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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

クロップ監督、電撃辞任!次のクラブはプレミアリーグか…急げ、ガナーズ!

香川真司は、とにかくついていません。移籍するたびに、自分を引っ張ってくれた監督がたった1年でチームを離れるのですから。この記者会見にはびっくりしました。ユルゲン・クロップ監督、ドルトムント辞任。これまでクラブは再三、来季もクロップ監督で戦うことを表明しており、7年という長きにわたり相思相愛だったクラブと指揮官の関係は、絶不調に陥った今も揺るぎないようにみえました。しかし、クロップ監督自身は行き詰まりを感じていたようです。3月末にドイツ紙に語っていた「ドルトムントには変化が必要」という言葉は、今思えば「私はもはや不要な人間だ」という意味を含んでいたのでしょう。

「自分は、この素晴らしいクラブにとってパーフェクトな指揮官ではないと考えた。今回の決断は正しいと確信している。このチームは適切な監督に率いられるべきだ。…決して疲れたわけではない。どのクラブとも交渉はしていないが、来季、休養するとは考えていない」

常時チャンピオンズリーグ出場を狙うチームが、9勝6分け13敗の10位で欧州へのチケットが絶望となり、責任を強く感じたクロップさんは、このまま何事もなかったかのように指揮を執り続けることをよしとしなかったのでしょう。後任と目されていたトーマス・トゥヘル氏のドルトムント入りにメドが立ったという報道もあり、他のクラブが動く前に来季の体制を固めるべしということで、このタイミングでの発表となったのだと思われます。いずれにしても、ご本人が辞任を望んだのであれば、これはもう致し方なし。ここからの興味は、休養を考えていないという名将の行き先です。

かねてからプレミアリーグ入りを噂されていたクロップさんを口説きにいきそうなクラブを挙げれば、本命マンチェスター・シティ、対抗アーセナル、大穴リヴァプールといったところでしょうか。プレミアリーグ優勝どころか、チャンピオンズリーグ出場権確保も危なくなってきたマンチェスター・シティはペジェグリーニ監督解任の可能性大で、マン・シティの経営陣はチャンスが向こうからやってきたと手ぐすねを引いているところかもしれません。ヴェンゲル監督やロジャース監督に自ら身を引く素振りはなく、ブックメーカーがマンチェスター・シティに低い倍率を振るのは当然です。

しかし私は、今回のベットに乗れといわれれば、多分に願望も込めてアーセナルに張ります。選手の高齢化が進み、年が明けてからめっきり走らなくなったマンチェスター・シティに、クロップ監督が大鉈を振るって走るサッカーを導入するのは時間がかかるのではないかと思います。一方、最近若い選手が増え、さぼらないアレクシス・サンチェスとよく走るエジル、細かい仕事を丁寧にこなすカソルラが主軸のアーセナルに、クロップさんのゲーゲンプレッシングを持ち込んだら、一気にプレミアリーグと欧州をめざせるぐらいの大化けがあるかもしれません。

なしくずし的にフンメルスやギュントガンなど連れてきてくれたら、グーナーのなかには泣いて喜ぶ方もいらっしゃるのではないかと思います。ウィルシャーやチェンバレン、コクラン、ベジェリンあたりは伸びそうですね。懸念があるとすれば、ケガ人が減りそうにないことぐらいではないでしょうか。ここはひとつ、ヴェンゲルさんには、アーセナルの偉大なる歴史や魅力を語って大物選手を引っ張ってくる役割にまわっていただき、この先10年、プレミアリーグのトップに君臨するための足場を作るというのはいかがでしょうか。

というわけで、本記事のタイトルは私の願望でございます。マンチェスター・シティにはクオリティの高い選手が集まっており、いいチームだとは思うものの、どうもクロップ監督との食い合わせがいいと思えないのです。現実的かどうかはともかく、ペジェグリーニ監督の後任としていちばんぴったりはまる指揮官は、選手の個性を発揮させることに心を砕くレアル・マドリードの監督だと思います。

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“クロップ監督、電撃辞任!次のクラブはプレミアリーグか…急げ、ガナーズ!” への14件のフィードバック

  1. ルナルナ より:

    管理人さんと全く同じ意見で驚きました(*_*)

    けれども、僕はベンゲルが大好きです。やっと、お金を使えるようになってきた今にクロップと変わってくれと考えるのは残酷でしょうか…

    後2年位ドルトムントでやって欲しかった…

  2. Uボマー より:

    クロップさんは7年やったそうですが、ファーガソンやベンゲルになるにはそれだけ難しいってことですね。

    ドルトムントもブンデスでは大きなクラブでしたが、本当に資金力の大きなクラブを率いるのも見てみたいと感じさせてくれる監督さんです。クラブの格だけでなく、選手獲得でも大きな脅威となっているレアル・バルサの2強を崩すようなクラブに行ってほしいところですが…。ユナイテッドも欲しかったけれども、アーセナルなら許せるかも。

