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クラブ最高のプレミアリーグ8位から一転…スウォンジーのガリー・モンク監督が解任!

勝負の世界ですから、どこかが浮けばその分だけ別のチームが沈むわけで、全員が幸せになるのは難しいのはわかっているのですが、この監督の解任は見たくありませんでした。スウォンジーのガリー・モンク。他の解任劇より残念に感じる理由は、36歳のプレミアリーグ最年少指揮官への期待が大きかったこと、スウォンジーに11年も在籍していた功労者であること、昨季はプレミアリーグ8位とクラブにとって過去最高の実績を残していたことです。本拠地リバティ・スタジアムでレスターに完敗した直後ではなく、水曜日という中途半端なタイミングでの発表は、後任の目処が立ったからなのでしょうか。15節を終えて3勝5分7敗の15位、9月以降はアストン・ヴィラ戦以外に勝利なしという惨状に、クラブは苦渋の決断をするしかなかったようです。

2014年2月、選手との確執がささやかれていたミカエル・ラウドルップ監督解任の後を受け、選手兼任でチームを束ねることになったときは、未だ34歳。クラブや他の選手からの信望が厚い以外に武器がなかった新監督の船出は、前途多難にしか見えませんでした。2013-14シーズンにおけるスワンズは、何とか降格を回避してプレミアリーグを12位で終えたものの、ロベルト・マルティネス、ブレンダン・ロジャース、ラウドルップと三代で築き上げた美しいパスサッカーは、若すぎる監督の下で潰えてしまうのではないかと危ぶまれました。

ところが2014-15シーズン、モンク監督のチームは、開幕戦でファン・ハール新監督のチームをアウェイで叩くと、3連勝のロケットスタート。マンチェスター・ユナイテッドとアーセナルの両者相手にダブルを決めた史上3つめのクラブになりました。1月に絶対的エースだったウィルフリード・ボニーをマンチェスター・シティに抜かれたにも関わらず、後釜のバフェティンビ・ゴミスにゴールを決めさせ、最後までヨーロッパリーグ出場権を争ってのプレミアリーグ8位フィニッシュは、指揮官の確かな手腕によるものだと思われました。今シーズンも、開幕戦でチェルシーと引き分け、4節ではマンチェスター・ユナイテッド相手に就任以来の3連勝を決めています。最初の4試合を2勝2分とした好調クラブが、まさか年末直前に3勝しかしていないとは、誰も想像できなかったでしょう。スウォンジーに、何が起こったのでしょうか。

開幕から4試合連続ゴールを決めたバフェティンビ・ゴミスはその後パタッと止まり、攻撃が多彩だったチームは、シグルズソンと今季新加入のアイェウでしか点が獲れない単調なチームに変質してしまいました。元々、2014-15シーズンのTOP10のなかで最少ゴール数だったチームです。今季はさらに貧攻が目立ち、下から3番めの14ゴールでは、9月以降の1勝3分7敗は致し方なしでしょう。ブラガから獲得したエデルのノーゴールは誤算だったとはいえ、ゴミスを過大評価して正統派ストライカーを獲らなかったのは失策だったのではないでしょうか。スウォンジーは、中盤はまずまずながらもフィニッシュが読みやすく、厳しいマークもない凡庸なチームになってしまいました。

11年前にリーグ2(4部相当)に在籍していたスワンズに入団し、以来200試合以上に出場。キャプテンとしてクラブをプレミアリーグに押し上げた躍進の立役者を切るにあたって、ヒュー・ジェンキンス会長は簡単な決断ではなかったと語っています。

「苦渋の決定は、重苦しい思いで行われた。最近3カ月、パフォーマンスが低下しており、状況を打開する道を模索してきたが、今回の決定が最善だと考えた。ガリーは22ヵ月前に、クラブに関わるすべての人の賛同を受けて監督に就任し、昨季は素晴らしいシーズンを送ってくれた。しかし、現在のクラブを取り巻く重い状況から脱出するには、明快なジャッジが必要だった。今回の決定は軽々しくなされたものではない。ガリーのこれまでのキャリアや貢献を考えれば、余計にそうだ。選手として10年以上、さらに監督としても貢献してくれたガリーに感謝していることはいうまでもない。彼の将来の幸せを祈っている。そしてスウォンジーは、いつでもガリーを温かく迎える準備ができている」

ブックメーカーの解任予想で、モウリーニョ、マクラーレンを抑えて一番人気だった監督は、クリスマスを迎えることができませんでした。ブックメーカーは早くも後任予想にシフトしていますが、本命はレアル・ソシエダを解任されたばかりのデイヴィッド・モイーズ、対抗にはリヴァプールの前にスウォンジーの指揮を執っていたブレンダン・ロジャースの名前が挙がっているようです。ミチュやボニーがいたときのワクワクするサッカーを観たい私としては、その礎を築いたロジャースさんに復帰していただきたいのですが、どうなるでしょうか。おそらく、今日あすには発表があるのではないでしょうか。モンクさんには、この経験を活かして、いずれプレミアリーグに戻ってきてくださいと申し上げたいです。いや、やはり、無念です。(ガリー・モンク 写真著作者/Rhysowainwilliams)

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“クラブ最高のプレミアリーグ8位から一転…スウォンジーのガリー・モンク監督が解任!” への4件のフィードバック

  1. タカシ より:

    更新ご苦労様です。
    ついに来ましたか、、、。うーん残念です。負け方は惨敗よりは惜敗のイメージが多い感じがします。
    何かを改善は理解できますが、、、。願わくばロジャーズの片腕として復帰して欲しいですね。
    モンク良いイメージのある青年監督でした。

    —–
    更新お疲れ様です。
    このような結果になったとはいえスウォンジーへの貢献は計り知れないものがありますね。
    まだまだ若くこれからもチャンスはたくさんあるでしょう。今季頑張ってるハウ監督のように下位から結果を出すのもいいかもしれません。今後が楽しみな監督ですね。

  2. シティズン より:

    モイーズだけは、モイーズだけはやめてください
    お願いします

  3. ヤンガナ大好き より:

    ガリーモンクの解任、本当に残念ですね。熱いキャプテンシーをもった若きイングランド人監督率いるスワンズに、アーセナルは昨シーズンダブルを喰らいましたが、清々しい印象しか残っていません。確かにゴミスはレギュラーをはるスターターとしては波があり過ぎで、得点力欠乏してはいましたが。今後のイングランドサッカー界を背負って立つ監督人材として、また彼の活躍を祈っています。セクシーフットボールのスワンズにはウェールズ唯一のプレミアチームとして何とか残留に向け巻き返しを期待します!

  4. makoto より:

    Mackiさん>
    引いて守るチームではないのに、点が獲れないのはきつかったですね。私も好印象でした。

    タカシさん>
    そう思います。2部や3部のクラブを上に引っ張る、という仕事もモンクさんらしくていいのではないでしょうか。

    シティズンさん>
    ニューカッスルにモイーズ、なら違和感ありませんが、スワンズにはミスマッチですね。

    ヤンガナ大好きさん>
    代表は好調ながら、トップリーグにいるウェールズのクラブは彼らだけなので、何とか残ってほしいです。

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