イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ブックメーカーでは解任候補第1位!正念場のリヴァプール・ロジャース監督に打開策はあるのか?

ブレンダン・ロジャース監督の進退話がヒートアップしてきました。ブックメーカー「sky BET」には「Manager Specials」というコーナーがあり、そこでは「Next Premier League Manager to Leave(次にクラブを去るプレミアリーグの監督)」というベットが行われているのですが、最近オッズがどんどん下がっているロジャース監督はぶっちぎりの1位。0勝2分け4敗で、プレミアリーグの最下位とブービーに仲よく並んでいるサンダーランドのアドフォカート監督、ニューカッスルのマクラーレン監督を2位と3位に押しやるというのは並大抵のことではありません。ちなみに、ここには「Next Permanent Liverpool Manager」というベットもあり、1位ユルゲン・クロップ、2位はアンチェロッティ、3位にフランク・デ・ブールという顔ぶれです。

ウェストハムにホームで0-3の惨敗。マンチェスター・ユナイテッド相手になす術なく、マルシアルを勢いに乗せるプレミアリーグデビューゴールを決められての3-1完敗。ここまででもサポーターが苛立ちを募らせるには充分な結果ですが、先週はプレミアリーグ昇格組でいちばん補強をしていないノリッジとアンフィールドで戦ったにも関わらず、ミニョレのミスで1-1ドロー。ファンの激おこスイッチが押されたのは、昨日のキャピタルワンカップ3回戦、カーライルとの一戦です。リーグ2(4部相当)で10位というチームを本拠地に迎え、90分で決着をつけられず1-1のまま延長戦。コウチーニョとララナがPKを外し、GKボグダンが3発ストップという活躍を見せてくれなければ、ジャイアントキリングの大見出しが新聞を飾っていたところでした。プレミアリーグ、ヨーロッパリーグ、国内カップで計8戦を戦い、2点をゲットした試合が1度もないという惨状では、ブックメーカーのオッズが急激に動くのも無理はありません。

既にサポーターは堪忍袋の緒が切れかかっているようで、週末のプレミアリーグ7節、1勝1分け4敗とこちらも不振のアストン・ヴィラ戦では、「黒ぶちメガネ」「ジャージ」「ベースボールキャップ」といったクロップ監督のコスプレで試合を観よう、という呼びかけがファンサイトでなされているようです。ミッドウィークのネタに飢えているメディアにとっては、もちろんおいしいネタです。イギリス紙「デイリー・メール」「デイリー・エクスプレス」など複数紙が、レッズのオーナーであるフェンウェイ・スポーツ・グループ(FSG)がアンチェロッティさんに監督就任を打診したと一斉報道。地元紙「リヴァプール・エコー」がクラブの否定コメントを掲載しておりましたが、認めるわけがない当事者の広報だけでは、火は消えないでしょう。地元紙とて味方とはいえず、リヴァプールに理解があることで有名なジェームズ・ピアース記者は、シュート47本、オンターゲット16本で1点という効率が悪いカーライル戦を「恥ずべき勝利」と切り捨てています。

ロジャース監督、完全なる四面楚歌。本拠地アンフィールドで17位のチーム相手とはいえ、ヘンダーソン、フィルミーノ、デヤン・ロブレンらを負傷で欠くと思われるチームに「絶対勝てる」と太鼓判を押すのは憚られます。この夏、ベンテケを抜いたヴィラ相手にベンテケを投入して完封されようものなら、翌週のメルウッドの練習場には指揮官の姿はないかもしれません。相手のシャーウッド監督も解任が云々されている立場で「自分は追い込まれたときに力を発揮するタイプ」と、強気のコメントを残しています。開幕してまだ1ヵ月半というタイミングで開催されるレッズVSヴィラという名門同士のカードが、両監督とも解任リーチがかかっているような厳しい試合になるとは思いませんでした。いやいや。

2013-14シーズンでリヴァプールがプレミアリーグ2位に躍進したことについて、「スアレスがいたからであって、ロジャースは何もしていない」とまでいう人が一部にはいるようです。このシーズンのスアレス・アンド・スタリッジ(SAS)は近年稀にみる貢献度で、彼らがいなければ2位は難しかったという声には賛成ですが、どちらかが不在だった2ヵ月強の期間をまずまずの成績で乗り切ったロジャース監督の手柄も大きかったと思います。コウチーニョに今ほどの迫力がなかった当時、ヘンダーソンをさまざまな役割でフィットさせ、スターリングの成長を促し、フラナガンを抜擢したのは監督の手腕でしょう。英国系の若い監督から一流が出てほしいという思いもあり、ロジャース監督には期待し続けていたのですが、最近3バックにスイッチしたのをみて、厳しいのではないかと思うようになりました。