    シティはお金があるけれども、どこまで本気でサッカー界にかかわりたいのかわからないところもあります。それ以前に今の面子じゃほとんど入れ替えが必要になってしまいますね。

  3. 京都グーナー より:

    管理人さんが挙げた以外にもラムジー、OXもクロップに合いそうですね。
    ただ、今季は相手によって戦術を合わせるようになってきて、上位対決の結果も向上しているので、ベンゲルに不満はないです。このままボスにもう一度PLを取って欲しいです。去年だったらウェルカムでしたけど
    シティは合いそうなのがヨベティッチとかボニーぐらいしかいなそうですね

  4. ぐなきち より:

    クロップは素晴らしい監督ですが、今季主力の引き抜きから立て直せないまま終わってしまったので今ボスの後継者として招聘されるのは賛成できないです。今まで主力を引き抜かれ続けてもCL権を死守し、ようやく補強にお金を使えるようになってまだ2年なのにここで功労者のベンゲルを切るのは余りに酷だと思います。今年特に後半戦には満足してるのでこのままボスに率いてほしいです。

  5. プレミアリーグ大好き! より:

    少し前までクロップこそマンUにふさわしい、と思ってたのですが、ファン・ハールがこんなにも立て直すとは予想外でした。マンUでのクロップが見たかったのですが…タイミングって大事ですね(笑)

  6. A より:

    いつも更新お疲れ様です。

     香川はほんとについてないですね。見ているほうがかわいそうになってきます。どうにかドルトムントとともに復活してほしいです。

     一方クロップ監督ですが、彼の戦術でプレミアリーグを戦うためには選手層にかなりの厚みが必要だと思います。プレミアの日程であの戦術をやるとけが人続出でコンディション維持にかなり苦労しそうですね。

     それに今期のクロップ監督を見ていると彼は自分の戦術に対策をされたときやチームが不調の時の対応があまりうまくないのではないかと感じます。長く苦しいプレミアで戦うならば不調の時も勝ち切る、または不調から早々に脱するノウハウがないと遅かれ早かれ沈んでいくような気がして不安です。まだまだクロップ監督は若いし、ヴェンゲル監督もやっとお金をかけれるようになったのでまだ今はヴェンゲル監督のままでいいのではないでしょうか。
     
     なんにせよクロップ監督の退任は本当に残念でした。彼のあの笑顔が大好きなのでどこのチームでもいいからまた監督をしてほしいです。

    以上長文失礼しました。

    —–
    ぐなきち氏と同意見です。
    主力を抜かれた程度で10位に低迷するようじゃあベンゲルに及びません。
    ベンゲルの試練の方がもっと厳しかったでしょう。

  7. スパーズ推し より:

    チームを率いる監督としてはベンゲルの方がいいと思います
    クロップはむしろ、戦術的革新をもたらすグアルディオラを筆頭とするタイプの監督だと思うので
    今まさに革命を必要としているクラブにこそ招聘されるべきだと思います
    その意味で、現実的がどうかはさておきプレミアならエバートン辺りを率いてみてほしいというのが僕の感想です

    ただ、そもそもクロップのゲーゲンプレッシングのスタイルで
    プレミアを一年戦い抜けるのかというと僕は厳しいと感じます

    ましてや、毎年野戦病院が恒例のガナーズなんて率いたら
    スタメンが誰も残らないのでは……(笑)
    (最後のは冗談ですw)

  8. ゆうま より:

    自分としては大反対

    アーセナルはベンゲルが長年率いてきたクラブであり、そのベンゲルとは全く違った
    戦術志向の監督に後を継がせるというのは。長年積み上げてきたものをガラガラポンする
    愚かな試みだと思います。

    今のアーセナルは良くも悪くもブレないベンゲルが長年一貫したチーム運営を
    してきたクラブであり、それが強みでもあり弱みでもあります。

    次期監督はアーセナルの強みを引き継ぎ、弱みを補ってくれる指導者であるべきで
    個人的には現アヤックス監督のフランク・デ・ブールを推します。

  9. より:

    ただクロップ監督は子供の頃から有名なACミラン信者ですよ。さらにクロップ自身が公言しているように→僕が尊敬して崇拝している人はACミランのアリゴサッキ監督だけだ→と発言していました。
    それでミランでもクロップの声が出てきました。

  10. アーセナル より:

    面白いネタですね!
    いつも楽しみにしておりますm(_ _)m

    ゲーゲンプレスって、スパイス時代のアーセナルスタイルみたいです、あの頃のハイプレス、ショートカウンターに似てる気がします!ドルトムントのほうが、より組織的ですが…今のアーセナルに組織的なプレッシング身につければ、素晴らしいですね!

