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ユルゲン・クロップ、リヴァプール監督就任決定。新戦術&キーマンを想像してみました!

ユルゲン・クロップさんのリヴァプール監督就任が決定です。昨日、イギリスメディア「スカイスポーツ」をはじめ、複数のメディアが契約合意と報道。つい1時間前、公式サイトにクラブのシャツを着たクロップ監督がサインをしている写真が掲載されました。プレミアリーグのピッチでロジャース監督を見られなくなるのは残念ですが、一時期瀕死の状態だったドルトムントをトップクラブに復活させたドイツの名監督の登場で、チャンピオンズリーグ出場権争いは俄然白熱しそうです。創立123年のリヴァプールにとって、クロップ監督は歴代21人め。ウリエ、ベニテスに続く3人めの外国人監督となります。リヴァプールは、よくぞ口説き落としました。一度ならず二度まで固辞したと聞いていたので、恋愛も営業も監督オファーも断られてからが腕の見せどころなのだなと、あらためて感服した次第です。

48歳のクロップ監督は、今季が指導者として15年めのシーズンとなります。2001年に当時2部だったマインツの指揮官に就任すると、2003-04シーズンにはクラブにとって初めてのブンデスリーガ昇格を達成。2008年より前年13位と下位に低迷していたドルトムントを率いて、3年めの2010-2011シーズンにはブンデスリーガを制覇。翌シーズンにはリーグ連覇とドイツカップの2冠奪取を果たしています。プレミアリーグファンのなかには、前半戦を最下位で折り返すという昨季の苦戦ぶりを不安視する方もいると思われますが、最終的には7位まで巻き返してヨーロッパリーグ出場権は確保しています。何しろプレミアリーグは初めてで、主力に負傷者が続出すれば停滞する可能性もありますが、トータルに実績を見る限りでは明るく期待していいのではないでしょうか。マインツとドルトムントでそれぞれ7年を過ごしており、若手を育てながら長期的にクラブを強化していくことができる指揮官だと思います。

さて、ここからは未来のお話です。ドルトムント時代の采配を思い出しながら、クロップ監督の新フォーメーションを想像してみましょう。最終ラインは、おそらく4枚で固定するのではないでしょうか。ナサニエル・クライン、シュクルテル、サコ、アルベルト・モレノ。12月にフラナガンが復帰すれば左右のバックアッパーとなり、CBはデヤン・ロブレンとジョー・ゴメスがいます。今季、左のSBに起用されることが多かった18歳のジョー・ゴメスは、引き続きアルベルト・モレノとポジションを争うことになるかもしれません。

4-2-3-1か、あるいは4-4-1-1か。守備もできて展開力があるエムレ・ジャンをギュンドアンの役割として中盤に据え、ヘンダーソン、ミルナーとコンビを組ませるフォーメーションがイメージできます。4-2-3-1なら、当面はエムレ・ジャンとミルナー。左右にジョーダン・アイブ、ララナ、オリギが入り、トップ下にコウチーニョ。4-4-1-1なら、左からコウチーニョ、エムレ・ジャン、ミルナー、ジョーダン・アイブと並べて、スタリッジ、ベンテケ、ダニー・イングスから2人が縦関係で前に入る形です。ヘンダーソンとフィルミーノが復帰して、周囲との中継役を果たせるララナが絡めば、より競争は激しくなります。

ロジャース体制との違いは、前線の守備、攻撃のスピード、パスの長さではないかと思います。中盤の底、あるいはCBから速く長いボールが前線に入り、そこから左右に展開するシーンが増えるのではないでしょうか。もしそうだとすれば、後ろにはフィードが的確な選手、最前線とトップ下にはうまく楔のパスをうまく受けられる選手が必要です。キーマンとなりそうなのは、エムレ・ジャン、トップ下としてのコウチーニョあるいはセカンドストライカーのスタリッジ、スピードのあるオリギとジョーダン・アイブ。期中の就任となった今季のプレミアリーグでは、ドルトムントでならしたプレスは導入しきれないでしょう。ハーフライン手前でボールを奪い、速攻を仕掛けるスタイルになるのではないかと思います。

