手は惜しいことしたと思っている!!かもしれませんね。欧州カップこそありませんが、今のリバプールに加入したい選手は結構いると思いますが、冬の移籍市場は難しいですからね。
    makotoさんが化けると言ったオリギをもっと見たいのですが、今季はあまりリーグで出番がないのが残念ですね。
    新戦力はもちろんウェルカムですが、オリギの覚醒にも期待したいですね。

  4. 緑黄色野菜 より:

    マティプはおそらく残りますよ。

    クロップもそう言ってますし、代表監督も同様なことを述べています。
    まあ100%ではないかもしれませんが。

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