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ハゲよばわり、いらない放言…危ない2トップ、モウリーニョ&ファン・ハールの最新放言録!

やはり、この方たちはやってくれます。暴言・放言自由自在のモウリーニョ監督とファン・ハール監督。今週は、このおふたりが、わざわざトラブルを招くような最新の暴言を発表されておりますので、ここに紹介させていただきたいと思います。それでは、プレミアリーグの順位が上のほうからということで、モウリーニョさんからまいりましょうか。

9月3日から2日間、スイスのニヨンで「UEFAエリートクラブ監督フォーラム」という催しがあったのをご存じでしょうか。議長を務めたのは、UEFAコーチングアンバサダーのサー・アレックス・ファーガソンさん。欧州主要クラブの監督たちが軒並み顔を揃え、ミシェル・プラティニUEFA会長も当然出席という豪華キャストで、現在の欧州サッカー界におけるさまざまな問題について、意見交換がなされたようです。

フィリッポ・インザーギとアンチェロッティの師弟コンビや、グアルディオラとルイス・エンリケの元同僚関係など、和気あいあいと旧交をあらためる監督たちが多いなか、何しろ敵だらけのモウリーニョ監督は、端っこの席に淡々と座られていたようです(隣の席は、何とマドリードの後任・アンチェロッティ!)。会議では、戦術、レフェリングなど、多岐に渡るテーマが語られたそうですが、話題が「芝の長さ」になったところで、事件は起こりました。

話を振ってきたのは、バルセロナ時代にモウリーニョ監督と仁義なき戦いを繰り広げてきたペップ・グアルディオラ監督。彼は、サッカーはよりエンターテイメント性を追求すべしと主張し、「パスのスピードが上がるように、芝の長さを現状の上限3センチから半分の1.5センチにして、試合前に水を撒いたほうがいい」と提案。いかにもグアルディオラのサッカーが有利になりそうなこの提案に、モウリーニョ監督は、バイタルエリアを埋めるかのように「サッカーには多様なプレイスタイルがあり、それぞれが尊重されるべき」と制します。おお、早すぎる。5月に行われるはずの「バイエルン・ミュンヘンVSチェルシーの中立地決戦」が場外で勃発!

モウリーニョ監督からすれば、売られたケンカを買っただけなのでしょうね。このやりとりを受けたグアルディオラ監督は「サッカーの美しさは監督による。モウリーニョ監督はスペクタクルよりも結果を重視するようだ。彼にはそれがすべてなのだろうね。私にはわかっている」とコメント。さすが、犬猿の仲です。ペップさんも、わざわざいやらしい言い方をしますね。モウリーニョさんも、すかさず反撃。しかし、この発言は、さすがにイエローカードものです。

「人間は、自分がやっていることを楽しんでいれば、髪がなくなることなどない。彼の頭はハゲている。グアルディオラはサッカーを楽しんでないんだ」

ハゲ!話は、芝の短さから髪の短さに急展開したようです。いや、髪の本数のほうですね。こうなると、まるでコドモのケンカ。ツッコミ無用、評価不能。サッカーでは勝ち負け重視のモウリーニョ監督も、ケンカトークの技はグアルディオラサッカーに引けを取らないスペクタクルです。ここは前向きに捉えましょう。このコメントからわかることがひとつ、あります。プレミアリーグで開幕3連勝と、今季も「ハッピー・ワン」なモウリーニョ監督は、現在、自分のやっていることを楽しんでいるようです。そして、われわれにとってハッピーなこともひとつ、あります。今季のチャンピオンズリーグで、バイエルン・ミュンヘンとチェルシーがぶつかれば、ピッチの外も盛り上がること間違いなしです。

さて、ところ変わって、舞台はマンチェスター。こちらは、現在はあまり楽しくなさそうな監督のお話です。プレミアリーグ暴言王の有力候補、ファン・ハール監督が、またもいらない発言をかましました。先頃、アーセナルに放出したウェルベックについて、選手が聞いたら背筋が凍るような無慈悲なコメントです。

「私はこれまで、所属するすべての選手に対し、自分の力を証明するチャンスを与えてきた。ウェルベックは9歳のころからここにいるが、ファン・ペルシやルーニーのような記録を残していない。ここでは、この観点がスタンダードだ。われわれが彼を放出した理由はそこにある」