リヴァプールを成績不振というならば、それは3勝3分け2敗という勝ち負けよりも、プレミアリーグ8試合でたった8ゴールというゴール欠乏症を示す数字でしょう。4位と5位がクリスタル・パレスとレスターという混戦で、彼らとの勝ち点差はたったの3点。リヴァプールがゴールを奪えるチームに変貌すれば、1ヵ月もあれば4位には食い込んでくるのではないかと思われます。トッテナム戦の後、ルビン・カザン、サウサンプトン、ボーンマスと3試合連続でアンフィールドで戦えるスケジュールは、新任監督にとっては悪くありません。月末に不振のチェルシーに勝てれば、チームは軌道に乗るでしょう。リヴァプールにとってもクロップ監督にとっても新しいサッカーが観られそうです。モウリーニョさんとの鮮やかなトークバトルも含め、プレミアリーグに新たな熱き風が吹くことを期待しております。

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“ユルゲン・クロップ、リヴァプール監督就任決定。新戦術&キーマンを想像してみました!” への10件のフィードバック

  1. あああ より:

    リヴァプールにここまでの名将が来るのっていつ以来ですかね?
    ロジャースもいい監督でしたが、不運も多かったですね。
    ここ数年、フットボールに革命をもたらした内の一人はクロップだと思ってますので、プレミアに本当に面白い監督が来てくれましたね。
    クロップは以前、「私の人生は挑戦だ。子ども相手に豪快なスマッシュを決めたとして、それを楽しいと思うかい?」と言ってたので、リヴァプールのような挑戦者のクラブが彼には合うのかもしれませんね。
    なにより、あの情熱的な監督はKOP達にやたらハマりそうですよね笑

  2. シティズン より:

    黄色とか赤とか情熱的なチームカラーが合う監督ですよね
    シティには似合わないなぁ

  3. 通りすがり より:

    ロジャーズの解任からクロップの就任までわずか4日程ですので、今回のフロントの仕事の早さはよかったと思います。
    クロップのキャラクターはアンフィールドの雰囲気にはぴったりハマりそうですし、何よりも今まさに旬な監督が来てくれたことが本当に楽しみです。

  4. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    正式に決まりほっとしてます。早起きしてLFCの公式サイトで笑顔の写真を観て更にテンションが上がりました。
    今は色々夢見がちな時ですが、冷静に観ていきたいと思います。

  5. 実はグーナー より:

    ロジャーズはフロント主導の選手補強の中で相当頑張ってたと思います
    そんな中でクロップはどうなりますかね
    とりあえず面白くなりそうです

  6. makoto より:

    あああさん>
    そうなんです。キャラ的には、レッズがいちばん似合うんですよね。とても楽しみにしています。

    シティズンさん>
    マンチェスター・シティには、現役時代に青系の色が入っているユニフォームを着ていた方がいいのではないでしょうか。バルセロナとか、水色のブレシアとか…。

    通りすがりさん>
    もしかしたら、「クロップ脈あり→ならばロジャースさん解任」の順番だったのかもしれませんね。

    Mackiさん>
    あの笑顔はいいですよね。われわれは30年以上、監督は怖いか暗いかどちらかですので、うらやましいです。

  7. makoto より:

    実はグーナーさん>
    同感です。ファーガソンの初期がそうだったように、ロジャースさんに多少難しい時期があっても信じてまかせる、という道もあったのではないかと思います。一方で、クロップさんがいけそうだとなれば、この展開も致し方なしなのですが。

  8. chop-マンUファン より:

    クロップ監督はとにかく焦らず
    じっくりチームを育てていって欲しいですね
    上手くいけばチャン、オリギあたりは
    クロップ監督の元で輝けそうな気がします
    ユナイテッドとリバプールが復活して
    いつか首位同士でのダービーが見たいです!!

  9. nyonsuke より:

    ついに決まりましたね!
    期待値と実績ではここ数年で一番の監督がリバプールにきたと思います。
    これでまた今年のプレミアリーグは一層盛り上がると思います。
    主様や他の方々がおっしゃる通り、まず肝はディフェンスかと思います。
    ボールの奪う位置とそこからの展開、これは現チームの課題でもあったのでクロップ監督がどのように構築するかをまず注目したいと思います。
    まずはクロップ監督にようこそ!リバプールへ!とエールを送りたいです。

  10. makoto より:

    chop-マンUファンさん>
    賛成です。エムレ・ジャンの大化けはありそうです。

    nyonsukeさん>
    中盤の構成がカギですね。個々のクオリティは悪くないので、うまくやれば相当強くなりそうです。EL獲ったりしたら盛り上がりますね(初年度で期待し過ぎかもしれませんが)。

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