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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

「バルサとチェルシーに負けたから解任」はさすがにペジェグリーニ監督がかわいそう…!

昨秋ささやかれていた「ペジェグリーニ監督解任説」は、プレミアリーグで調子を崩し、チャンピオンズリーグでグループステージ敗退寸前まで追い込まれていたのが理由でした。しかし、マンチェスター・シティは、アグエロの大活躍でバイエルン・ミュンヘンから奇跡的な勝利を挙げ、最終戦のASローマとのアウェイ戦を完勝。プレミアリーグでも一時はチェルシーに追いつくぐらいの快進撃をみせ、解任話は終止符を打ったはずでした。

しかし、年が明けてから今ひとつ波に乗れないマンチェスター・シティに、きなくさい話が復活しているようです。ネタ元がイギリス紙「ガーディアン」となると、笑って忘れるわけにはいかない気分にさせられます。彼らが伝えている話は、いたってシンプル。「無冠ならペジェグリーニ監督は解任される可能性あり。後任候補筆頭は、バイエルン・ミュンヘンのペップ・グアルディオラ監督」というものです。真偽のほどはともかく、こんな話が出ること自体に驚きを禁じ得ません。「チェルシーとバルセロナに負けたらクビですか⁉」と。

確かに、1月からこちらのマン・シティはいいとはいえません。プレミアリーグではアーセナルとリヴァプールに敗れ、エヴァートンとハル・シティにドロー。チェルシーには再度離され、勝ち点差は5となりました。FAカップはミドルスブラにジャイアントキリングを喰らい、チャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦では本拠地エティハドでバルサに完敗。今季、無冠に終わる可能性が色濃くなっています。2012-2013シーズン、マンチェスター・シティは、プレミアリーグ2位だった前任者のロベルト・マンチーニ監督をFAカップ決勝でウィガンに敗れた直後に切っているものの、マンチーニさんは3年半という期間をみたうえでの解任。その年のタイトル云々よりも、2年連続でチャンピオンズリーグのグループステージを突破できなかったことのほうが大きかったのではないでしょうか。「欧州を勝てる監督へ」という文脈のなかで招聘されたのがペジェグリーニ監督だったのだと思われますが、初年度にプレミアリーグ優勝を遂げた2年めという短い期間で、しかも敗れた相手がバルセロナ(まだわかりませんが)だとしても解任」というのは、厳しいですね。今は憶測にしかすぎませんが「このクラブならやりかねん」と思わせるところに、今回のニュースのツボがあります。

バイエルン・ミュンヘンのグエルディオラ監督は、強化部長のマティアス・ザマー氏らクラブの経営陣の一部と折り合いが悪いと伝えられていますが、契約切れならともかく、よほどのことがない限りは今季でサヨナラはないでしょう。いや、この話はむしろ、逆に考えたほうがいいのかもしれません。「グアルディオラ監督を口説ききることに成功したら、結果がどうであってもペジェグリーニ監督続投はなくなる」と。レアル・マドリードがアンチェロッティ監督をパリから連れてきたときは、それに近い形だった可能性があります。アンチェロッティさんは、「自分に声がかかったのはモウリーニョ退任表明の後」といいながら、「最初のオファーがいつだったのかは拷問にかけられてもいえない」と語っています。この手の話は、事実は永遠にわからないのでしょうが、グアルディオラ監督には、既にマンチェスターからコンタクトがあるのかもしれません。もしかすると、「マンチェスターからの電話」は2本あるのかもしれませんが。

マンチェスター・シティが無冠だった場合、監督に加えてベギリスタイン強化部長とソリアーノCEOも危ないと伝えられていますが、私が強化部長なら、「FFPで金使えないのにどないせいっちゅーねん!」と啖呵のひとつも切りたくなります。実際のところは、どうなんでしょうか。短期的な成果で監督を切り続けるのがリスクが高いことは、一時はプレミアリーグ6位まで落ちた急成長クラブの先輩・チェルシーが証明しています。いや、ほんとうにペップを連れてこられるなら別ですが。その場合は、「無冠なんて、結婚相手として許せない」ではなく、「もっといい人と結婚するから」というお話ですね。いや、それにしても…。戦略・戦術は明快かつ強力で、チームに大きな不協和音もなく、補強予算を使えなければ少数精鋭のチームをうまくやりくりできるペジェグリーニ監督は、なかなか得がたい優秀な監督だと思います

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“「バルサとチェルシーに負けたから解任」はさすがにペジェグリーニ監督がかわいそう…!” への5件のフィードバック

  1. MUFC-7 より:

    シティが少数精鋭?
    プレミアだと最大の戦力を持っているのはシティでしょう
    冬に4人目のFWに50億使ってヨベティッチを不満分子にするなど予算もあります

    —–
    上のコメントの方は、少数精鋭という言葉に反応されておりますが
    この文面からするに、シティに限ったことではなく
    ペジェグリーニ監督のこれまでの実績として補強予算を使えなくても
    うまくやりくりが出来るということではないでしょうかね…。

    私がどうこう言うのも変ですが。

    —–
    シティの記事のコメントには時々、噛みつき口調の人や荒ぶってる人を見かけます。怖いですね。

  2. PPET より:

    現実に切るのが得策かどうかはさておき、この話そんな驚きですかね?