確かに、ウェルベックの142試合29ゴールという数字は、ルーニーの445試合217ゴールと比べると明らかに得点率が低く、ストライカーとしてみれば物足りません。しかし、それはあくまでも「いつもストライカーとしてプレイしていれば」の話。ファン・ペルシ入団後はサイドをまかされることが増え、ゴールラインまで戻って守備をすることも多かったウェルベックにしてみれば、「求められた役割を理解して、チームのために走り続けたのに評価はそこかよ!」といいたくなるでしょう。現在クラブにいる選手も、「ちゃんと評価してもらえるのだろうか」「自分の出来が悪かったら、こういう形でマスコミに放言されるのだろうか」と疑心暗鬼になってもおかしくありません。ああ、ファン・ハールさん、こんなことわざわざ言わなきゃいいのに…。

いや、これも、前向きに捉えましょう。ファン・ハール監督は、一方でこんな発言もしています。「われわれはこの夏、14選手を放出し、6人の選手しか買っていない。多くのポジションに空きがあり、それは若手のものとなる」 。なるほど。もしかしたら、今季は私のイチ推しのジェームズ・ウィルソンを観られる機会が増えるかもしれません。残り試合が最少で36試合となり、ファン・ペルシやマタでさえ出場機会が減りそうなチーム事情のなか、どこまでチャンスがあるのかはわかりませんが。ライアン・ギグスもこう語っています。「確かにダニーは移籍した。もちろん、残念なことだ。生え抜きの選手がクラブを去る姿は見たくないからね。(中略)去る選手もいるが、われわれは若手を発掘しなければならない。マンチェスター・ユナイテッドのファンはそれを求めるからだ」

彼らの発言を意訳して、「今回は、23歳のウェルベックより18歳のジェームズ・ウィルソンら次世代の若手を選択した。マンチェスター・ユナイテッドは、これから活きのいい生え抜きの選手がどんどん一軍に上がってくる」とポジティブに考えることにしました。とはいえ、23歳を過ぎてから大ブレイクしたスタリッジを思うと、見切りが早すぎるのが気になるところではあります。ヴェンゲル監督の笑顔とグーナーの歓声が頭のなかをぐるぐる回りますが、過ぎたことより、今後の巻き返しに期待しましょう。しかしまあ、ホントにひとこと多いですね、この方…。

というわけで、最後も前向きに締めさせていただきます。プレミアリーグの場外バトルは、大型新人ファン・ハール氏の登場で、今季も盛り上がり必至です。モウリーニョさんとファン・ハールさんの直接対決はあるのでしょうか。その昔のプロレスの「猪木VS馬場」のような幻のカード、見たいような見たくないような…。

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“ハゲよばわり、いらない放言…危ない2トップ、モウリーニョ&ファン・ハールの最新放言録!” への5件のフィードバック

  1. リバサポ より:

    更新お疲れ様です。相変わらず、モウリーニョはキレキレで感心します笑
    さて、ファンハールのほうはあまり感心できませんね。確かに、ユナイテッドのファンがクラブに求める哲学とは自前の選手を戦力として育てあげることなんでしょう。しかし、今のユナイテッド内部、主にフロントは結果を重視しているように見えます。試合数も少なく、結果を出しながら若手も育成するなんてことはかなり難しいのではないかと思います。昨年のリバプールでは一昨年からブレイクしていた若手が大きく育ちましたが、新たにトップチームで活躍した若い選手はほぼいないんですよね…
    その原因は試合数が少ない内にCL圏内に入ることを目的にしていたのでメンバーをかなり固定しなければならなかったことにあります。

  2. パックン より:

    ファンハールはバルセロナでもバイエルンでも若手を積極起用してきましたからね。
    そして彼が積極起用した若手の多くがビッグネームと呼ばれるまでに成長していきました。
    この人は若手を見る目に関しては間違いはないと個人的には思ってます。
    まあ彼がクラブを去ってから本格的にブレイクするパターンも結構ありますがね…笑

  3. makoto より:

    リバサポさん>
    実際問題としてジェームズ・ウィルソンは難しいかもしれませんが、既に頭角を現し始めているヤヌザイ、リンガードあたりの成長促進は、ぜひやってほしいなと思ってます。

    パックンさん>
    そうですね。スタイルが確立している選手は相性のよしあしがありますが、染まってない選手に自分の色をつけてはばたかせるのは得意ですよね。

  4. アスピ(ry より:

    モウリーニョはハゲの選手がとりづらくなりましたね苦笑

  5. makoto より:

    アスピ(ry さん>
    確かに!チェルシー戦は、敵チームの髪の薄い選手が必要以上に頑張ってしまうかもしれません。やはり、バイエルン・ミュンヘンがいちばん要注意です(笑)

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