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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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「チェルシーはアーセナルを見習ったほうがよい」って、クーマン監督、やめてください!

イギリスメディア「デイリー・ミラー」のこの見出しには、驚きました。「Jose Mourinho should be more like Arsene Wenger – and put Chelsea on the offensive, says Ronald Koeman(クーマン監督が発言~モウリーニョ監督は、もっとヴェンゲル監督を見習うべき。チェルシーを攻撃的に)」。クーマン監督、こんなこといっちゃってたんですね。やめてください。これぞ「火に油」です。モウリーニョ監督は今のところ沈黙していますが、アストン・ヴィラ戦直前の会見で、おもしろがった記者が話を振ってしまうのでしょう。モウリーニョ監督が売られたケンカをスルーする姿は想像できません。反論は、セインツの監督ではなく、アーセナルの監督のほうに向けられてしまう可能性大です。ヴェンゲル監督にとっては、とばっちりもいいところです。

「チェルシーは、攻めるという選択肢があるときでも守備を好む。モウリーニョは、常に守るほうを選んでいる。1-0でリードしているとき、チェルシーは次のゴールを奪うのではなくリードを保とうとする。しかし、アーセナルは相手を殺すことができる。マンチェスター・ユナイテッド戦の勝利は印象深かった。攻撃志向だからこそ、アーセナルは完全にユナイテッドを破壊できた。それもたった20分間でね。最高に素晴らしいサッカーを披露していた。チェルシーは守備的になることで、相手に復活するチャンスを与えている」(ロナルド・クーマン)

確かに、プレミアリーグ8節のチェルシーとサウサンプトンの対戦では、チェルシーがウィリアンのFKで先制点を挙げたにも関わらず、1-3と逆転負けを喫しています。しかしクーマン監督、だからといって「アーセナルに学べ」とは、乱暴、いや、天然すぎるのではないでしょうか。モウリーニョ監督のチェルシーは、対アーセナル15戦でわずか1敗。明らかに準備不足だった今年のコミュニティシールドで負けただけで、プレミアリーグでは1回もやられていません。というより、モウリーニョ監督とヴェンゲル監督の緊張感の高い関係について、昨季1年をプレミアリーグで過ごしたクーマン監督がご存じないわけはないでしょう。ヴェンゲル監督を巻き込むという意図がないなら、「チェルシーが攻撃的に来ていたら、われわれは逆転できなかったかもしれないね。あ、そうそう、話変わるけどさ、アーセナルはマンチェスター・ユナイテッド相手に凄いサッカーしたよね」と、別件にしておいていただいたほうがよろしいかと思います。

セインツ戦のチェルシーは、守りにいったのではなく、攻めあぐんでいたのです。ポゼッション60%でシュート10本という数字は、攻撃の糸口をつかめないまま持たされ、マネ、ペッレ、スティーブン・デイヴィスらの速攻にやられたという試合内容を雄弁に語っています。何かを改善するなら、アザールのトップ下投入と、アスピリクエタの右SB起用ではないでしょうか。昨季プレミアリーグMVPがドリブルで左から中に斬り込んでいくという攻撃は、対戦相手からかなり警戒されています。キープ力があるアザールを中央に置いて、ドリブルするのではなくさばきに徹してストライカーや左右のアタッカーにシュートを打たせることができれば、現状の攻撃の課題は一定解決するのではないかと思います。最近の試合を観ていていちばん気になったのは「ストライカーの孤立」でした。

セルビア代表のゲームでマティッチが筋肉系のトラブルに見舞われ(軽傷でしょうか)、イヴァノヴィッチがハムストリングを負傷しており、ピンチをチャンスに変える采配をするにはいいタイミングです。アストン・ヴィラとのゲームでは、右をアスピリクエタ、左をババとSBを固定し、ラミレスとズマでセントラルを締めるという起用もおもしろいのではないでしょうか。後ろがアスピリクエタならウィリアンやペドロは攻撃に重心を置くことができ、ズマは守備力もさることながら、攻撃に加わったときの迫力もなかなかのものです。何しろ相手は、不振の自分たちよりも混乱しているプレミアリーグ18位のチームです。新しい布陣で気持ちよく勝てれば選手たちのモチベーションが上がり、モウリーニョ監督の舌も滑らかになるのではないかと思います。

そんなわけで、クーマン監督、きっかけさえつかめば「1点を守り切れるチェルシー」が戻ってくるはずですので、あまり盛り上げないでください。ヴェンゲル監督もバイエルン戦を控えて、自分たちの仕事に専念したい時期なのです。と、いってはみたものの、ヴェンゲルさんもまた、「ロジャース監督の解任は理解できない」などとよそんちの台所に土足で入り込んでますね。もとい、トークバトルは嫌いじゃないのでOKです。どんどんいっちゃってください。とはいえ、クーマン監督の「彼はPKを欲しがっていたが、スタンフォード・ブリッジでの前半は、サウサンプトンに2つのPKが与えられるべきだったね」という挑発的なコメントは、さらに火に油。いつものモウリーニョ監督なら黙って終わらせないですよね…。続報を待ちましょう。

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“「チェルシーはアーセナルを見習ったほうがよい」って、クーマン監督、やめてください!” への1件のコメント

  1. makoto より:

    更新お疲れ様です
    クーマン監督、言いたいこと言っていますね笑 面白いし良いんですが笑
    セルビアコンビ不在のピンチをチャンスに変えて欲しいですね、本当に。ババ左アスピ右をきっかけに、何かが変われば良いんですけどね〜。ちょっとした変化でリズムを取り戻し、景気良く連勝で安定感取り戻して欲しい次第です!

    —–
    Mさん>
    気持ちで負けているところが大きそうなので、SBの変化で勝利をつかんでモチベーションが上がるといいですね。

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