ナサニエル・クラインとアルベルト・モレノの位置を上げて、サイド攻撃を強化したかったのかもしれませんが、であればなぜサイドを主戦場にできるマルコヴィッチをレンタルに出し、ジョーダン・アイブをベンチに置き続けるのでしょうか。フィルミーノ、ミルナーという中で活躍できる選手を獲得し、ストライカーを4人揃えたチームには、別な戦い方があるはずです。今のロジャース監督には、適材適所という概念と一貫性が欠けているように感じますが…いや、言葉を呑み込んで息を詰めて、週末の戦いを見届けることにしましょう。リヴァプール、正念場。今ほしいのは、未だ見ぬ2点めと勝ち点3という結果です。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“ブックメーカーでは解任候補第1位!正念場のリヴァプール・ロジャース監督に打開策はあるのか?” への6件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    いやはやまさかこのシーズン早々にこのネタにレッズが晒されるとは、、、。
    ロジャーズ擁護派のジェームズ・ピアース記者もってしても今のレッズはかばいきれないのでしょう。
    全くもって同感です。3バックを頑固に使い続けている時点でもうダメかもと何度も思った次第です、、、。元々3バック信望者ですが、昨シーズンの3バック成功の思いが強いのかもしれません。
    今週末のヴィラ戦どうなることやら、、、ミッドウィークのゲームがチームにダメージを負わせていなければいいのですが、、、。

  2. 名無し より:

    遅くとも次のマージーサイドダービーの結果次第で解任という線が濃厚ではないかと思います
    ちなみにベンテケは週末のヴィラ戦はハムストリングの負傷で欠場濃厚らしいです

  3. makoto より:

    Mackiさん>
    ケガ人も増えており、正念場ですね。今のメンバーで3-4-3は、無理があるのではないかと思いました。ダイヤモンド型の2トップが、選手のいいところをいちばん足し算にできるのではないか、と。

    名無しさん>
    先週、ハーフタイムで代わってましたが、難しそうなのですね。ダニー・イングスが悪くないので、がんばってもらうしかありませんね。

  4. トーレス より:

    ロジャースは自分の理想の選手が揃っていて
    結果を出せる監督だと思えます。
    代表監督とかの方か向いているのでは?
    確かに成功や成長した選手はいますが
    その逆のほうが多いのは監督としてどうでしょうね。
    コウチーニョやスタリッジにしても
    もともと実力はあったけど
    出場機会に恵まれていなかっただけに過ぎません。
    どれだけの補強をしたと思っているのでしょう。
    金額だけなら世界最高の選手も獲得できるじゃないの?
    残っているのはフィット出来ない選手ばかり。
    リバプールは強くなる可能性がある時に
    監督に恵まれてない気がして残念でなりません。

  5. より:

    いつも博学な記事を楽しませてもらっています。
    アンチェロッティが来てくれるなら即解任希望のレッズファンです。200億円以上つぎ込んで殆どが無駄になっています。
    超一流選手を買えるクラブ状況ではない中でスアレスを放出した上、一流半の選手に高い金を出すフロントにも問題はありますが、
    攻撃はほぼキープレーヤー頼み、ユナイテッド戦で露呈した守備戦術の構築力が著しく低いロジャースでは未来がないと思いますね。
    管理人さんはロジャースの何を評価しているのかとても不思議だったのですが、英国出身の監督に期待を寄せられていたのですね。
    私も英国出身の若手監督という点には期待してましたが、自分のファンチームで監督の育成などしたくないですねw
    個人的にはノリッジ戦の3バックは妥協の産物としては少し評価しているのですが、それについて語ると長文になりすぎるので自重します。

    13-14シーズンのデータです (途中出場考慮せず)
    SAS出場時  23試合16勝5分2敗 76ゴール(平均3.30)37失点(平均1.61)L=アーセナル・チェルシー
    スアレス欠場  5試合3勝1分1敗  5ゴール(平均1.00)3失点(平均0.60)L=サウサンプトン
    スタリッジ欠場 9試合6勝0分3敗 22ゴール(平均2.44)10失点(平均1.11)L=ハル・シティ・チェルシー
    両方欠場    0試合
    スアレスがいなかったのは最初の5試合なのでスロースターターに定評があるロジャースには可哀想なデータですが、
    夢を見せてくれたのはスアレスであり、ロジャースではないですね。ファンとしては。

  6. makoto より:

    トーレスさん>
    昨季と今季については、力があるのに活かされていない選手が多いのは確かですね。「理想のサッカーより適材適所」にしっかり舵を切り直せないのであれば、近い将来監督は変わることになるのでしょう。

    kさん>
    ロジャースさんへの期待は「英国系からいい監督が出てきてほしい」ということで、評価はスウォンジー時代の采配や、2013-14シーズンにSASだけでなく周囲の選手をうまく動かしていたことに対してのものです。「夢を見せてくれたのはスアレスでありロジャースではなかった」のかもしれませんが、あの年のチーム作りは守備面を除けば評価できるポイントが多かったのではないかと思っています。

Macki へ返信するコメントをキャンセル