    でも、今では無い気がします…

    —–
    アデバヨール、ベイル、モドリッチ、レノン、ファンデルファールトがいた時代のトッテナムだったら最高に強くしてくれそう

  11. MUFC-7 より:

    彼なら新しい戦術生み出しそうです。若いですし、まだまだ沢山の引き出しがあるでしょう。1年休養してもらい、ユナイテッドの監督して….

  12. ヤヤ・トゥーレ より:

    失礼ながら管理人さん、この前ヴェンゲルを変えたらチームが崩壊するかもしれないと言ってませんでしたか。ユナイテッドがそうなったように、アーセナルも長期政権の瓦解が凋落になるかもしれないと。

    それと今回の管理人さんの意見を逆読みすれば、今のヴェンゲルではタイトルを獲れないんじゃないかという見解とも取れます。個人的にはその意見に賛成ですし、来季もヴェンゲルが続投ならば無冠は確定でしょう。それはここ10年の歴史が証明してますし、ヴェンゲルはある意味で強固なポリシーの持ち主ですので何も変わらないと思います。

    ただ気になるのは、クロップの解任に対してヴェンゲルがサーカスのようだと批判してるとこなんですよね。個人的にこういう所がヴェンゲルの嫌いなとこなんですが、老将と新進気鋭のどちらをフロント側が選択するのか見ものですね。

  13. もっちー より:

    >>ヤヤ・トゥーレさん
    最近FAとコミュニティ・シールド獲って今大分離されてますけどリーグ2位でお金も使えるようになってってそんな中で
    来季無冠は確定と言うのは余りにもアレではないでしょうか・・・。

    クロップに関しては反対ですね今季のドルトムント見てると色々と怖いです。

  14. makoto より:

    みなさん>
    いろいろなご意見、ありがとうございます。こういった、少々ムキにはなりながらも基本明るいサッカー談義は楽しいです。ありがとうございます。

    年末までは、ヴェンゲルさんに解任論まであり、マスコミでも本ブログのコメント欄でもヴェンゲルさんに対する批判が多かったのですが、このところの好調もあって見直しムードにあるのだなとあらためて思いました。同時に、結局ドルトムントを立て直せなかったクロップさんの株は大きく下がったのだな、と。アーセナルサポーターの方々がクロップさんに懐疑的なのに対し、マン・ユナイテッドサポーターにはそこはかとなく、「来てくれたらいいな」感が漂っていたのも興味深いです。マン・ユナイテッドは、ファーガソンというコンセプチュアルな監督の長期政権を過ごしてきたので、どこかにノスタルジーがあるのかもしれません。年齢を考えると、ファン・ハールさんは長期にはなりえないので。

    さて、ヴェンゲルさんとクロップさんについてです。私は名古屋グランパス時代からのヴェンゲルファンであり、プレミアリーグに来てからの選手獲得やパスサッカー導入についての(当時は)革命的だった方法論を、その持ち込み方も含めて素晴らしいと思っております。そしてまた、ヴェンゲルさんがもうひと花咲かせることに期待もしておりますし、できるとも思っています。ただし、それとは別に、70歳が見えてきた指揮官から次世代への「渡し方」も重要だと思っています。マン・ユナイテッドはそこを失敗してしまいました。前任者が、同郷の監督を一本釣りするというアナログなやり方はコンセプチュアルではなく、長期的な視座にも欠けていた、ということになるのでしょう。

    マン・ユナイテッドの失敗をふまえれば、アーセナルについては、「いつヴェンゲルさんが引くのか」という退任ありきの考え方でなく、「いつ誰に渡すのか」という発想で次の時代を考えたほうがいいのではないかと思っておりました。今まで書かせていただいたことでいえば、以下が論旨です。

    1)プレミアリーグ4位は落とさないヴェンゲルさんほど力のある監督はそうそういないので、安易な解任論は危険ではないか
    2)「リーグや欧州のタイトル獲れないから辞めるべし」ではなく、「次の時代をこのひとに任せたい」という、ビジョンとそれをなすことができる監督を選んだうえでのバトンタッチにすべしではないか
    3)1と2をふまえ、クロップさんが節目を迎えた今、アーセナルが彼のコンセプトをよしとするならば(ここには異論も多いという認識ですが)、ドルトムントを離れた今という「タイミング重視」の世代交代はありではないか

    クロップさんには異論反論ありそうですが、プレミアリーグに何らか革命的なことを起こしてくれそうという期待感はあります。ヴェンゲルさんが来た頃は、「彼のサッカーはプレミアリーグでは無理」といわれており、「何やねんフランス人が!」というピリピリいた空気がありました。新しいことを持ち込もうとする人は、とかく警戒されるものです。「クロップさん、いかが?」と書いたなかには、アーセナルには、新しくておもしろい何かを起こしてくれるクラブであってほしいという思いもあります。

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