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クリスマス前の衝撃!チェルシーを立て直せなかったモウリーニョ監督、解任!

ボーンマス戦に敗れたときから、予感はありました。プレミアリーグとカップ戦で10戦連続勝利なしだった今季昇格チームに、昨シーズンまで無敵だったスタンフォード・ブリッジでゴールを奪えなかったのですから。ただしこの予感は、「今の体制ではチェルシーは復活できず、いずれ話はモウリーニョ監督の処遇に及ぶかもしれない」といったぼんやりしたもので、「プレミアリーグを制した監督がクリスマスまでもたない」などというとんでもない事件が起こるとまでは思っていませんでした。

今週に入り、空気が一変しました。レスター戦の完敗、緊急理事会の開催報道…イギリスのタブロイド紙は、連日のモウリーニョ見出しです。そして昨日、セスク・ファブレガスがチームに不協和音があることを認める発言をしました。「不振や出来の悪い試合に対していっているわけではない。クラブにはビッグな選手も、そうではない選手もいるが、いずれも最高のプレーを見せなければならない。今、チェルシーの選手全員が正しい態度で振る舞っているようには見えない」。クラブも、この状況に手を打たないわけにはいかなかったのでしょう。双方合意のうえという但し書きがついた「モウリーニョ監督の解任発表」に対して最初に感じたのは、「やっぱり、そうか」という諦めにも似た感覚でした。

2015-16シーズン、モウリーニョ第二次政権の3年めは、開幕からいろいろなことがありすぎました。エヴァ・カルネイロ医師の降格とその後のトラブル、レフェリー批判による再三のペナルティ、練習場でのジョーク禁止報道、ヴェンゲル監督に対するエキセントリックな非難、記者会見場におけるロベルト・マルティネス監督への悪態…。これだけネガティブなことが積み重なったシーズンは、選手にとってもストレスフルだったのではないでしょうか。戦う気力があるように見えない選手に対しての批判もあるかと思われますが、不振の責任は監督が取らなければならず、モウリーニョさん自身のいくつかの振る舞いが、チームのモチベーション低下につながってしまったのは間違いないでしょう。

プレミアリーグ優勝クラブが、翌シーズンの16試合めで負け越していたのは、1995-96シーズンのブラックバーンと現在のチェルシーのみ。それでもブラックバーンは6勝3分7敗と借金はひとつで、今季のブルーズは過去に例をみない低迷ぶりです。コンディショニングの失敗や、戦術の問題だけでこれだけ悪くなるとは考えられません。「ハッピーワン」と称していた初年度のように、泰然とした物腰と秀逸なトークでマスコミを仕切り、選手やスタッフとポジティブに接していれば、まったく違う結果になっていたのではないかと思います。

好きな監督だっただけに、ただただ残念です。イギリス紙「デイリー・メール」が解任を報じた記事「Mourinho SACKED! Chelsea boss sensationally booted out for second time as Abramovich prepares staggering pay-off」に掲載されていた、退任決定直後に車の助手席で顔を隠して練習場から去る写真はショッキングでした。チームマネジメントに失敗し、キャリアワーストの成績で愛するチェルシーを去ることになってしまったものの、「クラブの110年の歴史の中で最も成功した監督」とチェルシー公式サイトが形容したプレミアリーグ優勝3回、タイトル獲得8回という偉業は、称賛され続けるべきものだと思います。モウリーニョさんは、いずれまた晴れ晴れとした表情でトロフィーを手にするシーンを見せてくれることでしょう。そしてチェルシーは、後任監督とともに戦うことになります。ヒディンクか、ファンデ・ラモスか、あるいは…。昨季王者は巻き返してくるはずです。次戦、プレミアリーグ17節は、サンダーランドとのホームゲームです。

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“クリスマス前の衝撃!チェルシーを立て直せなかったモウリーニョ監督、解任!” への5件のフィードバック

  1. ぐーなー より:

    ついに解任ですか…

    どちらにしろ4位以内は厳しいから今季終了までは解任無しに思ってたんですが…

    グーナーとしては鼻に付くとこも有りましたが、いざ解任となると少し寂しいですね

    —–
    とうとう解任されてしまいましたか

    チームの不調だけならまだしも、選手やスタッフ・メディアとの関係悪化が致命的だったのでしょうか。
    モウリーニョ監督のパーソナリティの強さが悪い方向へ全てを進めてしまったように感じます。

    今シーズンは調子が上がりませんでしたがモウリーニョ監督のチェルシーは常に他チームの脅威であり続けました。CLでもちゃんとプレミアリーグにポイントを持ち帰ってくれましたしね。
    昨シーズンのチェルシーはビッグイヤーを十分に狙えるだけの完成度の高いチームだっただけに半年で空中分解してしまったことがとても残念です。

    1プレミアリーグファンとして今回のニュースはとても悲しいですね。
    これだけの話題性・カリスマ性のある監督はなかなかいないですからね。

    モウリーニョ監督、お疲れ様でした。

  2. グローリーグローリー より:

    モウリーニョ監督大好きなんで、ようこそマンチェスターへ、と言いたいところですが、さすがに今回の人事にはモウリーニョさん心を痛めてるんではないでしょうか。骨を埋める覚悟で戻ってきてリーグ優勝の余韻冷めやらぬ中での解任劇ですから。さあ次と腰を再び上げるには時間がかかりそうですね。

    今季はその手腕よりも、エキセントリックな部分が目立ってしまったシーズンになりましたが、それでも来季のOTでモウリーニョ監督がベンチに座ってスタンドからファーガソンさんが微笑ましく見ている光景を目にしたいです。

  3. M より:

    更新お疲れ様です
    いやー淋しいですね。
    私は特別好きでもないですし嫌いでもないですが何故か応援したくなる人という感じだったので、あのモウリーニョ節が聞けなくなるのかと思うと残念でなりません。
    とりあえず彼の失敗はバラの種(お喋りの種)を蒔きまくって、上から見る分にはとても良かったのですが、下に落ちたらトゲに絡まったと表現しましょうか。そんな印象です。もっとも種を蒔かせたがるのは柵の外の人間なんですがね。

    —–
    更新お疲れ様です
    いやー…ただただ悲しいですね…
    今後もモウリーニョ監督の、チェルシーのそれぞれの活躍を祈っていますが…
    今はただ…(´ ;ω; `)

  4. レミー より:

    ついにですか…。
    正直インテル・マドリー時代も追っかけてた自分からすると、エヴァ医師の件や選手批判始めたころからもうやめるべきかもな…という考えはありましたし、その考えはどんどん強まっていきましたが実際にそうなるとやはり寂しさはあるもんですね…。

    個人的にはターニングポイントは今年はじめのスパーズ戦の敗戦後から守備的にシフトしていったことだったかなと思います。
    攻撃力を保ったまま守備を再構築するのではなく、テリー仕様の守備を保つために攻撃陣に無理を強いて2シーズン目を乗り切り、そしてそのまま3シーズン目に突入したことがよくなかったんじゃないかなと。
    昨シーズン前半のサッカーを追及していけば歴史に残るようなチームになるかもと思っていただけに残念でした。

    —–
    チェルシーファンですが、非常に嬉しいです。大人気ない言動や、選手起用など不満が残る部分が多々あったのでこれがきっかけでチームが上昇してくれるとありがたいです。

  5. ゆうま より:

    優勝請負人であるモウリーニョが効率化に拘るのは当然なことではありますが
    彼の求めるそれは人情の入る余地すら無くなってしまったのではと思います。

    昨シーズン複数のレギュラーが不調に陥った時、彼は控え選手を起用するよりも
    不調のレギュラーを使った時「彼は人を使うことを知らない」と思いました。

    何時かそのしっぺ返しを食らう日が来るとは思っていましたが、まさかここまで
    酷い事になるとは。

    今回の件はモウリーニョにとってキャリア最大の躓きだとは思いますが
    何故こうなったのかどうしたら良かったのかをよく考えて、この件から
    得られた教訓を今後のキャリアの為に活かしてまた素晴らしい仕事を
    してくれる事を願っています。

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