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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

勝負を決めたヘンダーソンの絶品ロングフィード!南米王者を下したリヴァプールは初の世界一!

1981年のトヨタカップで3-0で圧勝し、世界一となったのはジーコのフラメンゴ。38年前のリベンジを果たしたいリヴァプールは、ハリーファ国際スタジアムに現在のベストメンバーを揃えています。GKアリソン、最終ラインはアーノルド、ジョー・ゴメス、ファン・ダイク、ロバートソン。中盤にチェンバレン、ヘンダーソン、ナビ・ケイタ、前線はサラー、マネ、フィルミーノです。2018-19シーズンの欧州王者はプレミアリーグで無敗を続けており、キックオフから攻める姿勢を鮮明にしています。

開始1分、アーノルドの浮き球でフィルミーノがラインの裏に抜け出しますが、右足のボレーはコントロールできずにクロスバーの上。5分にはヘンダーソンのロングフィードでサラーがボックス右に入り、落としを受けたナビ・ケイタはフリーのシュートを打ち上げてしまいます。1分後、アーノルドの鋭いミドルは惜しくも左ポストの外。押されていたフラメンゴは、10分を過ぎてようやく落ち着きました。前線に縦パスが入らなくなったレッズは、自陣でまわす時間が増えています。17分のフラメンゴの波状攻撃は、シュートがことごとく赤い壁に当たってしまいます。

26分、ロングフィードでSBの裏に抜けたのは、ブルーノ・エンリケ。左足のシュートは、ジョー・ゴメスが足元に飛び込んでCKに逃れました。30分をまわると、プレミアリーグのクラブは全く攻められなくなりました。ナビ・ケイタとチェンバレンにミスが目立ち、ロバートソンが左から上がっても孤立しがちです。43分、ロングフィードで裏に走ったサラーは追いつけず。レッズは序盤のシュート3本に留まり、前半をスコアレスで終えました。

後半の頭はレッズのペース。47分、ヘンダーソンが前線に出した柔らかい縦パスでフィルミーノが抜け出し、巧みに浮かしてカイオをかわすと、フリーで叩いたボレーはポストを直撃。50分に右から上がったアーノルドが鋭いグラウンダーを入れると、サラーの右足ボレーはニアに外れます。53分にフラメンゴが仕掛けた左からのアタックは、デ・アラスカエタが落としたボールをガブリエウが左足で狙いますが、ボールはアリソンの頭上を越えて先制ならず。直後にガブリエウが右から放った絶望的な一撃は、アリソンが右に飛んで弾き出すビッグセーブでチームを救いました。

68分、縦パスをもらって左から仕掛けたガブリエウのシュートは、コースを切ったファン・ダイクが足に当ててCK。レッズは前線の運動量が落ちてしまい、プレミアリーグよりも低いラインで受けにまわる時間が続いています。73分、チェンバレンが膝を痛めてしまい、代役はララナ。78分にロバートソンが左サイドを突破したチャンスは、高速グラウンダーにサラーが触れませんでした。残り時間は10分。アーノルドが打った初めてのオンターゲットは、GKアウヴェスの正面です。

84分、右サイドのアーノルドが内側に入ったナビ・ケイタに渡し、ニアに入ったサラーがグラウンダーを左足で合わせますが、カイオが体を張ってブロック。サラーの落としに走り込んだヘンダーソンのコントロールショットは決定的でしたが、アウヴェスが素晴らしい反応で上に弾き出しました。90分、フィルミーノのスルーパスでマネが裏に抜け出し、ラフィーニャが後ろから引っかけた微妙なシーンは、VARによってPKのジャッジが取り消しとなりました。8分の追加タイムが終わり、0-0。プレミアリーグでタイトなスケジュールを抱える欧州王者が望まない展開となりました。

ペースダウンしていたレッズに歓喜が訪れたのは、99分。マネを走らせたヘンダーソンのロングフィードは完璧でした。10番は無理に打たず、走り込んできたフィルミーノに転がすと、カイオのマークを切り返しで外したストライカーが無人のゴールに突き刺しました。直後のサラーのミドルは、アウヴェスがビッグセーブ。ナビ・ケイタと代わったミルナーは、リードされたチームにとってはやっかいな存在です。延長後半開始から、フィルミーノに代わってオリギが登場。ファン・ダイクのクリアをトラップした107分のガブリエウは、左足のシュートを枠に打てませんでした。

115分、アーノルドのFKはアウヴェスが左と読んでセーブ。119分にクロスをファンダイクがクリアした後、再度ニアに入ったボールはフリーのリンコンが打ち上げてしまいました。慎重に守った欧州王者。サラーの後を継いだシャキリが大きくクリアした瞬間、タイムアップの笛が鳴り、スタンドでは劣勢だったレッズサポーターの叫びが響き渡りました。3度の決定機でシュートを枠に打てず、フラメンゴに主導権を握られる時間帯もありましたが、ロングフィードで局面を打開できるチームが得意のカウンターで決勝点を奪いました。

破壊力抜群の3トップもさることながら、ファン・ダイク&アリソンはやはり最高の補強だったと思います。危険なミドルシュートはプレミアリーグNo.1守護神がセーブし、ボックスの中に入ってくるボールはUEFA最優秀選手がことごとく跳ね返しました。中央の安定した守備に加えて、ロバートソンの的確なポジショニング、ヘンダーソンのチャンスメイクにも拍手を送りたいと思います。レッズサポーターのみなさん、初の世界一おめでとうございます!(ジョーダン・ヘンダーソン 写真著作者/Кирилл Венедиктов)

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“勝負を決めたヘンダーソンの絶品ロングフィード!南米王者を下したリヴァプールは初の世界一!” への3件のフィードバック

  1. グッチ より:

    これで世界一のタイトルが手に入りました!タフな試合でしたが最後は押し切ることが出来たのは失点0で進められたからだと強く思います。フィルミーノの脱ぎパフォーマンスも観られて嬉しいですがチェンバレンはちょっと心配ですね…

  2. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    ボビーのゴールで勝負が決まり嬉しい限りです。
    チェンバレンの負傷状況が気になります。ゲーム後松葉杖に足を固定していたので、映像を観る限り良く無いのかもしれませんが、これは公式を待ちたいと思います。
    CWCでもアリソンやダイクが奮闘しゴメスも良きなってきたのではないでしょうか。これで今季カップは2つめですが、これで終わりでは無いので、次のレスター戦が大きな山場ですね。時間は多少あるので身体のケアに努めて欲しいところです。しかし優勝は嬉しいですね!

  3. アイク より:

    2ゲームとも苦しいゲームでしたが世界一のタイトルは嬉しいですね。
    苦しい時間帯も多かったですがじっと耐えれる守備力が備わったのは本当に大きいです。
    どれくらい欲しかったかは分かりませんが、この過密日程の中でタイトル取れたのは大きいですね。
    CWCのMVPはサラーになりましたが、個人的にはアリソンが相応しいと思います。前から凄かったですがヤシン賞貰ってからは更に凄味を増してる感じがします。

    —–
    今日も早速の更新ありがとうございます。
    クロップがシルバーコレクターなんていう心無い言葉を浴びせられていたのがほんの半年余り前。
    監督もチームもいまではすっかり世界最高(の1つ)と認められるようになり、二位とタイトルの差は後々本当に大きいと感じます。
    CWC、獲れて良かったです。

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