    これだけの戦力抱えて、カップ戦敗退、CLGS大苦戦、プレミア、CL駄目じゃそういう話出ても何ら不思議はないと思いますけど…。
    てか懸案だったCBだけでなく、DMF、プレミア屈指のCFまで捕って金使えないはいくらなんでも無理ありすぎかと。

  3. a より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    ペジェグリーニ監督は、「各ポジション2人ずつ」を宣言して、シンクレアやナスタシッチなど選手を放出しており、チャンピオンズリーグのリスト人数削減にも対応しています。ケガ人が出てもあわてることなく、チェルシー以外の他のトップクラブよりも少ない人数で回しているという認識です。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    「ペジェグリーニ監督のこれまでの実績として補強予算を使えなくてもうまくやりくりが出来る」→そうですね。やりくりはうまいですよね。

    MUFC-7さん>
    冷静にやりとりできることを願っています。私もネガティブな感情むき出しで書いたりはしませんので。

    PPETさん>
    マンガラとフェルナンドは前季の冬に時間切れで獲りそこなった選手で、ランパードは幸運もあり、ボニーはレンタルで放出もしつつの補強なので、他のクラブよりは制約条件がきつかったのは確かではないでしょうか。

    無冠に終わったとしても、相手は欧州の5本の指には入れてよさそうなチェルシーと、スペインのトップクラブです。他に理由があるならともかく、単年の成績で切るというのは厳しい話だなと思いました。スペインでは3強のいずれかがが無冠に終わる可能性が常にあり、プレミアリーグも優勝争いのライバルが厳しいので。

    —–
    マンチェスターシティは強くなってからまだサイクルが回ってなく主力が高齢化してるのでこれからどう強さをキープしたままサイクルを回していくのか見ものですね。

    —–
    以前、YouTubeの、ユナイテッドサポが試合中にモイーズを野次るチャントを歌っている動画に、シティのエンブレムのアイコンの人が"Respect to manager"? United fans are fucked(「監督に対するリスペクトだって? ユナイテッドファンは狂ってる)というコメントを残したのを見たことがありますが、似たようなものですね。まだ未定ではありますが。

  4. PPET より:

    FFP違反の制約があるのは事実でも、シティって結局夏冬併せて100億以上使ってますからね。
    正直これで「金使えないのにどないせい言うんじゃ」とか啖呵切られたら、個人的には速攻首でいいと思います。(笑)

  5. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    そうですね。若手に少しづつ、いい選手は出てきてますが、そのまま育つでしょうか。

    aさん>
    おっしゃるとおり、その話は決まってからですね。ひと頃、チェルシーが監督を毎年のように変えて苦しんでいましたが、腰を据えてやってもらえる方にしないと、同じ道を歩んでしまう可能性がありますね。

    PPETさん>
    マンチェスター・シティの夏の支出は全体で5番めで、大量に出て行かれたという経緯があったとはいえサウサンプトンよりも低いです。一方で収入は6番めとわりと上位。ネグレドを出したり、移籍金ゼロ円の選手を引っ張ってきたりとフロントが工夫してかなりのやりくりをしています。

    —–
    個人的には解任もしょうがないかなって気はします。
    といってもバルサとチェルシーに負けたからではなくて、同じ過ちを繰り返してると感じられるからです。昨シーズンも試合によってモチベーションの差が感じられ、格下相手に落とすこともしばしばでしたが、今シーズンはさらにひどい気がします。負けた次の試合でも覇気が感じられなかったり、選手たちを上手く把握できてないのかなと。
    今のままで来シーズン以降チームのメンタル面が強化されるのかというとう~んという感じなので変化は必要だと思うし、それが監督だったとしてもおかしくはないかなと思います。

    —–
    パチさん>
    おっしゃるような、結果とは違う判断軸があっての解任ならありだと思います。私は、昨季のモイーズ監督について、ある時期から解任したほうがいいのではないかと書きましたが、それはプレミアリーグ7位だからではなく、彼が始めた「選手の距離が離れすぎた、サイド攻撃主体の古いサッカー」の行く末に欧州で勝てるエッセンスが感じられなかったのと、主力選手といざこざがあったからです。今回の報道は「無冠なら」という結果で伝えられており、そういう見方をマスコミまでするということについて、どうなのかと書いた次第です。「サン」「デイリー・メール」なら、驚くより笑ったかもしれません。

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